村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資全体観

FRB内で政策金利見通しが割れていることは株価にとって好都合

FRB当局者、中立金利見通しで異例の大分裂-利下げ論議にも影響

正直言って株価にとっては贅沢な悩み。

ここ3年ぐらいの米国の金融政策というのは非常に先行きが揺れやすい状態にあり、1年先ぐらいの政策金利見通しにおいて利下げ回数が増えたり減ったりを繰り返して、2024年ぐらいから緩やかな利下げが続いているわけであるが、未だにメンバーによって先行きの利下げ回数見通しは非常に割れている状態にあり、お笑い枠のミラン理事を除いても上から下まで1%ぐらいの見通し差が存在している状態が未だに継続している。

一部では利下げが見通しづらくなっているのではないかということで、これを理由に株価について懸念を表明する報道が多い様に見えるが、個人的にはこれは逆に株価にとって少なくとも下げるにしても最低限のフロアが存在する保証にもなっているのではないかと思っており、逆に株価上昇に賭けやすい地合いが続いているように思う。

理由としてはこのような政策金利見通しが割れているということは少なくとも金融危機が発生するような経済状態には全くなっていないということを意味しているからである。

リーマンショックをリアルタイムで経験した身としては、あの時は途中からもうFRBはなりふり構わない利下げを全会一致で決めて利下げをしたが、それが全く効かなかったのは恐怖以外の何物でもなかった。
金融政策当局者にとって一番怖いのは色々な混乱に対してこれでもかと対応を打っているはずなのに、一向に効く気配がなくそのまま金融市場がメルトダウンしてしまうことにあるわけで、あの当時は一発75bps利下げしているのに、状況は改善するどころか悪化を続けていたわけで、結局下記参考書籍の通り行きつくところまで行ってしまったというのがリーマンショックである。

【参考書籍】
ポールソン回顧録

本当に金融危機が差し迫っているのであれば、こんな悠長な金融政策判断なんてできるわけがなく、25bps利下げどころか50・75bpsと一気に政策金利を1回の金融政策決定会合毎に引き下げることが全会一致で決まったりするわけである。

しかし、現在は利下げの回数議論どころか、メンバーによっては利下げが本当に必要なのかみたいなドットプロット出している人もいる状態であり、なんとも悠長な姿勢であり、金融危機が発生することなんてのは一ミリも考慮していないわけである。

上記ポールソン回顧録を読んでいると、金融当局者はもう相当早い段階で金融危機になりそうなことは察知していて、その対応に追われていたことを考えれば、全会一致で利下げ決定にならないことは逆を言えばそれだけ株価に悪影響が出ない形で景気は緩やかな減速をしているという、あまり過去に見たことがない事例になっていることがわかる。

2023年からSVB破綻でのBTFPでの実質QEを理由に金融危機を煽ったり、2-10年の米国債イールドカーブが逆イールドになって過去に逆イールドになった時は100%金融危機になると煽ったりしていた人が多かったが、結局どれも過去とは状況が違うということで現実化せず、2025年末までずっと上げっぱなしかつ2025年末もS&P500は最高値を更新しながらの進捗ということで、引き続き米国金融当局者の政策金利見通しが割れていることは株価にとって好都合な状態が続くだろうと思っている。

【S&P500のチャート】
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年始から企業の旺盛な資金調達動向で相場は好調スタート

社債発行は26年も高水準続く、金利上昇でも企業と投資家の需要旺盛

今年の相場はこれをきちんと観察することが重要。

去年末相場はみんながサンタラリーを期待する中で結構微妙な状態で株価は引けたものの、年始の動きはなかなか良く、上手い具合にスタートダッシュが決まっているなという感じがしている。
ではなぜスタートダッシュが上手く決まっているかというのをまとめていきたい。

足下で世界的にも株価はあまり地域・国問わずバリュエーションは高い数値を継続しており、ここ2~3年ぐらいはずっと株価は割高だから慎重に行くべきという論調で相場を語る人は多いが、そういった普通の相場観を嘲笑うかのように連発上昇しているのがここもとのトレンドである。
加えて、AIブームがこの相場上昇の加速を促しているが、このAIブーム認識は専門知識がないと結構難しいのか明らかに金融市場をメインとしてきた人達の認識は遅れており、例えばだが実際に早い段階でDRAMが来るとしてマイクロン株を推していた人もいたが、実際にマイクロンの株価が上昇したのは2025年半ばになってからとかなり遅く、こういったことから今株価を先導しているのは金融市場ではなく実業界の方ではないかと思っている。

【マイクロンの株価チャート】
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そして実業界が相場を牽引していると考えると重要なことは、実業界がきちんと資金を集めて投資を継続しているかどうかにあるわけであるが、上記のBBG記事の通り年初から比較的見通しは明るい状況となっている。
米ドル建て社債市場でも年始からバシバシ新発債が出ていることも考えると、実業界の資金調達具合は順調に進んでいることから、これを見て株価はスタートダッシュはまずまずといった動きになっているのだと思う。
この辺の考え方の根本原理については下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
なぜ借金のサイクルが経済・株価にとって重要なのかを解き明かす

