村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

為替

新興国通貨も選別キャリートレード状態が強烈な状態が継続

キャリートレード復活、ドル安追い風に26年の新興国市場に楽観論

今年は為替でも儲かった人が多そうだねえ。

今年はリスク資産にとってまあまあ良い1年であったが、為替も比較的儲かりやすい年であったように思う。
よくキャリートレードと聞くと対円で高金利先進国通貨でという話がメインになったりするが、新興国通貨でもとにかく対ドルでトレンドが続く動きが継続したので、それについてまとめていきたい。

今年一番大人気トレードだったのは、やはりメキシコペソだったように思う。

【USDMXNのチャート】
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トランプ政権再爆誕となった時はどうなるかと思われていたが、その後関税もなんとなーくの居所で着地した上に、政策金利めちゃくちゃ高いやんけみたいな形でひたすら対ドルで買われる展開となった。
ポーランドズロチもユーロ高につられる形でそこまで金利は高くないものの、対ドルで人気トレード対象の通貨となった。

一方で今年対ドルで負けているのがまず韓国ウォンであり、これは以前に言及した通り国内からの投資アウトフローがでかいという話がある。

【USDKRWのチャート】
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またインドルピーも本来インド自体が高金利通貨であり、今も6%以上国債金利あるはずなのに当局が介入に追い込まれるほどバカスカ対ドルで売られていて米国との関税交渉がまだ妥結していない影響が大きいように思う。

【USDINRのチャート】
タイトルなし


一方で、単純に低金利だと通貨がバカ売られされているかというとそういうわけではなく、タイバーツや人民元は逆に買われている。
実質金利差で一定程度語ることも可能だが、それだけでこの動き全部語れるほど物事は単純ではなく、実質金利+インフレ率+これまでの外国人投資フロー+国内の投資フロー+経常収支+みんなが感じるノリと雰囲気みたいな要素がごった煮で、最終的にはトレンドに沿ったトレードみたいな流れが続いた。

こうした諸々を見ていると、自分は専門外であるものの今年の通貨トレードこそトレンドに沿って取引すべし的な話だったなあと思うし、通貨によって売られている理由・買われている理由が継続しているかどうかをチェックしていれば人によっては相当イージーゲームだったのかなと思ったりしている。
来年についても一番新興国通貨トレードのドライバーになっている米国の利下げが継続することを考えれば、意外と来年の新興国通貨トレンドは今年とそんなに変わらないんじゃないかとも思ったりしているが、一方で新興国通貨側は買われている通貨は利下げ・売られている通貨は利上げ対応する可能性があり、新興国側の動きを見ながらトレンドが継続するかどうかを見ていけばいいかなと思う。

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FXブローカーの広告でしょうこりもなくトルコリラ暴落で散る個人投資家

トルコリラ最安値、株・債券も急落 野党有力政治家拘束で

FXブローカーの広告に釣られて死ぬ人が多すぎる。

上記ニュース記事はトルコでエルドアン大統領がいきなり野党の政治家を拘束していったということで、元々トルコはエルドアン大統領は大統領職を失ったらお前どう考えても逮捕・処刑されるだろと思われているところから、何がなんでも大統領やめないぞというエルドアン大統領のなんでもあり政策で政治リスク大爆発で、いつも通りトルコリラは暴落する憂き目となった。

【トルコリラ円のチャート】
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トルコの最大の問題はとにかく外貨が足りないことで、経常赤字が持続不能なレベルで高く、それを証券投資で埋めているという非常に歪な構造で、すぐにインフレ高くなるからその度に政策金利を馬鹿高くして対応せざるを得ず、すると通貨が安くなっている中でスワップポイントが非常に高くなった上に、FXで自由に触れる数少ない貴重な新興国通貨ということで多くの個人投資家がなぜかこれに釣られて投資をし、最終的にまた暴落して死ぬというのがトルコリラのFXの歴史である。
いわゆる国債収支の天井にいつもぶつかっているわけで、この考え方については下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
新興国経済を見る上で重要な「国際収支の天井」という概念

2006年以降幾度となく同じような流れが繰り返されるが、今回もXで検索すると何人もこの暴落に巻き込まれて大損して爆死している人がおり、もれなくスワップポイント狙いでの投資ではまってしまったと言えるだろう。
では、なぜ多くの人は何回も繰り返されているのに、未だにトルコリラの暴落で爆死してしまうのだろうか?

