村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

米国経済

ISM製造業景況指数は株価上昇にとって都合が良い数値であった

米ISM製造業統計、仕入れ価格が4年ぶり高水準-景況拡大は継続

株価にとって都合の良い数値が継続。

足下バカスカ株価がAI関連に上昇を継続する中で新しい月ということで最初の週は米国統計ラッシュということでISM製造業景況指数が発表されたので、それについて今回はまとめていきたい。

【ナスダック100指数のチャート】
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ISM製造業景況指数の数値については52.7という数値で、まあ良くも悪くもないですねえという数値であった。
内容としては株価の動き通り、AI関連の生産は非常に活況である一方で、それ以外はさほど強くない上に、新規受注において原油価格上昇から前倒しでの発注による水増しっぽい動きもありそうということで、実態は52.7という数値より若干悪いように思われる。
雇用数値も46.4という数値で、50を割れているので、雇用は一応雇用統計上は強く見えるものの、採用意欲は極めて低調であることがわかると思う。
ニュースでは価格指数が84.6と高い数値になっていることに言及されているが、元々ISM製造業景指数全体の数値には価格指数は含まれておらず、インフレ動向を見る際に使われているので、そこのところは注意しておきたい。

さらに、この指数には供給制約・配送遅延で動く入荷遅延が含まれており、これを除いた数値というのも公開されており、この数値を除いて4項目平均の数値を計算すると50.7という数値である。
この50.7という数値だけを見ると、景気分岐点50ぎりぎりじゃないかということで、やはり株価は危ないかもみたいな考えが浮かぶ人は結構いるのではないかと思う。

しかし、個人的にはこの数値は非常に都合が良いと思っている。
足下はAI関連設備投資でわーわー盛り上がっている株は多いが、全体感でいうと実際は景気分岐点ぎりぎりなわけであり、これが景気全体感と株価動向の乖離を生む結果となっている。
一般の人はこれを理由に「じゃあやっぱり株価は危ないんじゃないか」と思うかもしれないが、それは違うと考えている。
これを下記過去記事の考え方に当てはめて株価を考察すると、一般の人が思う株価予想と全く違う景色が見えてくるので、興味ある方は読んでもらいたい。

【過去参考記事】
ISM製造業景況指数と株価動向の一般的なイメージが真実とはかけ離れていることを解説

というわけで、個人的にはこのISM製造業景況指数を見ると、まだまだ株価上昇余地は長い目線であるなあと思うわけであり、ここで株価に対して臆することは禁物だろうと思っている。
     
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ラトニック解任の噂から考える今後のトランプ政権の行方

トランプ氏、ラトニック商務長官ら解任案 司法長官に続き米報道

トランプの悪い癖が出てきたが相場にとっては朗報。

以前に当ブログでは関税ショックの時に、このわけわからん関税を主導したラトニック氏が早くクビになんねーかなーみたいな話を下記過去記事の通りしていた。

【過去参考記事】

トランプ政権で更迭される人事の順番を考える


ラトニック氏はイエスマン・トランプ側近の中でもトランプ忠誠心が高い人物であり、トランプの息子とも家族ぐるみ的かつ利害関係がある形での深い関係性があり、結局関税の話をごちゃごちゃしている間はクビにならなかった。
しかし、その側近イエスマンでさえクビにしようとしていることについて、これは相場への朗報だと思っているので、それについてまとめていきたい。

トランプ政権発足以来、2025年は関税、2026年はイランへの攻撃で市場をしっちゃかめっちゃに混乱させてきた。
それは第一次政権の時と違って、側近をイエスマンで固めていた影響が大きいと言われてきていた。

しかし、このように本来イエスマンで固めて相当粉骨砕身していた側近でさえ解任しようとするのは、第一次トランプ政権時代も見られた動きであり、いくら奉仕しても少しでも事態が上手く行かないとキレたトランプがお得意のFireという発言とともにクビになるわけであり、第一次政権の時の雰囲気は下記回顧録を読んでみてもらいたい。

【参考書籍】
ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日

さて、このようにイエスマン側近でさえクビにするということは、もう周りの閣僚からすればいくら忠誠心を持って尽くしたところで報われる可能性は低そうだし、少しでも事態がうまくいかないとすぐ責任転嫁されるということで、はっきりいえばトランプに愛想をつかす政治家は多くなるだろう。
そうなるとトランプが何か新しいことをやろうとしても、それに巻き込まれるのはごめんだとして皆ごねて阻害する動きになるわけであり、今後トランプが言うことが実行できる確度はどんどん低くなっていくだろう。
つまり、このラトニック解任をきっかけに、もうほぼトランプは政治パワーは使い切ったも同然であり、今後相場を邪魔するような何か決定的な政治的行動を起こすことは難しくなり、このままトランプ政権は尻すぼみで終わる可能性がぐんと高まったということだと思われる。

