村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

雑感

ショート・ベアETFでの勝負は異常なポジション維持コストがかかる

主要株価指数以外のショート・ベア型ETFはほぼコスト負けする。

足元の株価のぐだぐだ具合を背景に、ツイッターでもかなりショートで勝負しようというプレイヤーが増えたように思える。
その中でさらにレバレッジインバース型ETFなどで勝負しようという人もおり、例えばSOXS触ったりする人がいる。
その際に注意しなければいけないのはこうしたショート・ベアETFのポジション維持コストである。

ショートで勝負する時というのはどうしても時間軸とコストをどうコントロールしなければいけないのかを考える必要性が生じる。
そう考えた時にS&P500やナスダック100といったドメジャー指数のショートならETFでもギリギリコスト的には許容できるが、それ以下の流動性のものでショートETFを買うというのは本当に破滅的な暴落が来ない限りかなり分の悪い勝負になりがちである。

例えば直近でやや大きめな下落率として注目されている半導体のメジャー指数であるSOX指数の3倍ショートETFであるSOXSを見るとあれだけのリスクを取ったのにこれだけしかリターン得られないのというレベルしかない。

【SOXSのチャート】
タイトルなし


また中国株3倍ベアのYANGもかなり中国の株価指数は下落したはずなのにこれっぽっちもリターンが出ていないことがチャートを見ればわかる。

【YANGのチャート】
タイトルなし


これらの主要株価指数でないベア・ショートETFというのはメジャー先物を活用したショートを内部ではできなく、カスタマイズのスワップを使ったりETFのスワップ使ってショートを実現しているために異様なレベルでショートを維持するのにコストがかかる。
これは単なる買いの場合ならレバレッジかけている分の金利負担で済むのだが、ショートは個別株でもあるように逆日歩支払いが生じることも関係している。
これを3倍分ショートしたりするわけなので、ぼったくりじゃないのかと思うレベルのショート維持コストがかかる。
その上足下の米国の金融引き締めで証拠金に対するレバレッジについても多大なコストがかかっており、おそらく年率換算すると年利5%どころじゃないレベルでのコストがかかっているはずである。
(下手すると10%以上とかかかってるかも)

そう考えると個人投資家がベアETFで参戦できるものって繰り返しになるがせいぜいS&P500・ナスダック・日経平均ぐらいで、その他はほとんど多少の下落を捉えられてもほとんどコスト負けするというのが実態だろう。

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ゆっくり茶番劇商標登録騒動から見る「スジ」を重視する日本人

「ゆっくり茶番劇」第三者が商標登録、批判噴出 爆破予告騒ぎも

スジが通っていない場合の日本人の行動はまさに武士。

ちょっと今回は投資とは少し離れる話だが、上記ニュースであるようなよくニコ動やYoutubeの動画で使われているゆっくり茶番劇が商標登録がなされて大騒動が起きている件についてふと思うことがあった。
今回の騒動は音声合成ソフトやそもそも元キャラの二次創作として生まれたキャラに対して生みの親でもなんでもない人間が商標登録をしたために方々から批判を受けて、かつ当の本人や所属事務所などへ逮捕も辞さないような行為が次々と行われ、耐えきれなくなってきた当事者が一旦ライセンス使用料金不要と発表したが、さらに火に油を注ぐ展開となった。


この騒動を見た時、真っ先に下記書籍で書いてあることを思い出した。

【参考書籍】

スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

この書籍では中国では量が大事で、日本ではスジが大事という話が事細かに書かれており、まさにこれに合致した話だなと思った。

日本人というのは他国と比べて、物事に対して「スジ」が通っているかどうかを非常に重視する国民性がある。
例えば中国では年収が高い人物が友人に1000円を貸したのに返してもらえなかった場合、ほとんどの人は何も気にしない。
それは自分の年収は資産に対して1000円というのが非常に少ないからという話である。
(逆に言うと年収や資産が低ければ1000円で大騒動を巻き起こす)
一方で日本人の場合は1000円を友人に貸して返ってこなかった場合に、年収や資産の多寡にかかわらず失った理由に正当性があるかどうかで物事を判断する。
もし友人が1000円を返してこなかった理由がギャンブルであれば大いに怒り狂うだろうが、貧困に窮してて明日のご飯代も払えないという理由であればしょうがないよねと許してくれる。