その理由として、FXブローカーの出している広告にあると思っている。
FXはブローカーが株を扱う場合よりも、対象となる取引種類が圧倒的に少ないために、ITシステム構築費用が圧倒的に少なくてビジネスとして成立しやすい。
また、土日を除けば24時間いつでも取引できるという利便性と気軽にレバをかけられるということからも顧客が頻繁に取引をしやすく、FXブローキングビジネスというのは会社規模に対して頻繁に広告を打てるほど成立しやすいビジネスなのである。
そして広告を打つ際は、大体高金利スワップを全面に打ち出すわけであるが、ここ数年ではメキシコペソが全面に出ていた。
しかし、米国大統領選でトランプ政権再爆誕懸念らへんからトランプに目の敵にされているメキシコは通貨が下落する可能性が高まった上に、メキシコ自体が利下げを開始したことから、通貨の下落懸念とスワップポイントの減少で、徐々に個人投資家は魅力を感じなくなってきていた。
そこで、またここ1年ぐらいは高金利でスワップポイント大量なトルコリラへの投資をFXブローカーが広告をうち、それに個人投資家が釣られてしまうのが、FX取引が個人投資家で普及した中で繰り返されている歴史である。

【広告例】
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しかもトルコリラの最大の問題は外国人に売り崩されているというより、国内がトルコリラ持っているのが嫌になって外貨に換金している圧の方が強い可能性があり、その場合はファンダメンタルズがきちんと改善しない限りは下げ止まる確率は極めて低いので、正直ポジション切るのであれば一旦ショートカバーとなっている今なんじゃないかなあと思ったりしている。
(まあその辺は自己責任で・・・)

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次に投機筋がショートで狙う通貨はEURで決定した模様

仏総合PMI、11月は44.8に低下 新規受注が大幅減

利下げが迫られるから通貨安で攻められると動機づいている。

上記ニュース記事は金曜日に出てきたフランスPMIが製造・サービスともに完全に死んでいて、総合PMIが44.8という信じられないレベルで悪化したことを報じている。
フランスだけでなく、ドイツ・イギリスのPMIも同様に市場予想を大幅に下回る数値になった。

この結果はこれまで当ブログで書いてきた通りに欧州経済は先進国の中で一番弱い状態であり、ついついアメリカに釣られて変に利上げしすぎた影響が一気に出てきているわけである。
こうした状態であることから、アメリカみたいに来年は四半期に一回25bps利下げみたいな悠長なことは言っていられないのではないかということで、利下げ催促が始まると同時に、加速度的に実質金利が低下しそうということで、ここにきてEURUSDをショートで狙うプレイヤーが増えたのか、ユーロ安が進み始めている。

【EURUSDのチャート】
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逆に言えば、これは円にとっては一安心材料である。
円はこれまでの介入+日銀の利上げ牽制を続けてきたこともあり、何回か投機筋は煮え湯を飲まされてきて攻めづらくなってきた。
そのため、次なる攻め手を考えていたところである。
ただ、新興国通貨は米国の利下げペースを見ながら動いているし、オーストラリアとかは雇用統計が比較的強く、利下げは来年からということでこちらも攻め手として難しい。

そこにデータディペンデントだと言い張ってきたECBに利下げを催促させるようなPMIが連発してでてきて、これまでの弱いインフレ率もトータルで考えれば、25bpsの利下げだけじゃあ足りなくないかということで50bps利下げというのもOIS織り込みの中に1回程度織り込まれるようになった。
つまり実質金利の縮小が一気に進むわけで、円をショートした時と構造は同じショート攻め理由が作れるということでEURのショートチャンスということで投機筋が動いていっているように見える。
為替市場は全体として弱い箇所が見つけられると、そこに一気に皆がピラニアのように群がるという株以上に下品な傾向があり、大いにそういう動きになる可能性は高いだろうと思う。

ただEURは世界No2通貨ということもあり、多くの市場参加者がしのぎを削っている資産でもあるので、一方通行での下落というより、度々仕掛けられて上下に振らされながら対ドルで下落している流れになるので、EURは対ドルで下落しそうと思っていても上手くトレードしないとすんなり儲けられないような気がする。

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ドル円は160円越えはなさそうだと思う理由

アングル:日本株高、海外勢の円売り需要惹起 投機追随で影響広範に

日本株の小天井でドル円レート160円オーバーの可能性はなくなったような。

ドル円レートについては多くの投資家が注目しているところで、これまでの円安ドル高は過去20~30年にはない幅であったことから、過去2年ぐらいの相場の話題として続いていた。
これまで2022~2023年にかけてはドル円の上昇については日米金利差・貿易収支がドライブになってきていたわけだが、中途半端な金融知識を持っている人は2024年も同様に日米金利差・貿易収支が円安ドル高のドライバーになっていると勘違いしてきた。
そのため、ドル円レートが160円をオーバーするなど極論に走る人が複数出現したのがYoutubeやXなどで確認ができていた。