結局トランプがやったことは本来じっとしていればストレートに良くなっていた物事をぐちゃぐちゃにかきまわしただけであり、これが無駄な相場ボラティリティを生み出していたわけであるが、それが今後は影響がどんどん少なくなっていくので、いよいよ株式の黄金期が始まるのではないかと期待しつつある。

【S&P500のチャート】
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変な利上げ懸念に伴う金利上昇に釘を刺したパウエル議長

Powell says Fed can 'wait and see' how war affects inflation

わざわざ言わないとわからないものなんかねえ。

3月のFOMC議事録で利上げも議論に上ったという言葉が独り歩きしているということもあり、CME開示の政策金利予想とか見ると利下げどころか、一定程度利上げまでを織り込む自体となり米国金利は原油価格上昇と相まって上昇する展開となっていた。

しかし、さすがにFRBの本来考えていることからかけ離れているということもあるのか、ここにきてパウエル議長が講演会でFRBはWait and See(様子見)姿勢を現時点では継続できるということを強調し、利上げ路線にはなっていませんよということを強調して市場の変な予測をとりあえず叩き潰す方向で動いた。

やはり、移民数が少ないことから見た目失業率は維持できているものの、雇用の絶対数値が非常に弱いわけであり、ここに米国内需と本来関係ない対外ショックで金融引き締めをすると、FRBが想定するよりも急激に経済環境が悪くなる可能性もあり、そこは現実に即して考えれば様子見が適切であり、何も考えずに利上げという方向にはならないということをあらためて市場に浸透させる言動を意図的にしたということだろう。

債券市場参加者は時々現実世界に即さない形で統計数値とかだけで独り歩きした考えを勝手に市場予想にしたりすることがあるんどえ、わざわざ言わないといけんのかねえという感じであらためてパウエル議長は釘を刺した形になったと思われる。
この発言があってからは米国10年債金利は落ち着きを取り戻している。

【米国10年債金利のチャート】
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パウエル議長の発言から考えると、現在政策金利が3.5%となっている中で、5年金利4%・10年金利4.5%・30年金利5%を超えると変に利上げを織り込んだ数値になっているという感触がありそうで、そこに到達すればFRBメンバーから火消しが入って相場が落ち着くということが見込めそうである。
とりあえず様子見姿勢を貫くのであれば、一定のレンジに長期金利含めて落ち着かせておく必要性があり、なんとなくだが金利レンジを一定に収めておく必要性があり、金利レンジが見通しやすくなったことは相場にとってサポート材料となるだろう。

このように金利は常にファンダメンタルズが最優先であり、時々ネット上では金利がレンジブレイクしたからそのまま上に行くみたいな意味不明な根拠を基に相場暴落を煽ったりする人もいるわけなので、あらためて下記過去記事にてそんなわけあるかというのを知っておいて欲しい。

【過去参考記事】
債券金利をテクニカル分析だけで判断することにはほとんど意味がない理由

 
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利下げ終着点が後ろ倒しになる結果となったFOMC

FRB議長「原油高を非常に懸念」 金利据え置き、年内利下げ1回は維持

どんどん利下げ終着点が後ろ倒しになっていく。

市場の話題はイラン情勢8:プライベートクレジット懸念2みたいな雰囲気だが、そうした中で何か特別な言及があるかどうかということで注目されていたFOMCが開催されたので、内容をまとめていきたい。

FRBからの公開文書の時点で前回より2026年のインフレ見通しが引き上がっており、これを理由に政策金利見通しにおいて2026年利下げ回数が1回あるかどうか微妙なラインとなっている。

【FRBのプロジェクションデータ】
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据え置き判断において反対票はこれまで2名だったのが1名に減少しており、全体として先行きがどうなるかようわからんわといった中で据え置きが適当ということになっている。
この反対票一名は完全空気になっているミラン氏であり、これは実質考慮する必要性がないので、今回は原油価格上昇によるインフレ懸念をおそらくは理由にしてウォラー理事が据え置きに賛成に回ったということもあり、年内利下げは本当にあるのかないのか微妙な状態となっている。