このように日本人は「スジ」が通っていれば許容幅が大きいのだが、逆に言えば「スジ」が通っていないことに対してはどんな手段を使ってでも相手が屈服するまでぶちのめすという激高的な性格も内包している。
このどんな手段でもというのは信じられないことに自分が訴訟を受ける可能性のあるリスクでさえ取ることを厭わないケースも多々あるため、ここで舐めた態度を取ると現実世界で何かしらの被害を受ける可能性さえある。
インターネットおじさん界隈で思い出されるのはのまねこ騒動で、avexが当時の2chのマスコットキャラクターであるぎこねこに酷似したキャラクターの商標登録をしたところ大炎上して、avexはひたすら攻撃を受けたことにある。
この時は結局商標登録を削除するまで攻撃は続いた。
法的にはのまねこはぎこねことは違うキャラクターであるものの、そもそものまねこ自体がぎこねこがお酒を飲んでいるキャラクターの派生として自然発生的に生まれたものであり、これを生みの親でもなんでもないavexが権利を主張したがために全く持って「スジ」が通っていないということで猛反発を受けたケースである。
しかも、ぎこねこの知名度が高かっただけに数の暴力という形で攻撃が波状的に受けたために、当事者から見れば法的に大丈夫なのになんでこれだけ攻撃を受けるのかと思うような攻撃を受けた。

今回のゆっくり茶番劇の商標登録も生みの親でもなんでもない人間がいきなり商標登録をかますという一ミリも「スジ」が通っていない行為をした上に、その影響範囲がYoutubeでソフトークの合成音声を利用している人やこれまで二次創作してきた多数の人間の権利にまで及ぼすことから巻き込んでいる人数も多い。
しかものまねこの時代はツイッターがなかったにもかかわらずあれだけの騒動が起きたので、今回の商標登録事件はあの時より商標登録周りの人間に対する攻撃は過激化するだろう。
合法かどうかという確認は最重要だが、加えて日本では「スジ」が通っているかどうかの確認ができなければこうした大騒動で実務的な被害を受けることは避けられない。

これは日本企業も同様で、これが日本企業の強みでも弱みでもある。
スジを求めるために素材系や工作機械などスジを通した部分の追及が強いのだが、一方でスジを求めすぎているために中国・米国のように足りない部分はどこかから買って来ればいいという割り切りができていないという考え方ができる。

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エルサルバドルのビットコインの法定通貨化は歴史から逆行する行為

ビットコイン急落-エルサルバドル法定通貨化が多難なスタート

ビットコインの価格動向とは一ミリも関係ないけど。

ここもと仮想通貨ではエルサルバドルがビットコインを法定通貨にしようとし、何やらスタート時点でトラブった話などもあり、直近ビットコイン価格が大きめに上下している。
価格動向とは全く別の話だが。ビットコインを法定通貨に使うという試みというのは完全に歴史に逆行する流れであることを今回はメモしたいと思う。

ビットコインを法定通貨にするという話で、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、昔にゴールドを通貨の裏付けとしていた金本位制だと思う。
しかし金本位制については大きな弱点があった。
それは経済活動の拡大に合わせて柔軟にゴールドの供給を拡大できないことにある。
中世ヨーロッパ時代みたいな経済成長が一ミリもなかった時代であればそれでも許されたという背景があるが、近代になって産業革命以降経済活動が歴史上かつてみないほど速くなっている中で、ゴールドの供給は各国経済成長に対して全く追いつけなくなった。
そうなると市場に適切な資金を供給できなくなるということから、実質的には金融引き締め・デフレ効果を発現させることになってしまった。
また、モノの供給が滞った時にゴールドの供給が増加すると予期せぬインフレを招いたりもする。
また金本位制だと、他国のゴールド保有状況など余計な変数が増えて、これも経済の拡大に合わせて資金を適切に供給することの阻害要因になっている。
この矛盾した話の限界点が1973年のブレトンウッズ体制の崩壊であり、これ以降金本位制および通貨自体に何か裏付け資産を持たせるという話自体が市場から消えた。

いやいや、何も裏付けがない資産だとハイパーインフレ招きかねないじゃないですかという話では、そうならないように中央銀行というのが存在していることを忘れてはいけない。
デフレであるならば資金供給を拡大し、インフレであるならば資金吸収してこれを調節することによって通貨とモノの供給を合致させて経済を安定させており、これが金本位制の崩壊と中央銀行が密接に関わっているという話である。
(中央銀行はその他最終的に民間金融機関が死にかけた時の最後の銀行としての役割というのもあるが)

