村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

JREIT

米国政策金利引き上げで投資妙味が高まるJREIT

米ドル保有者から見たらそのうち実質配当利回り5%はおいしいと思う。

ここまで下記参考記事以降顔面つっこみつつひーひー言いながらJREITをナンピンしていた。

【過去参考記事】

地銀勢の米債損失補填損切り売りでJREITは好バリュエーションに向かう

それがここ数日ようやく報われる形で上昇してきた。

【東証REIT指数のチャート】
タイトルなし


この値動きを見るとJREITについては地銀勢が戻ってきたのだろうか?
個人的にはそう考えてはいない。
なぜなら未だ米国債やフランス国債の金利は上昇を続けており、引き続き地銀の外債ポートフォリオは傷ついているはずで、容易にリスク資産に手を出せる状況にはないと思っている。
そうなるとこの買い主体は外国人投資家となるだろう。
では外国人投資家はどのような論理でJREITを買っているのか?

その要因とはFRBの政策金利引き上げにあると考えている。
その理屈はこうだ。

世界の中でのREIT市場では米国REITが圧倒的に大きく、次に欧州・日本・豪州がごっちゃにいるような世界である。
そのような市場で米金利上昇によって徐々にREITの中でもJREITは有利な位置に変化しつつある。
理由は米国人から見た時のJREITの利回りが上昇しているからである。
米国REITはそのまま投資すると配当利回り2~3%しかなく、かつ米金利上昇によって配当利回りと国債利回りの差が薄くなり、徐々に投資妙味として微妙な位置づけになりつつある。
インフレによって家賃上昇が期待できるとはいっても、家賃の上昇でいきなり利回りが4・5%になるとは考えづらい。

一方でJREITは日銀が金融緩和姿勢を継続していることにより、10年あたりの国債利回りとJREITの配当利回りがいつまでたっても縮小しない。
これに加えて米国の政策金利引き上げによって、米ドル保有者から見ればJREITを購入してこれをドルヘッジするとJREITの配当利回り+為替ヘッジプレミアムがもらえるのである。
現在JREITの配当利回りは3.7%付近で、為替ヘッジプレミアムは0.4%ぐらいのはずなのであわせると4%ちょっともらえる。
そしてこの為替ヘッジプレミアムはFRBが利上げをすればするほど拡大する。
仮に4回ぐらい利上げして為替ヘッジプレミアムが1.5%ぐらいもらえるレベルになれば、JREIT購入+ドルヘッジで5%を超える配当利回りを得られる。
これは米国ハイイールド債と同等程度の利回りになる。
しかも、これは日銀のYCCアンカーと為替ヘッジプレミアムは変動であるため米国の固定利付債を買うより金利上昇リスクという点では堅い。

以上を考慮すると利回り4%で放置されたここ1か月は絶好の買い場であったことは容易に想像できただろうと思う。
もちろん米国株みたいな爆発力はないが、今回の相場ではJREITのミドルリスクミドルリターンの特性がよく出ていたと思う。

まあ結果論ではあったが、インフレが叫ばれる中で3年移動平均線以下に位置していたJREITはやはり目を瞑って利回り4パー教を信じて買ってれば大怪我することはなかったですねというオチである。
 
 2000円相当のビットコインがもらえるキャンペーン開催中 コインチェック

地銀勢の米債損失補填損切り売りでJREITは好バリュエーションに向かう

REIT、10カ月ぶり安値 10日連続下落 米金利上昇・感染再拡大で

1年半ぶりに買いたいと思わせる動きになってきた。

昨日は米金利上昇をトリガーとしてJREITがばかすか売られる動きとなったのが際立ったが、これについてはそろそろ買い場ではないかと考えている。
この動きは毎回お決まりの動きであるのが想像できるからである。

【東証REIT指数のチャート】
タイトルなし


まずこのJREITの売りの犯人は誰かというと地銀である。
地銀が自己勘定で損失が出てきた時にリスクを落とすために、高リスク資産からポジションを落としていく。
今回は米債の金利上昇でそこそこ地銀のポートフォリオは傷ついていることに加えて、来週のFOMCの不確実性が高いと見る人は多い。
それを考えると上層部からFOMC前にポジションを落とせという命令が出て、無理くりJREITを売っていることはここ数年の動きを見れば容易に想像できる。
残り明日金曜日と月曜日をかけて最後のポジション落としが出てくると思う。

