村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資全体観

いくらなんでも相場下落恒例のポエム投稿が早くないか?

ネット恒例の行事だが、今回は異様に早い。

トランプがぶちぎれてイランとの協議が難航してしまっているということで、相場のネガティブ材料から消えていた中東情勢問題が再燃して相場が調整しているわけであるが、Youtube・X上では既に相場が相当下落しているかのようなポエムが目に付くようになってきている。

大体のポエムは「半導体セクターはファンダメンタルズは強固だから持ち続けられる」といった内容であるわけであるが、そういった投稿している人ほどほぼド高値で大きなポジションをあまり分散せずにポジション構築してしまったような状態にあり、どちらかというと自分の含み損を必死に正当化しているような状態にあり、ネット恒例の相場下落時のポエム投稿となっている。

しかし、今回はポエムが投下されるのがあまりにも早い。
確かにSOX指数とかそこそこ下落しているが、それはピークから見れば調整していることは確かであるが、安値から見れば非常に高い位置にある。

【SOX指数のチャート】
タイトルなし


逆にずっと安値で仕込んでいて、20~30%下落しても全然含み益が残るような人達はこれぐらいの調整当然あるだろみたいな状態であり、さらにS&P500でいうと現地通貨ベースで最高値から2%ぐらいしか下落していないし、円建てだとほぼ最高値付近ということで、半導体関連株に高値で深入りしていない限りさほどダメージはない。

【S&P500のチャート】
タイトルなし

また独自集計しているブルベア指数もCNNのFear & Greed指数と異なり、60前後とどちらかいうとリスクセンチメントは良好な状態が継続している。

【独自ブルベア指数】
https://muragoeinvest.com/bullbearindex

それでも続々とポエムが投稿されるのはそれなりに皆半導体株に深入りしてしまったという証拠であると同時に、資金需給の歪みもそれなりに大きいだろうと思われる。
この資金需給の歪みはガンマスクイーズで発生しているものであり、下記過去記事の見方をしていって歪みが解消されたことを確認できなければ再度株価が高値更新していくのは難しく、そういった意味でやはり9月頃ぐらいまでは最低でも追加投資を待ちたいという考えは正しいのではないかと思っている。

【過去参考記事】
ガンマスクイーズの発生はどのように確認し、どうなればガンマスクイーズは落ち着いたと判定できるのかを考える

本当に相場が底打ちするにはこういったポエムだけでは足りず、高値でイケイケで情報発信していた人がいつの間にか超警戒モードになっていて、「まず生き残れ」といういつものジョージソロスの言葉を借りて説教し、最終的にネット上で買い意欲の強い人と警戒の強い人の間で喧嘩が勃発する。
今回はまだ半導体株を高値で掴んでしまった人がポエムを投下しているに過ぎず、ネットの華である喧嘩までには発展していないので、相場調整は2~3合目と浅い状態にいるだろうと思う。
     
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相場に良くないシグナルを出してしまったAmazonの大量社債発行

アマゾン、AI投資が年間2000億ドル規模に迫る中、250億ドルの社債発行で資金調達

短期的に相場に良くないシグナルの一つ。

AIブームに伴う設備投資資金需要でメガテックが引き続き大量資金調達をしているわけであるが、上記のように直近になってAmazonが約4兆円の新たな大型資金調達のための社債発行を実施した。
しかし、その内容がちょっと相場にとってよろしくないなという感じだったので、まとめていきたい。

このAmazonの社債発行について何が問題であったかというと、応札倍率である。
応札倍率とは発行予定金額に対して何倍の応募があったかということで、国債入札ではこの倍率を見て投資家の投資意欲を測るバロメーター的なものとして見られており、社債でも同様に見られる指標的なものである。
これがたったの1.6倍しかなかったのである。
しかもAmazonはスプレッド(国債に対する上乗せ利回り)をかつかつで出したわけではなく、セカンダリーで流れているAmazonの社債で同じ年限付近の銘柄に対して+10bps超のプレミアムをつけたにもかかわらずこの倍率である。
2025年11月の時に同じようにメタが4兆円の大量社債発行をぶつけた時は同じようにプレミアムを+10bps超つけていたが、これに対する応札倍率は4倍ぐらいあったわけで、あの時も相場が大分揺れたがその時より応札倍率が明らかに低いのである。
これが意味することは投資家の投資余力が大分低下してきている可能性を示唆している。

思えば、今年5月以降は市場から資金を引っこ抜くイベントがあまりにも多かった。
アルファベット・メタが大型起債した上に、アルファベットは増資をかましてきて、そこからエヌビディアも大量社債起債をした挙句、スペースXのIPOがあり、そしてSKハイニックスの上場と来ている。
さらにこれからまだアンソロピック・OpenAIの大型上場も控えているわけであり、とにかく市場から資金が引き抜かれるイベントばかりである。
AIへの投資という観点でしょうがない側面はあるが、ペースが問題であり、兆円単位であまりにも短期間にバカスカ市場から資金を引っこ抜けば、投資家の投資余力が下がるのはもうしょうがない話である。
スペースXの上場まではなんとか引っ張ってこれたが、結局Amazonの社債発行の応札倍率の低さから市場の投資余力が大分低くなっていることが示されて、一回資金調達イベントを減らして休憩し、市場に待機資金が貯まるのをまたないとさすがにまずいということを示しているように思う。