以上を考慮するとビットコインは自由に供給量を調節できないということで法定通貨としては不適切であることは、まあちょっとでも歴史を勉強した人であればすぐ思いつく話である。
(一決済手段とか価格動向という話とは全く別)
そこらへんの歴史はここもと読んだ書籍では下記が一番わかりやすかったので掲載しておく。

<参考書籍>

マネーの魔術史―支配者はなぜ「金融緩和」に魅せられるのか―(新潮選書)

エルサルバドル自体が万年デフォルトしているいわゆる最底辺国であり、2000年以降自国通貨を放棄してドル化をしている。
自国通貨建て国債を発行できないので、米ドルで国債発行をして資金調達をしているが、昨今のコロナ禍などもありツアーリズムによる外貨収入減が絶たれ、全く首が回らなくなっている。
しかし、ワンチャンビットコインを法定通貨にすれば、上手く値上がりしてくれればドル負債を返済できるのではないかという考えが根底にはあるのだと思う。
そういった意味ではエルサルバドルは正当な経済成長という手段ではなく、ギャンブルによって資金を返済しようとしているのだと思う。

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【閑話休題】なぜ芸能人が政治的発言をして炎上するのか

日本人というのは非常にスジを通した行動・思考様式を取る。

相場が動くまで大きなネタがないということもあり、下記炎上案件について少し文化的側面から論じたいと思う。

きゃりーぱみゅぱみゅ ツイート削除の理由は「ファン同士の激論が悲しくなった」

個人的にはこの話について日本人の「スジを通す」という文化が色濃く出た炎上案件だったなと感じた。
なぜそう思ったのか論じたい。
まず自分は日本人がスジを通す文化が根強いという話は下記書籍を読んでそのことを学んだ。


スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

まず芸能人が政治的発言をするということについて考えてみよう。
芸能人というのは何かしらの突出したパフォーマンス能力によって人気を得て、一般大衆から人気を獲得するという職業である。
例えばその芸能人自体が政治パフォーマンスによって人気を得てきた人ならば政治的主張をいくら叫んだとしても、それは政治的発言自体がその人の人気の根幹にあるので、スジが通っていると皆が認識し、反発を招かない。
しかし例えば今回の例で大炎上したきゃりーぱみゅぱみゅで考えてみよう。
彼女は政治的パフォーマンスで人気を得てきたわけではなく、あくまで歌手・モデルとして人気を獲得してきた。
つまり、なにか彼女が自分の人気を行使しようと思ったときは歌手・モデル案件以外ではスジが通っていないのである。
だから政治的発言をすることは、彼女が持つパワーを不当に行使していると認識される。
しかもその発言内容自体が間違っていたらどうなるだろうか?
人気パワーを不当に行使した挙句、しかも良く調べもせずに間違った内容を拡散するという二重の不正を働いていると認識される。
このような「スジを通さない」行動は日本人にとっては非常に耐えがたいことであり、炎上するのは明らかであったと思う。
これが今回の炎上事件の根幹にある話だ。
だから今回こういうつぶやきを認めた事務所は全くこうした文化要素を把握せず芸能文化業務をやっているわけで、当の本人にとっては非常に不幸な話だなあと感じる。

これは米国や中国では文化が違う。
中国の場合はパワーを持っている人は政治的な阻害にならなければ何を発言しても良い、それがその人の天命だと認識される。
逆に力を持たない人間が発言する内容なんていうのはいくら正しくても無視される傾向にある。
中国は力こそ全てというまさに修羅なのである。

米国ではまた別の文化が存在する。
米国は歴史的に反知性主義的側面が強い。
反知性主義とは、いわゆるエスタブリッシュはエリートに楯突くことが是とされる文化である。
これは元々欧州の貴族文化や腐敗した宗教に嫌気がさした移民がフロンティアを求めて移民したことから反知性主義が根付いているのである。
だから芸能人が政治的発言をすることはいけすかないエスタブリッシュ・エリートに楯突くことであり、むしろ好ましいとさえ思われているのだ。
そう、まるでその芸能人を宣教師のように扱うのだ。
そのことについては森本あんり氏の書籍を参考にしてほしい。 