記者会見の中でも住宅は弱いという話とか、雇用は強くはないといった話は出ており、また利上げという話はごく一部で議論されただけでそれはメインの議論ではないということもあり、引き続き利上げになるとかそういうのではないし、また記者からの質問でもスタグフレーションなのかという話で、それは1970年代の失業率が馬鹿高くてインフレ率も今とは比較にならないレベルの上昇率だった時のことであり、それと比べて今はそんな兆候は全くないということも強調している。
イランとの戦争による影響についても、んなこと予想とかできんわということで、結局出てくるデータを基に決めつけをせずに金融政策決めますわといった話しか出てこず、FRBの様子見姿勢が際立つ内容となった。

市場反応はタカ派だったということで、金利上昇と株安のセットとなり、まあこの反応は多少はしょうがないよねえというぐらいの反応であったと思う。

ただ、逆を言えば利下げ終着点にたどり着くまでよりタイムスパンが長くなったと捉えることが可能だと思っている。
自分の投資シナリオで一番怖いと思っているのは米国の利下げサイクルが終了し、低金利を背景としたAIブームの爆発によって経済指標が景気を過熱させるほど上向きになり、FRBが景気を阻害するように利上げを開始するシナリオである。
従来だと2027年にはその終着点に到達してしまっている可能性があったため、2027年後半からどういう考え方をすべきかなあと考えたりしていたが、どうやら2026年利下げが2027年後半にまでずっと後ろに引きのばされたことから、単純な利下げ終着点は2028年まで考える必要性がなくなった。
経済成長が健全に続く中で利下げサイクル終着点も相当後ろであれば、FRBが景気を阻害するような金融引き締めをしない中で株は基本的には上昇しやすいはずなので、足下は短期的に我慢が続きそうであるが粘り強く市場に居続けることが重要だろうと思っており、下記過去記事の通り暴落待ちで全部現金待機待ちというのは正解ではないと思っている。

【過去参考記事】
株の暴落を待つことは株式投資において正解ではないかもというのをデータ検証してみた

      
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相対的に原油価格上昇に強そうな米国株の中でも弱いセクターはどこか?

米ガソリン価格が16%急騰 イラン攻撃、家計負担増で政権に危機感

米国民が本当に節約する気があるならという話ですが。

引き続き原油価格の高値推移に高い緊張感が続いている中で、この原油高状況というのはどこに一番悪影響が出るのかというのが目下市場では一番の話題になっている。
どちらかというと高価格での原油価格推移は株式市場にとってどれぐらい悪いかという市場全体で語られがちで、もう少しブレイクダウンされてもせいぜい国別や地域別で語られるぐらいで、もっと細かいところまで考えられているという感じではない。

国別でいうと米国株は現時点で原油輸出国なのだから影響は相対的に低いと考えられているのが一般的であるが、この原油高の市場環境下、米国株の中でもちょっと注意しなければいけないセクターがあるように思う。
そのセクターというのはずばり米国レジャー系銘柄ではないかと思っている。

米国は自動車交通が必需品であるがゆえに、ガソリン価格というのは実質的に税金に近い性質を持っている。
そして今回の原油価格高騰は直接的に米国ガソリン価格を上昇させるわけである。
そうなると、米国国民は基本的に一旦ガソリンが安くなるまで移動を控えようというインセンティブが働きやすくなるわけであるが、そうなると一番移動距離長くなるのは何かといえば、レジャーでしょうというのがすぐに思いつくところである。

ざっと様々な統計データに目を通して計算すると、米国民がレジャー移動目的で使うガソリン量が荒く見積もって全体の25%ぐらいかなーと思っているが、この25%を削るだけで相当程度家計計算が変わってくるはずであり、本当に米国民が足下の原油高が家計にとって苦しいというのであれば、真っ先に削られるのはレジャー関連だろうと思っている。

レジャー関連でもダイレクトに原油価格上昇から直接的にマイナス影響を受ける航空会社から、関節影響的に大きそうなディズニーなどの遊園地関連銘柄まで結構幅は広そうであり、この辺はレジャー関連ETFの構成銘柄などを見て考えておきたいところだと思う。

【米国レジャー関連ETF(PEJ)のチャート】
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米国民が旅行に行く距離を短くするだけでも相当程度ガソリン需要にマイナスインパクトが生じるので、それを考慮して原油価格は動くはずであり、原油価格が無制限急騰というのは急騰前の需要を前提にして考え過ぎであるわけなので、あまりにも速い価格上昇は需要にも大きなマイナスに働きやすいので、エクストリーム悲観シナリオで金利が上昇すると考えるのはこうしたレジャー要因マイナスを考えていくとちょっとないんじゃないかなあと思ったりしている。
     
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