ちなみにこれを考えると去年の12月はみんながサンタラリーを期待していた中で、そこまで下がりはしなかったものの、上がりもしなかったのは社債がクリスマス~年末休暇で全く発行されなかったがために新たな市場からの資金供給がなかったという要因が大きかったように思う。
株価が安いところであれば、休暇入りすると売りが消えるのでサンタラリーが起きやすいが、足下株価バリュエーション自体は全体として高く、意識的に買いが続かないと継続的な上昇が期待しづらいわけで、これが去年の年末の株価動向が微妙だった理由なんじゃないかなと思うので、年末の相場の動きはもう忘れて年始の相場の動きを捉えていきたい。
     
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個別株投資の銘柄選びに困ったらNVDA・GOOGL・MSFT・AMZN買っとけばいいのでは?

チームみらい安野貴博氏3.6億円 参院資産公開、上位に著名人

安野氏が握りっぱなしであることの意味は重要。

政治家は一定のルールで資産公開ルールがある中で、チーム未来の安野氏がエヌビディア・アルファベット・マイクロソフト・アマゾンの株を68万株近く持っているとニュースで話題になっている。
一部ではこれはオルカンの口数もカウントしているのではないか的な話があるものの、少なくともこの米株4銘柄についてはそれなりの株数を持っていることは確実である。
一部Youtube動画でこの4銘柄を持っていることは安野氏自体が公言していたが、あくまで口頭ベースであったということもあり、今回は公的に開示されたことから、実際に保有していることが確定的になった。

そうした中で、同時にこれから個別株投資をしようと思う人で、テンバガー狙いとかは別として、安定的に利益を出したいと思う人は、安野氏のポジションを真似る形でこの4銘柄買えばいいんじゃないかと
なぜそう考えるかと言えば、安野氏が政界入りにあたって持ちっぱなしの株がこの4銘柄ということは、当面売る可能性が低く、かつAIに詳しいというのであればこの4銘柄に絶対の自信を持っていることを意味するからである。

今回のAI相場の特徴としては、技術的に非常にクローズ的な形で動いているため、一般的な金融市場参加者がついていけておらず、 どちらかというと相場を引っ張っているのはAI関連事情に詳しい業界関係者の方だと思っている。
こういったことを考慮すると、AIについて何かしら知識がある人の知見とそれに伴う保有ポジションは非常に重要な示唆に富む内容であり、場合によってはそれをそのまま真似るべきケースさえあると思っている。

そういった中で、政治にテクノロジー導入をひっさげて政界入りし、真にどれぐらいかはなかなか判断が難しいものの、一般人と比べればはるかにAI事情に詳しい彼が、エヌビディア・アルファベット・マイクロソフト・アマゾン株を保有したまま政界入りしていることは非常に重要な情報だと思っている。
政界入りするとものすごく忙しくなるわけなので、普通に考えると頻繁に株を売買できないし、政治家という立場はインサイダー情報を得やすいということもあり、基本的には現在持っている個別株というのはそのまま持ちっぱなしにする可能性が高い。
そして、AIブーム・テクノロジー革命を信じている彼がそうした中で持ち続けても良いと思っている株がこの4銘柄であるということは、このAIブームにどうライドすべきかというところで、少なくともマイナスになることは普通はないだろうというのがこの4銘柄ということになるわけであり、AIについて何も情報を持ち得ていない一般人で、これから個別株投資しようと思うんだけど何買えばいいんですかねと迷ったらこの4銘柄でええですやんという理由付けとしても十分だろうと思うし、2025年はこのポジションだけでそれなりに高いリターンが出せていたわけであることは、下記アルファベットの株価を見てもわかるだろう。

【GOOGLの株価チャート】
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4銘柄に分散しているのも、最終的なAI覇権を取りそうな4銘柄ならこいつらとド真ん中的な銘柄分散であり、手堅くAIブームに乗る+個別株アップサイドを取るという手堅さを両立している株投資ポジションではないかと思う。


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2026年の相場予想(先進国株)

基本路線は2026年も好調な相場を予想。

年の瀬も迫ってきたということもあり、そろそろ来年の相場を予想しなきゃなあということで、まずは先進国株の来年相場予想を書いていきたいと思う。

・米国株
基本路線はAiブームとプライベートクレジットブームのダブルブームによって、S&P500ベースで15%ぐらいのリターンは出るのではないかと思っている。

金融政策についても2026年中は利下げ方向で、特段これらのブームによってすぐに利上げに転じるという感じではないはずなので、金融相場チックな動きになる可能性が高いだろうと思う。
ただし、利下げが継続されるということは明らかに不調なセクターが存在することも意味するので、より高いリターンを得たいのであれば不調なセクターは避けて投資する必要性があるので、そこについては各自留意していきたいところである。