そして東証REIT指数の価格も3年移動平均線を割るレベルに動いた。
不動産という業態は過去平均との比較が比較的通用しやすい投資主体であり、昨今住宅価格とかがバキバキに強い中で、ややオフィス賃貸収益に不安感があるとはいえ、過去3年より安いと言われれば比較的手が出しやすい水準ではないかと思う。
そして利回りも4%に近づきつつある(利回り4パー教)
個人的にはようやく再びJREITを買い増してもいい妥当な水準になりつつあると判断している。
相場が下げている時はなぜ下がっているのか・誰がどういう理由で売っているのかがわからない時が一番怖いが、 売っている犯人と、なぜ売っているかまで分かっているのだから特段買い向かうことに恐怖感もない。
特に売っている理由が米債金利の上昇で受けた損失分を補填するためにJREITを売っているだけで、バリュエーションなんか見ずにてきとーに売っているから、買い向かうことの妥当性はそこそこあるのではないかと思う。
それに本来JREITのバリュエーションに関係する日本国債金利・日銀については英語での金融引き締めを匂わせるリークは出ているが、日本勢から見たらないないそんなことと見切られている感も本来のJREITバリュエーションと関係ない下げであるので読みやすい。

直近JREITのETFにも投げ売りの兆候がちらほら出ているので、エントリーして配当収入をエンジョイしたいという人にとってはそろりと動き始めてもいい地合いになりつつあると感じている。

【過去参考記事】
どのようにして株式相場で投げ売りされていると判断すべきか注目すべき3つのポイント

【1343 JREITETFのチャート】
タイトルなし


LINE FX 新規FX口座開設&1取引で現金5000円がプレゼント

LINE証券 新規口座開設で3株分の購入代金がもらえるお得なキャンペーン

日経新聞報道見てからJREITへの投資を行う地銀勢

東証REIT指数、年初来高値 ホテル型上昇目立つ

日経新聞の記事読んでから投資の意思決定するのはやめてくれないかな?

上記の通り、昨日の朝刊でJREITについて年初来高値を更新ということでやや大きめにマーケット欄で記事になっていた。
しかもその日にはさらにJREITの価格が上昇するという動向になった。
実はこの動きはJREITでありがちな特徴的な動きである。
今回はそれについて記事にしようと思う。

JREITに関しては本邦機関投資家の動きをかなり強く反映する傾向にある。
特に地銀のプレーヤーは相場の最後に来る上に影響力がそこそこ大きかったりする。
そして上記日経新聞の記事みたいなのが朝刊に出ると大体こんな内容の議論が地銀の中で行われる。

地銀のお偉いさん「JREITの新高値と最近値動きがいいらしいけど、うちの自己ポジションはどうなっているかね?」
運用部長「コロナ禍初期にオフィスや商業施設の空室率上昇や賃料下落懸念が強いということで、ポジションはない状態です」
お偉いさん「なんでそんなことになっているんだ!!今すぐJREITのポジションを積み増さんか!一体何をやっているんだ!」
運用部長「は、はあ・・・(いやいや、お前が2020年3月にJREITのポジション強制売却させたんだろが) 」
運用部長「というわけなのでJREITのポジションを積み増すように(棒)」
運用若手「なんでこのタイミングなんですかね・・・」

これがJREIT新高値という日経新聞記事が出ると、その後初期は不思議に値動きが上に行く現象の原因になる。

<東証REIT指数のチャート>
タイトルなし


しかし、これによってJREITの買い妙味はほぼゼロになってしまうので、個人的には非常に残念な思いである。
以前にJREITについては8割方おいしいところは終わったと記事にしたが、上記日経新聞記事とその後の上昇値動きによって買い妙味はほぼゼロになり、一切の積み増し行為は当面できないなと思う次第である。

<過去参考記事>

外資ファンドが強引なドリブルでJREIT投資を拡大


まあ投資妙味はゼロになったとはいえ、グローバルに不動産への引き合いが強いことを考えれば大幅下落可能性が今あるかと言われると、それもあんまりないかなあという感想しか出てこない。
ここからのJREITのリターンはほぼ配当利回り分ぐらいしか出ないことを意識した上で、安値で保有したポジションについて保有を継続するのか、それとも売却して違う金融商品に乗り換えるのかは考えてみた方がよいだろう。

LINE FX 新規FX口座開設&1取引で現金5000円がプレゼント

LINE証券 新規口座開設で3株分の購入代金がもらえるお得なキャンペーン

外資ファンドが強引なドリブルでJREIT投資を拡大

海外勢、REITに触手 米ファンド、日本の中堅買収提案 割安銘柄多く投資攻勢

より直接的に金融取引経由で日本の不動産投資を拡充してきたなと。

日経新聞の報道で米投資ファンドがJREITの買収提案を強行して行ってきたというのが報じられている。
この動きは海外REITが米長期金利上昇を背景にスプレッドが取りづらくなっていることが背景にある。
大体米国REITの配当利回りは4%ぐらいで推移するのだが、米債超長期金利が10年1.7%、30年2.4%となってスプレッドが以前に比べ縮小してきている。
一方でJREITでは配当利回り3.6%、日本国債10年金利はゼロで磔状態で、30年も現在の0.6%を大きく超えてくるというのも想像しづらい。
つまりJREITの対リスクフリー金利スプレッドは米国REITの対リスクフリー金利スプレッドと比べて厚い状態となっている。
加えてまだレバレッジが高く構成されていたりコロナウィルスでややダメージが大きい商業モール比率の大きい米国REITと比べると、比較的手堅いレバレッジで運用されているJREITの安心感は高いと言えるだろう。
世界的な運用難の中で、ここを多少無理してでも取りに行ってやろうというのが上記日経新聞の記事から感じるところである。

