村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

セクター投資アイデア

半導体株高値警戒で証券会社各社がレバレッジ取引コストを引き上げ

世界の大手行、ヘッジファンド資金コスト引き上げ-半導体株急騰警戒

やっぱり信用ポジションが大きいんだろうねえ。

金曜日の相場は不安定ながらも、スペースXの上場セレモニーも終わったということで資金が一定程度株式市場に回帰したということで、全般的に米国株式は上昇で終わった。

一応SOX指数も上昇している一方で、一番注目度の高いマイクロン株は株価はむしろ若干の下落となっており、伸び切らない展開となっている。

【マイクロンの株価チャート】
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これは何が起きているかというと、上記BBGニュースにある通りだが、やはり半導体株についてレバレッジかけられるプレーヤーのレバレッジポジションが大きすぎるのか、ここにきてブローカーが注目度の高い半導体株のレバレッジ取引コストをヘッジファンド向け中心に引き上げているということが報道されている。

なぜこのようなことが行われているかと言うと、基本的にヘッジファンドはレバレッジを使ってなんぼの世界であるわけだが、ヘッジファンドがレバレッジを掛け過ぎてぶっ飛んでしまい、それによって差し入れている証拠金は自分の体力以上の損失を被ると、その損は信用供与していたブローカー側が丸損することになるので、さすがにこれ以上信用供与するとリスクが高すぎるとして抑制する、あるいは取引したかったらもっとコストを寄越せという風になっているということである。

実際に2021年に中国株にレバレッジを掛けて投資していたアルケゴスというヘッジファンドがぶっとんだせいで巨額の損失を被ったクレディスイスは、これがきっかけに徐々に信用不安が生じ、最終的には預金引き上げをくらってUBSに救済合併されることになった。

【過去参考記事】

中国テック売りの主犯が追証を食らったと報道される


これまで激しく上昇してきた半導体株の中でも、特に注目されていた銘柄は下記過去記事のような構図でガンマスクイーズが発生して超お祭り騒ぎとなっていた。

【過去参考記事】
ガンマスクイーズの発生はどのように確認し、どうなればガンマスクイーズは落ち着いたと判定できるのかを考える

その過程でヘッジファンドが信用取引+コースオプション買いというのでレバレッジを拡大して一攫千金を狙っていたということは想像に難くなく、そのレベルがもはや大手金融機関の信用リスク管理に影響するレベルに達しているということがこのBBG記事から明らかになっており、そう考えるといくらファンダメンタルズが良いといっても、買い手側がポジションパンパンで、かつそれを良しとしない相手先の問題もいることから、積極的に上値を追えるようになるには休憩が必要な局面になっているように思われる。
     
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メガテックの増資観測に未だ穿った見方がある模様



逆にそういう考え方する人ってまだいるんだなあ。

最近の相場最新情報は、もはや主要メディアを見ているのでは遅く、アドホックにXを見ながら随時思考をアップデートしていかなければいけない状態にあるが、その中でメガテック各社の増資観測について、状況のように設備投資ではなく、回収見込みが薄いために補填しているのではないかという話題がちらっと出ていた。

個人的には、下記過去記事のように既に回収見込み立たないという予想は捨てるべきと前提を置いているが、まだ上記のような懸念を持つ人がいるんだなあと逆に目から鱗的な感想を持った。

【過去参考記事】

AIが本当に収益を生むのかという懸念に反証できる状況証拠は揃った

しかし、それだけだとなぜメガテック各社がさらなる負債による資金調達ではなく、増資に走ろうとしているのかといった説明になっていないので、今回はこれについてまとめていきたい。

既にご存じの通り、メガテック各社は猛烈な勢いで借り入れを拡大して設備投資を行っているわけだが、そもそもS&P500で時価総額がトップ10のやつらがバカスカ社債を出して資金調達しているので、そのロット感がメガテック各社のレバレッジ倍率でいうと大したことはなくても、そのサイズ感はかつて見たことのないようなレベルの社債規模になっているわけである。

さらに実は下記過去記事のように、実はひっそりとメガテックに紐づいた融資というのが既に爆増している。

【過去参考記事】
金融商品化するAI市場とそれが意味することを考える

融資している側は馬鹿ではないので、融資についてきちんとどこに最終リスクがあるのかというのを判断してリスク管理をしているわけであるが、そういった中であまりのサイズ感のでかさに既に融資枠みたいなものがひっ迫し始めている可能性が見えてきている。
そうなると、融資側はまだ今後まだ融資はするが、ちょっとペースを考えてくれとメガテック側に要請するしかない。