反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書)

こういう地域ごとや人種ごとの文化を知ることは投資をする上でも、良き人生を送る上でも重要な生きる知恵だと個人的には思う。

LINE証券のサービス内容の貧弱さに腹が立った

LINE証券、きょうサービス開始ースマホ投資、初心者に照準

ライン証券がどうやらようやく証券業務スタートということでプレスリリースが出ていたので、中身を見ていたら、こんなんでほんとに客集めて黒字化する気あるのかと腹が立ったので記事にしようと思う。

以下の内容はプレスリリースとヘルプセンターを見ながら見てほしい。

当社子会社における新たな事業の開始

ヘルプセンター | LINE証券



まずライン証券への入金についてだ。
ライン証券への入金はLINE PAYからの入金は無料だが、銀行口座からだと手数料を216円取る。
この時点で舐めてんのかといいたくなる。
普通のネット証券はリアルタイムで銀行口座から無料で振り込みができる。
なのにLINE  PAYを挟まないと手数料かかるって顧客の利便性を完全に無視していて、自社サービスの囲い込みしか考えてないというのが丸出しだ。
しかも出金もLINE PAYへの出金は無料だが、銀行口座への出金は216円かかる。
そしてLINE PAYからの銀行口座への出金も216円かかる。
いや、LINE PAY使わせたいのはわかるよ、だけど顧客の利便性無視してまでそれをやる意味あるのかと。自分のことをアリペイと勘違いしているなにかとしか思えない。

そして肝心のサービスだ。
手数料無料は確かに嬉しい。
しかしよくよく見ると取引に際してラインが定めるコスト(スプレッド)を上乗せすると記載がある。このコストが0.1%に収まる可能性はあるのだろうか?
SBI証券や楽天証券の取引コストは取引の仕方によるが、概ね0.1%以下である。
なのでもしラインが定めるスプレッドが0.1%を上回るなら逆に無駄なコストを払っていることになる。
というよりこういう取引ですぐに取引コストを具体的にイメージできないことがそもそもまずい。

また、取引できる会社が100社しかない。
日経平均でさえ225銘柄あるのに、日経平均の数さえカバーできないのか。
これワンタップバイでも同じようなミスをしてて、運営コストを節約したいがためにこういうことをやるのだろうけど、単に顧客の利便性を奪っているだけなので、あまり良い印象がないし、だからワンタップバイは爆死して星になりかけているのをラインは理解していないのだろうか。

そして一回あたりの発注量は500株までと、証券会社のビジネスモデルわかってるのかと言いたくなる構造になっている。
通常ネット証券会社の手数料の大半はこのような小口客ではなく、信用取引で巨大な金額をぶん回してくれているデイトレーダー取引である。
これが提供できないネット証券などというのはそもそもビジネスのスタート時点でビジネスモデルが間違っていると言わざるを得ない。
しかし一回当たりの発注量を制限するということは、そもそも最初からこの重要顧客を切り捨てていることを意味している。
このビジネスモデルが存続可能などと思う人がどこにいるのだろうか。

そして、もうかなり前からSBI証券がこういう雑魚ネット証券を蹴散らすためにネオモバイル証券という現在のライン証券とほぼ同様なサービスを展開している。

(詳細は下記リンク)


しかもSBIの場合はそもそもネット証券大手ということで、いわゆる本口座への導線という活用の仕方もあるので、活用の仕方はいくらでもあるが、ライン証券についてはそれがない。

また海外に駐在する可能性のある人は要注意だ。
ラインはSIMを切り替えて電話番号を切り替えると、国外で提供していないサービスについては閲覧することができなくなる。
つまりラインの登録番号を国外電話番号に変えた瞬間にライン証券へのアクセスが不可能になる可能性がある。
その時点で大事な虎の子がどうなるかわからなくなるというのは恐ろしくて個人的にはできない。
総合的にみると、利便性・ビジネスモデル・競合他社状況という点で既に詰んでいるサービスとしか思えず、LINEはまた無駄な赤字を垂れ流すのではないかと危惧している。
資産金額に応じて0.5%ぐらいラインポイントつけてくれるとかだったらまあ話は別かもしれないけどね
(そんなことしたらLINE潰れるけど) 
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プロフィール

村越誠

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