この影響はすぐに株価が下落に走る要因というよりは、新規マネーが市場に不足しているということで株価が上がらなくなるという方向に強く作用すると思われる。
実際に米国株を見れば上値を追えなくてぐずついているのが見えているわけで、この推察は概ね妥当だろうと思っている。
 
【S&P500のチャート】
タイトルなし

もう夏休みシーズン間近でまともに大ロット張ろうと思う投資家もいないし、下記過去記事の通り魔の9月も控えている。

【過去参考記事】
なぜ9月は株式市場が荒れやすいのかを理論的に解説

こうしたことを踏まえると、安値で仕込めていて一定程度調整しても余裕で持ち続けられるようなポジションは保有継続で問題ないだろうが、ド高値でレバレッジ掛けて投資してしまったみたいなここからもうワンプッシュ下落しただけで顔面蒼白するようなポジションはすぐ切っておいたほうが良いだろうと思う。
     
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中途半端にローテする株式市場から考えるリスクセンチメント

NYダウ反発594ドル高、最高値更新 半導体安でナスダック総合は続落

Fear&Greed Indexほど相場は弱くない。

今週の相場は全体としてAIブーム銘柄の高めなボラティリティというのが目立ち、特に大人気メモリ株の調整はそこそこ大きいものとなった。

【DRAM ETFのチャート】
タイトルなし

こうしたAIブームド真ん中銘柄がやや退潮し、Fear&Greed Indexについても30台前半とこういったところだけ見るとそこそこ相場は既に弱くなっていうのではないかと思うかもしれない。
しかし、そういった中で大分バリュエーションが上がっちゃってるよねということで、これまで放置されてきたバリュー銘柄へのシフトというのが鮮明になってきている。

米国株ではナスダックが下落する代わりに、NYダウは最高値を更新しており、バリュー鮮明である。

【NYダウのチャート】
タイトルなし

日本でも半導体+ソフトバンクGウェイトが高い日経平均が下落する一方でTOPIXはほぼ最高値付近とこちらもバリューシフトっぽい動きとなっている。

そういった意味で、CNNのFear&Greed Indexの数値が30台とかだったりして、相場は大分弱く見えるという人もいるかもしれないが、全体としては相場は大して弱くない。
これまでバリュー株保有でAI関連銘柄の上昇に対して劣後してきた人でもよくよくパフォーマンス見ると例年ぐらいのレベルは出ているような相場であり、パフォーマンスに高望みしないのであればバリュー株はそこまで間違った投資判断ではないだろうと思っている。

過去記事でも何回か書いているが、足下の相場で唯一間違いだと言える投資はテーマの持続性が薄いのに高PERになってしまっている銘柄とわけわからない中小型株の2つであり、それさえきちんと避けていれば足下のやや不安定な状況にある相場でもかなりリターンが今年は出ているのではないだろうか。

ただ、これを裏返していうと、まだまだ相場はローテしてどうにか利益をひねり出そうというプレーヤーが多いことを意味しており、一部では相場の不安定さにギャー!っと叫ぶ声もネット上では散見されたりするが、いくらなんでも耐性ないポートフォリオすぎる・あるいはギブアップが早すぎるだろという範囲であり、調整するとすればまだ初期もいいところといったところだろうと思っており、下記過去記事のようにVIX指数を見ながらしばらくどこで追加エントリーしますかねえというのをじっくり待てばよいと思う。

【過去参考記事】
VIX指数を工夫しながら観察し、相場のパニック度・悲観度の理解をより深める方法を考える

まあさすがにレバかけているようなポジはちょっと考えた方がいいんじゃないかな?とは思うが、ノンレバであれば持ちながら押し目を待てばよいでしょうという程度の考えで良いのではないかと思う。
     
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株式投資の過熱で株先物資金調達コストも上昇

米株式向けの資金調達コストが急上昇、AI相場とスペースX上場で拍車

時間が解決してくれるだろうけど、すぐにではない。

色々ニュースを見ている中で、やはり秋頃ぐらいまで相場は個別はともかくとして、指数ベースではやはりしばらくぐだりそうだなと思った記事があったので、それについてまとめていきたい。

そのニュースとは上記であり、株式の資金調達コストが上昇しているというニュースである。
具体的にどう計算されているかというと、S&P500先物の限月が違うものから先物に内包されている資金調達コストを計算し、そこから無リスク金利であるSOFR30日レートを引いたものとなっている。
本来先物に内包されている金利は無リスク金利と教科書的に書かれているが、正確に言えば先物需要が高まれば先物を買うための調達コストが上昇するために、内包している資金調達コストが無リスク金利を超えるのである。