しかし、今AI設備投資はよーいドンで誰が一番早くでかくできるか勝負になっているわけなので、ここで資金調達できないと負けるという脅迫観念がメガテック側には非常に強い。
劣後債だとマーケットがあまり大きくないマイナー資金調達手法のため、焼石に水のような資金調達しかできない。
そうなると、今でかいロットでフリーハンドで資金調達できそうなのは株式増資なわけなので、株式増資に走ったという考え方が妥当だろうと思う。

実際に週末の相場の動きを見ると、これから増資をするメタの株価は下がっている一方で、既に増資済みのアルファベットの株価は下がっていないわけで、もし単なる資金回収補完みたいな話であったらこのような株価動向にはならないだろう。

【メタの株価チャート】
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【アルファベット】
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そもそも資金回収補填とか目的だったら設備投資を止めてフリーキャッシュフローを全部株主還元すればいいだけなので、上記指摘は色々辻褄が合わない論点であり、物事を斜めに見過ぎではないかと思う。
     
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エヌビディアが増配した理由は成長鈍化のサインではない

Why Did Nvidia Raise Its Dividend by 2,400%?

認識ギャップある間はまだまだ投資妙味がありそう。

エヌビディアの株価については、ここもと引き続き高値圏にはいるものの、決算発表後はやや動きが悪い状態が続いている。

【エヌビディアの株価チャート】
タイトルなし

これについて、理由として直近決算で増配しており、一般的に増配は成長鈍化サインだから、成長鈍化が懸念されるとネット上では解説している人がちらほらいた。
ただ、個人的にこの解説は表面上の現象をなぞっているだけで、考え方としては間違っているのではないかと思う。

もし本当に成長鈍化サインだとすればこの程度の増配幅だと配当利回りはこれでもたったの0.25%にならないわけで、増配の仕方としては中途半端である。
今のエヌビディアのキャッシュフローとか考えれば、もっと増配が可能であり、成長鈍化サインと考えるには配当の出し方が極めて中途半端である。

そうなると、この増配には別の理由があると思っており、今回の増配は実は機関投資家の米国大型株式に投資ルールに関係していると思っている。
機関投資家で大型株を触っているプレーヤーはファンドは、組み入れルールにおいて配当利回りがゼロではないことをルールとして設定しているところが多い。
そして、エヌビディアの増配前の配当利回りはたったの0.02%となっており、S&P500の中で配当利回りはダントツで低い上に、これは場合によってはほぼゼロですねということで保有ルールに抵触する可能性が高まっていた可能性がある。

さすがにエヌビディアほどでかい企業かつAIブームド真ん中で、この会社の株に投資できないなんてことは機関投資家は避けたいし、エヌビディアとしても資本市場との関係性は良い状態を保ちたいという意向は強いだろう。

こういったことを考慮された結果、保有ルールに抵触しないように配当利回り引き上げのための増配が行われたと考えるのが自然だろうと思われる。
なので、この増配というのを後から短期的な株価動向にこじつける形で成長鈍化の証であるという解説は全くの見当違いであり、逆にそういう認識をしている投資家がいる間は安心してエヌビディア株の保有は継続できるのではないかと思う。

まあもちろん今のステージはAI銘柄でも周辺銘柄の方が会社図体に対して利益成長幅が大きくなっているがために、エヌビディアでさえAI関連銘柄の中でアンダーパフォームしがちという状況ではあるので、テンバガーみたいな大幅上昇を狙いたいのか、確実性高く安定的なパフォーマンスを狙いたいのかといったところで考えていけばよいと思う。
     
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宇宙関連株はどの時点で再エントリーすべきであったのか

Amazon to acquire Globalstar and expand Amazon Leo satellite network

今から振り返ると、ここでエントリーしなかった時点で負け確定でした。

個人的なポートフォリオはここまで上げ相場はきちんととれていて、ぼちぼちといったパフォーマンスであるが、その中でもなぜこのポジション取れなかったかなあと後悔しているものが一つある。
それはやはり宇宙関連株である。

【UFO(宇宙関連株ETF)のチャート】
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2020~2021年頃に個人的にも何回か宇宙関連株投資信託などでエントリーチャレンジしたが、あまり上手くいかず撤退した苦い記憶があり、結局この分野は中々まともなフリーキャッシュフローがでなくて厳しい業界なんだろうなと思って、その後は手控えていたし、そもそも目の前にはAIブームというもっとキャッシュフローの確実性が見えるテーマがあったのでそちらに集中していた。
しかし、その後宇宙関連株は2025年に再点火し、半導体に並ぶ株価高騰テーマの一つとなったわけであるが、自分はこれを全部取り逃してしまった。

今でもバリュエーションおかしいやろと思っているが、どこで判断を間違えたかと振り返ると一つ大きなものがある。
それは足下の相場というのは金融業界が動かしているのではなく、実業界が動かしていることにある。
つまり見た目の株価だけでなく、実際に実業界がこれだけ金を出してこの会社を買いたいという意向による市場の動きの方が性格的に強いというこである。