しかし、少し冷静になってみてみるとこれまでのドライバーについては既に変化してきていた。
日米金利差については既にFRBがピボット済みだった上に日銀の一定の金融緩和修正が見えている状況で、日米金利差は横ばい~じりじり縮小する展開に変わってきていた。
さらに、貿易収支についても中国からの製造業サプライチェーン移転効果で、九州にバンバン半導体工場が建っている上に、原発再開もあるし円安が輸出採算性を高めていることから、デジタル赤字はあるものの貿易収支は改善傾向で推移している。
そのため、既にドル円レートのドライバーは日米金利差・貿易収支ではなくなっていた。

では2024年になってからのドル円レートのドライバーはなんだったのか?
木曜日の日経平均とドル円レートを見る限り、どうやら2024年のドル円ドライバーは日本株買いであったと考えるのが妥当だろうと思われる。
具体的に言うと、海外の投資家が日経平均先物を購入して為替の効果を消すためにドル買い円売りポジションを組んでいるわけである。
なので、日経平均が上がれば上がるほどドル買い円売りポジションが増加するために、円安ドル高になるわけである。
そして、これまで当ブログでは日経平均は小天井的なものが見え始めていたと書いていたが、個人的に想定していた小天井から2000円(大反省)も上に上昇したところで、ようやく雰囲気的に買われすぎやろこんなのということで株にアンワインドの動きが出た。
さらにそこに日銀のマイナス金利解除のニュースフローがかぶさってきたことによって、2日で1円以上の円高ドル安となった。
このことから、2024年の円安ドル高要因はほぼ日経平均の上昇にあったと言ってよいだろうと思う。
そのことを理解している日銀が今回のドル円150円越えのところでは為替介入してこなかった理由はそこにあるだろうと思われる。

そうなると、これまでドル高円安ドライバーであった日米金利差・貿易収支・日本株の上昇の3要素全てが一旦息切れとなった。
もちろん全てが急激に逆回転するわけではないし、日銀も緩和的な金融政策の継続についてコミットしている。
そういったことを考えるとドル円160円オーバーというのはありえないが、では130円のアンダーシュートするような円高というのも極論だろうと思われる。

そういったことを考えれば当面のドル円レンジは140~150円で移動する可能性が高く、その範囲の動向であれば投資家的にも日銀的にも企業的にもありがたい動きなのではないかと思う。

【ドル円のチャート】
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ドル円は当面新しい材料なしで130円前後の狭いレンジ入りか

円、日銀変心で強まる先高観 投機の買い125円で加速か

手元に何かドル円を動かせる材料がない。

これまでドル高円安についてはFRBの苛烈な金融引き締めと日銀の金融緩和継続による短期金利差を材料として進行してきた。
しかしFRBの金融引き締めが止まり始めているということに加えて、為替介入と件のYCC修正ショックによってドル円は150円から132円まで修正がかかっていった。
そうしたことからこれまで円安!円安!と騒いでいたメディアが急速に今度は円高!円高!と全く逆方向への心配を急にし始めた。

【ドル円のチャート】
タイトルなし


しかしYCC修正ショックが起こってから2日たつが、当初は事実上の利上げだとすごい騒ぎ方をしたものの、10年国債をピンポイントでYCCで抑えるのではなくカーブ全体を日銀が国債買い入れを行って10年の歪んだカーブの修正とカーブ全体の金利を抑える方向になったということで、金融引き締めというよりYCCからQEに先祖返りしただけではなかろうかという話が徐々に浸透し始めてきている。
ようは過度に金融引き締めというのが意識されすぎだと思う。
一旦YCC修正をかけてきたことから、次になにか金融政策を変えるには先行きFRBの金融政策が変わりそうという中で日銀が決断するとは思えないし、そもそもそんな資金需給がひっ迫するほど銀行の貸し出し増加が預金増加に追い付いていないのが現状だ。

ただ、もちろん為替も気にかけていたということもあるのでドル円を円安方向に攻めると日銀の金融緩和修正が追加で働きかねないという考えをみんなが持つようになるため、先行きについては米国の短期国債金利で上下するような状態ということになりそうだ。

総合的に見れば新しいドル円を動かすカタリストが現在ない状態なように思われる。
日銀から新しい材料が提供される可能性があまりなさそうと考えると、FRBの金融引き締め策の減退待ちとなる。
しかし、それは来年の後半ごろみたいな話であり、一気にFRBの金融引き締め撤収を織り込んでドル円が急速に円高に傾くということも少し考えづらい。
一方で137円台より上でドル円をアホみたいにロングして強制追証を受けた個人投資家はかなり多く、当面円安方向に攻めるプレイヤーも今のところ見当たらないというのが現状だ。

以上から当面は130円前後を挟んだかなり狭いレンジ でのドル円の動きになると想定される。
藤巻氏みたいな円紙屑論者の言動も間違っているし、この前まで円安騒ぎをしていたメディアが急に120円を下回る円高を今度は騒ぎ立てるのも過剰としか言えないだろう。

ようは当面為替についてドル円では新しい材料は出てこなさそうだということである。


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