ただし、JREITをここから積み立て投資でさらに追いたいかというと個人的にはやや否定的だ。
それは既に JREITが3年移動平均線を超えての推移になっており、NAV倍率は2月末が1.08なのでおそらく足下は1.1ぐらいでの推移をしていると思われる。
決してすごく割高というわけではないものの、このブログ記事では既に外資が日本の不動産投資拡充を狙っていることを記事にしていたのは記憶に久しい。
下記記事を書いたのが今年の1月25日なので、ここからさらに強引なドリブルをかましてくるような投資の仕方を外資ファンドがしてきたことになる。

<過去参考記事>

運用難の中、日本不動産への投資を拡大させる外資


そのことを考えるとこうした記事が日経新聞に出ているのは知っている人は既に知っている話で、かつ真っ当な手法ではなく強引な手法でリターンを取りに行くようなプレイヤーがJREIT市場に登場してきたことが意味することはやはり一番おいしいところは既に終わっているように思えるということである。
ただ既にコロナウィルスショックで3年移動平均線を下回り続けた2020年中に安値で拾えた人はこうした外資の日本不動産投資の拡充によって長くJREITを高値維持してくれることが期待でき、たっぷりと配当金を貰い続けることが期待できることに変わりはないので、引き続き以前記事にした通り安値で拾えたJREITはホールド継続して配当金をエンジョイする方向で問題ないと思う。

最大2万円のキャッシュバックキャンペーン中!松井証券のFX

JREITはやはり3年移動平均を割っている間は買い

<東証REIT指数のチャート>
タイトルなし


過去3年移動平均割っている時は基本的に買い。

ここもとJREITが急騰しており、これまでJREIT積み立て投資を行っていた身としてはようやくホッとしたところである。
JREITがなぜ上昇したかというと、やはり以前に書いたブログ記事のこの事情が大きいように思える。
少なくとも金法系マネーで何かしらの事情で資金配分を変えてJREITへの資金投下を増やしたことは間違いないと思う。

<過去参考記事>

LQDが限界を迎えたため上昇するJREIT


また、もっと理論的なことを言うと下記記事がJREIT投資の一番のポイントだと思っている。

<過去参考記事>

JREITの積み立て投資を継続


ここから導き出せる教訓はやはり利回りの底堅さが歴史的に証明されている商品が3年移動平均線を割っている間は買いということである。
これがシクリカル銘柄や中長期的にファンダメンタルズが逆風の高配当銘柄とかだと場合によっては配当原資が足りず減配の憂き目にあったりとか株価の爆下げを食らったりなどしてパフォーマンスがボロボロになったりする(石油株とかJTとか・・・)
しかし歴史的に不動産投資は安値を拾えば家賃収入とその後の不動産価格の回復によって定期収入は安定的に推移することはツイッターにも多くの不動産投資家がいることを考えれば当然の話だろう。
その割安度の一つの目安としてはやはり過去3年平均より安い位置にいるかどうかというところがやはり一番のポイントだと思う。

ただこの急騰によってJREIT投資はおいしいところの半分以上はこれで終わったと個人的には思っている。
個人的にもこの時点で積み立て投資をやめて、後は安値で仕込めたポジションの配当金をエンジョイするに留めようと考えている。
まだJREITの上値余地はあるようには思うものの、株は上値を追ってもいいけど、REITは基本的に丁寧に安値を拾うための商品である。
特に急騰局面の初撃ならともかく、大分急騰が連発した後からの買いは損することの方が感覚的には多い。
JREITについては利益相反の問題とかそういうのもあり、上値を血眼に追ったところでいいことは何一つないという思いでしかない。
また安値で拾えたJREITは慌てて利益確定する必要性もない。
日々貰える配当金がリターンを高めていくのに寄与してくれるので、いわゆる一般的な不動産投資のように安値で拾えたのであればどっしり構えていれば良い。
またそのうち3年移動平均のラインを割ってくる時もあると思う。
その時にありがたく家賃収入を貰う仕込み買いをして、あとは放置をしていればよい。

米国REITがやや出遅れているのでそちらはどうかという意見もあったが、自分は株で外貨リスクを大量に抱えてしまっており、JREIT投資は貴重な円建て資産運用で選んでいるというのが主な理由なので米国REITについてあまり所感がないということがありパスしている。
(まあ米国はやっぱり株の世界だったりしますし)

<300万ユーザー限定の1年間データ通信無料プランキャンペーン中>
 楽天モバイル 

記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

プロフィール

村越誠

投資に関して気づいたことのメモをしていく。 ご連絡の取りたい方は、makoto.muragoe★gmail.comまで(★を@に変換してください)
ツイッターで更新情報配信