そして宇宙関連株でいうと、上記報道のようにアマゾンが衛星通信企業Globalstarを買収した時点で、確かにバリュエーションは無茶苦茶かもしれないが実業界はそのバリュエーションでも実際に買収したいという意向があるということに気づく必要性があった。
企業が買収したいという値段がわかれば、そこが一つのバリュエーションアンカーになるのが足下の相場動向であり、4/14にこの買収が発表された時点で後から振り返ればという話ではあるがエントリーすべきだったと思う。

ちなみにアンカリングされているバリュエーションは下記の通りのイメージである。

【宇宙関連株のバリュエーション比較】
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売上高対比42倍でもアマゾンが買収しているわけであるので、これぐらいのバリュエーションであれば買いたいと手を挙げる企業は存在するということを念頭に置く必要性があった。
ただ、こういう市場は買収されることを前提とした割高バリュエーションがついていたりするので、景況感や金融市場が混乱して買収どころじゃないよねとなると自然なバリュエーション判断がされていない分落ち方が大きくなるので、そのことを認識しながらどこかでエントリーすべきかどうかはちょっと考えておきたいと思う。
(とはいっても足下の相場主軸はAIだと思っているが)
  
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半導体株の上昇の主犯は本当にガンマスクイーズなのか?



異常な上昇あるとすぐにみんな理屈こじつけが始まる。

相場は引き続き半導体株が時価総額の大きな押し上げとなり、指数ベースでも相場を押し上げる原動力になっているが、この上昇についてコールオプションの買いが主導するガンマスクイーズだと説明するトレンドが続いており、ここ数週間「ガンマスクイーズ」という単語をよく目にするようになったように思われ、上記のようにマイクロンの株価上昇についてはガンマスクイーズだと言い切るXのつぶやきもちらほら見かける。

実際自分も下記過去記事のようにオプション市場が相場を行き過ぎさせるという記事も書いており、相場の急騰をコールオプションの買いが引き起こしているという話は深く考えないとそうかもと思ったりする。

【過去参考記事】
株価が上にも下にも行き過ぎる現象をオプション市場から考察する

しかし、ここはきちんとデータを見ておこうということで、実際にコールオプションの買いが激しいのかどうかを確認していきたい。

例えば最近人気の宇宙株でいうと、米国で代表的なETFであるUFOというETFがあるが、これは足下でオプション出来高が増加するとともに、そのほとんどがコールオプションの出来高で構成されている。
この場合、コールオプションの取引がプットオプションを圧倒的に上回っているので、ガンマスクイーズが発生しているという表現はかなり正しい様に思う。

【UFOのオプション動向】
タイトルなし

https://www.barchart.com/etfs-funds/quotes/UFO/put-call-ratios

また、現在一番人気のマイクロンだとコール:プットが6:4ぐらいの出来高になっているので、コールオプション出来高が多く、マイクロンでガンマスクイーズが発生しているというのも説明としては合理性があるように見える。

一方で、SOX指数方面の取引は実はプットオプション取引の方が断然に多い。
米国半導体ETFで代表的なETFであるSMHで確かにオプション取引量が増えているが、この取引の8割が実はプットオプションであり、コールオプションはたったの2割しか出来高枚数がない。

【SMHのオプション動向】
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タイトルなし

https://www.barchart.com/etfs-funds/quotes/SMH/put-call-ratios

さらにSOX指数3倍レバであるSOXLについても、イメージとしてはコールオプションがもりもりかと思いきや、プットオプションの出来高が6割で、コールオプションの出来高は4割しかない。

これが意味することは、個別半導体株では確かにコールオプションでの追いかけによるガンマスクイーズが発生していると言えるかもしれない。
しかし、実は半導体セクター全体でいうとコールオプションで追いかけているわけではなく、個別株でコールオプションを買っている分、セクター全体はプットオプションでヘッジしているような雰囲気が強いように見える。
コールオプションが買われれば先物が買われて相場が上がると言うのであれば、プットオプションが買われれば先物がその分売られるので相場が下がるという説明は理に適っているはずである。

なので、相場が上がってきてオプション出来高が出来ていると「これはガンマスクイーズだ!」とすぐ解釈するのは拙速な判断ではないかと思うし、半導体株についてはガンマスクイーズで相場が説明できるほどテクニカルに依存しているようには見えないように思う。。
もちろんインプライドボラティリティが上昇しているからオプションに強い需要があり、それはガンマスクイーズを誘発する要因だというのは一利あるので、ガンマスクイーズを全否定するわけではないが、半導体株全体の上昇をガンマスクイーズによる異常性であると言い切るには随分プット多くないですか?と思うわけである。
    
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