そしてこれが実際に計算してみるとここもと上昇しているといった内容になっている。
この資金調達コスト上昇というのは、堅調な相場においても調整を引き起こす原因になりやすい。
なぜなら、実質的な金融引き締め効果があり、さらに相場が上昇しようとするとさらなる金融引き締め効果が懸念されるようになるため、機関投資家など主にどこかから資金を引っ張ってきて取引をするプレーヤーが取引を控えるようになったり持っているポジションのリスクリターンが合わないとして売却に動くため、相場需給が健全化されるまで調整しやすくなるからである。

実際にこの報道があって以降はまだS&P500は高値を更新できていない状態が続いている。

【S&P500のチャート】
タイトルなし

以前には2025年後半にこの資金調達コスト上昇が見られていたということもあり、この資金調達コスト上昇はやはり直接的に株式市場に短期的な調整をもたらしやすいものだと思われる。

さらに、これから夏休み+下記過去記事のように魔の9月を控えている中で資金需給はより調整的なものになりやすい。

【過去参考記事】
なぜ9月は株式市場が荒れやすいのかを理論的に解説

実際おそらくこれを理由にOpenAIも上場時期の後ろ倒しをせざるを得なくなった可能性が高く、やはり一度株式の投資熱が少し冷える必要性があるように思う。
2025年のケースの場合はけっっ局4月半ばになるまではイラン情勢というノイズもあったが調整が続いていたわけで、その期間は3~4ヵ月にわたっていたので、S&P500が最高値を明らかに更新するにはやはり3~4ヵ月見積もるのが妥当なのではないかと思う。
     
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米国実質金利の上昇が相場の下押し圧力を強める展開

【米国各年限の実質金利推移】
タイトルなし

https://muragoeinvest.com/ustmarket

やっぱり警戒を強めておきたいような気がする。

6月頭までは株持っていないやつは馬鹿?みたいな勢いで株価が全般的に上昇してきたわけであるが、ここにきて大分株価もちょっと上がりすぎたんじゃないかということでギクシャク感が強まっている。
そうした中で、個人的に上記図にある通り、米国の実質金利が手前側中心に急速に上昇し、気づけば5~10年の実質金利が2%になっていることについてはかなり嫌な感触を持っているので、それについてまとめていきたい。

この5~10年実質金利が2%に達するのは結構危ないシグナルだったりする。
20~30年の実質金利はずっと高い水準になるが、20~30年の実質金利に関係するのはせいぜい米国債の超長期金利と保険の割引率ぐらいであって、大多数の企業や個人にとってはほとんど関係ないので、究極的にいえばどれだけ上昇しようとも実経済に対するインパクトは小さい。
一方で5~10年金利というのは米国でも社債が発行される中心年限であるわけで、ここのゾーンの実質金利の増加というのは直接的に企業の資金調達コストに悪影響をおよぼす。

特に足下はAIに絡まない企業は業績が伸びない中で金利コストの上昇がさらなる業績圧迫を生む状態であるし、AIに絡んでいる企業はメガテック勢が現在全力設備投資中で、投資先行であるがために金利コストの上昇に対して投資回収はまだ先というのが投資を抑制するのではないかという懸念を生むわけで、特に遠いキャッシュフローの評価が含まれてしまっている高PER銘柄ほど株価ダメージが増幅しやすいことに注意が必要なステージになっている。

さらに、ホルムズ海峡封鎖が行われた3月頭とは違って、みんなリスクオンしか見ていない状態であり、市場参加者のガードは緩いと言わざるを得ない。

以上を考慮すると、実質金利の急速な高まりは相場のギクシャク感を生む可能性が高いと思っており、加えてこれからサマーバケーションシーズン+下記過去記事のように季節性の悪い9月を控えてしまっており、市場が状況に慣れるまでに時間がかかり、この慣れるまでの期間はどうしても相場が不安定化しやすいと思う。

【過去参考記事】
なぜ9月は株式市場が荒れやすいのかを理論的に解説

実際に過去に5~10年実質金利が2%に達した2023年8月・2024年4月・2025年1月はいずれも株価の調整や上値が抑制される現象が確認されている。
(2025年の時はここから関税ショックでさらに下振れた)

そういうことを考えると、S&P500ベースでピークから5~10%ぐらいの範囲での調整を見ておけばよいだろうと思うが、そこに余計な材料が加わればその分だけ下振れ幅が大きくなることは注意しておきたい。
期間は2~3ヵ月ぐらいが妥当ではないかと思っており、やはり9月終わりごろぐらいまで待ちかなあと思う。
その間のFOMCが特に要注意点かと思うので、そこらへんを随時見ながら個人的には追加投資の待ちステータスを維持したい。
     
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