2025年はトランプ政権大暴れで非常に政治に動かされた1年であったが、2026年はこれまで無茶をやりすぎた後始末に追われるような展開になると考えており、相場に影響を与えるような政治リソースはほぼ使い切ってしまって無いという前提で取り組んでよいのではないかと思っている。

あとはリターンの上下は今懸念を持たれているプライベートクレジットがどれぐらい再評価されるのか次第かなと思っているので、プライベートクレジット周りのニュースの雰囲気を確認していきたいところである。

・日本株
今年も高いリターンを期待したいと思っている。
日銀の利上げによる金融引き締めについては、植田総裁の経歴を考えれば相当経済に配慮した形で進められる見込みであり、インフレ抑制最優先や為替を理由にとんでも利上げに踏み切る可能性はないだろうと思っている。
そのため、引き続き実質金利が低く抑えられる中で、各種リスク資産はそれを好感するだろう。
さらに日本株にはAiブームを支えるメーカーがたくさんいるので、そういった企業群が引き続き好調なパフォーマンスを出してくれる可能性は高く、そういった意味で実は米国株より大型株で見るとハズレ率は低いのではないかと思う。
こういったことを考慮して、2025年と同様に大型株>中小型株という、あまり奇を狙った変な中小型銘柄に夢を託すのではなく、誰もが知っている大型株に資金配分を寄せておけば少なくとも大きなマイナスリターンになることはないのではないかと思う。

・欧州株
欧州株の難しいところは円ベースで考えるリターンと現地通貨ベースで考えるリターンが大分違いそうというところである。
足下で景気の勢いは弱くなりつつあるように見える一方で、ECBの政策金利動向は2%でびたっと動いていない状態である。
そうした中でAIブームは米国株ほど密接ではなく、さらにユーロ高という逆風もあり、利益の圧迫要因となっている。
なので、根本的にはだらだら続くユーロ高がちょっと止まってくれないと本格的な株価上昇は難しいのではないかと思っている。
一方で円ベースで考えるとユーロ高がリターンにつながったりするので、円ベースだとそれなりにプラスになるかもしれないが、いずれにしろ金融政策動向と為替の方向性について変化がないかを見ておきたいと思う。

・その他先進国株
オーストラリア株は中国経済が相変わらず死んでいるので多分投資検討する必要性はないだろう。
一方でAIブームを背景に世界的にファイナンスが足りないということを考えると、金融銘柄中心のシンガポール株はまだそういった中でパフォーマンスが出る可能性はありそうかなと去年同様思ったりする。
    
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AIブームでDrカッパーが復活

銅価格、1万2000ドルの大台を突破し最高値 今年37%上昇

EV・中国不動産バブル崩壊で死んだかと思ったら復活してきた。

ここもと貴金属関連の価格上昇が著しいが、下記の通り貴金属だけでなく産業金属系も元気であり、その中で銅価格が上昇傾向にあるので、これについてまとめていきたい。

【銅先物価格のチャート】
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銅価格については2021年まで上昇していたが、そこからしばらくずっとぐだぐだな価格展開が続いていた。
理由は2つで、EVブーム崩壊と中国不動産バブル崩壊の2つが挙げられる。
EVには大量の銅電線が使われるという期待で一時期は盛り上がっていたが、EVブーム崩壊はここもとのEV関連業種の株価のひどさを見れば容易に想像つく話で、EVが想像より伸びないよねという中でこの話はしぼんでいた。
加えて中国不動産バブルが完全に瓦解してしまった立ち直りも見えないということもあり、建設資材で多く使われる銅もその悪影響を受けるよねという話が当然想像されるということで、この2つが銅価格の足を2022年以降ずっと引っ張り続けていた。

銅価格は世界景気のバロメーター的な見方をすることも一定程度可能であり、Drカッパーと言われるほどそこに注目する人もいるわけで、この銅価格のぐだぐだ感について懸念を示す向きも一部あった。
しかし、ここ1年はこの2つの悪影響要素を跳ね返す形で銅価格が上昇をし始めた。
その理由はもう今では誰もが想像できるAIブームによる電力需要増加で、銅電線の需要見通しが大幅に引き上げられていることにある。

一方で供給側は現在開発投資をかけてようとようやく動き始めたばかりであり、色々見ているとどうやら本格的に鉱山開発が進んで銅の供給が増えるのが2030年前後ぐらいからといった話であり、以前に銅価格が暴落した時のような過剰開発供給状態にはなっていないようで、結構持続的な銅価格上昇が見え始めているのではないかと思う。

しかし、いざDrカッパーが元気になってもなぜか市場の反応は逆にAIブームが行き過ぎる懸念とか言い出しているので、結局銅価格が下がろうが上がろうが大半の市場参加者にとっては懸念の種だったりするので、真面目に聞くだけ無駄である一方で、個人的にはEV・中国不動産ブームの崩壊で当面銅は投資的には重要視される局面はこないかなあと思ってたところから、AIブームに伴う電力需要でここまで銅価格が押し上げられたことを考えると、やはりAIブームが相場に与える影響はこれまでのどのブームより長く大きいことが想定するべきだろうと思う。

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