村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

欧州

結局寄らば大樹の陰的な位置づけになっている米国資産

【欧州市況】株続落、インフレ・金利見通しに不透明感-国債下落

米国離れとはなんだったのか。

イラン情勢の激変でエネルギー価格がボラティリティ高く推移している中で、このドタバタで株もさすがにリスクオフといった動きが続いている。

しかし、下落の幅は地域によって大きな差があるというのが現状である。
実際に米国株は上から下までせいぜい4%な上に、終値ベースでの幅だとせいぜい3%とその下落幅はそこまで大きくなく、信用取引さえしていなければダメージは軽微で済んでいる。

【S&P500のチャート】
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まあレバかけすぎているような投資対象はアンワインドくらって当然であり、もっとリスク性高いところは下落幅はより大きい。
しかし、そういうのがない状態で結構ひどめに下落しているのが欧州株であり、ドイツの代表株価指数であるDAX指数の下がり方は下記のような形になっており、S&P500の1.5倍売られている。

【DAX指数のチャート】
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まだドイツ株はましな方で、これまで好調なパフォーマンスだった周辺欧州諸国の株はもっとひどい動き方をしていて、2025年に人気だったギリシャ株なんてのは普通に17%近く下落していて、結構ひとたまりもない下落の仕方となっていた。

この動きは何を意味しているかと言うと、結局大きめの地政学が起きた時に最終的に身を守れそうな資産って米国資産だよねという話なのだと思う。
あらゆる物資を自給自足できて、金さえ払えば国内で完結できる国というのは世界の中でも米国ぐらいしかおらず、さらに米国の本土というのは鉄壁の守りになっているわけなので基本的に侵略される可能性がほとんどないわけで、そうなると本当に皆が真剣に考えざるを得ない地政学リスクが起きた時というのは米国資産が最終的に守備力が強いという話になるのである。

残念ながら欧州はそういう立場ではないことは明らかであり、今回のイラン情勢変化であっというまに欧州の天然ガス価格は高騰して危ない雰囲気になっているわけで、これまで曖昧な根拠で米国資産離れとしての受け皿となってきた欧州リスク資産は今一度過大評価だよねという形でトリプル安的な動きになってしまった。

さらにいえば、今回のイラン情勢変化で最も影響を受けているのは中東の投資家であるわけだが、中東の投資家は伝統的に欧州リスク資産への投資ポジションが大きいが、現在のイラン情勢状態だと中東投資家は身動きが取れないし、国内にイランからの攻撃を受けた被害を補填する必要性があるなど、大きな金額ではないもののリスク資産を売る必要性など、マイナス要素が欧州リスク資産には多い様に思う。
さらにいえば、欧州株自体がそういえばおたくらEPSって伸びてるんでしたっけ?という疑問が生じているので、そういった意味でも欧州株のアウトパフォームというのはここまでかなあと思っている。
    
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米国に対抗する形でECBもユーロ高の口先牽制が入る

ユーロ高、ECBの政策を左右する要素-フランス中銀総裁

口先介入祭り。

ここ数週間は円について日米での協調レートチェックによる口先介入的なものが入り、円高・米ドル安になっている中で、米国側は米ドル安については一定程度は産業の国内回帰をめざせるものとしてあまり心配していないという発言がトランプから出たりするなど、あえて米ドル安指向のような口先介入っぽい方向性となった。

そうした中で主要通貨ではこれまでユーロが一方的に買われてきた背景がある。

【EURUSDのチャート】
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しかし、このユーロ高はあまり行き過ぎると輸出採算が合わなくなったり、国内デフレ要因になるということもあり、既にEU圏のインフレ率は2%となっている中でユーロ高が経済に逆風という認識が徐々に出始めている。

このように米国の口先介入が入る中で、ECB側もこれ以上のユーロ高が見られるのであれば何かしらの措置をする可能性を示唆するような報道が、わざわざECB高官から出ているというのが上記ブルームバーグニュースの内容である。
何かしらの措置というのはいきなり介入をぶつけてくるということはないが、次のECBのアクションが利上げかもと見られている見通しを利上げなしや逆に利下げに傾けるなども可能であり、様々なアクションが想定されるが、いずれにしろECBから軽い口先介入っぽい動きになったと考えるのがよいように思う。

これによって、米ドル・ユーロという世界の通貨流通量の大半を占める2大通貨が通貨安指向方向になっていることが判明したわけである。
通貨安を指向するということは、基本的には資金の流動性を注入していく方向になるわけなので、現在市場は金余りとなっている中で、さらに追加される観測になるのである。

結局これで大きく上昇したのはゴールドであった。
シルバーよりゴールドの方が上昇したのは金銀レシオがもう相当きつい数値になっているというのもあるが、シルバーは米国市場が主戦場で、欧州の方はゴールド選好が強いのでゴールドの方がイントが高まったという理解をしている。

【ゴールド価格のチャート】
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ユーロ高によって容易にECBが利上げに踏み切れないことを考慮すると、これは貴金属価格だけでなくリスク資産価格全体にサポート要因になるので、やはり株などには強気姿勢を継続したいと思う。

また、これによってこれまで通貨安にやや苦しめられてきた日本・韓国はほっと一息な状況になる確度がより高まったと言えるだろうと思う。
  
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ユーロ円は金利差縮小で徐々にネタ切れか

奥側の金利動向を見ていると、そんな気がするような。

あまり自分は為替が得意でないし、なんか過去書いてきたブログ記事見てもあんまり為替予想当たってねえなあということで、あまり為替については予想を書いてこなかったが、ちょっとユーロ円については少し思うところがあるので書いてみたいと思う。

ここもと続いている円安は金利差的な話がずっと続いているが、金利差については徐々に環境が変化しつつあるように思う。
というのもJGB20年より長いところの金利が上昇してきた、既に3%に達しているところから、そういった考えがよぎるようになっている。

【日本20年国債金利のチャート】
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個人的にも10年2%・20年3%になるのを待つという銀行がいるみたいな報道を数年前に見て、そこまで行くんかいなと思っていたが、自分の方が全く間違っていて気づけば10年2%・20年3%にたどり着いていて隔世の感がありますねえとなっている。

この20年3%の水準に達する中で、あらためてグローバルな金利動向を見てみると、実はもうJGB20年金利はほぼドイツ20年国債金利と変わらない水準にまで到達している。
現在ドイツ20年国債金利の状況は下記のチャートの通りとなっており、3.3%程度となっている。

【ドイツ20年国債金利のチャート】
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しかも、2025年12月の金利上昇についてはECBの各メンバーがかなり調子にのって、「次の一手は利上げだ」みたいな随分勘違いした発言をして変に金利を押し上げた分があるので、足下でEU圏経済にそんな勢いあるんかいなみたいなところがある。
それに欧州での今の経済見通しの中に相当程度防衛関連財政支出要素が含まれているということもあり、少し市場の期待感が高すぎるのではないかと思っている。

このようにまだ手前側の金利については日銀の金融政策が効いていて諸外国比で低いものの、20年オーバーのところの金利は水準感はほとんど変わらないレベルにまで上昇している。
20年も先の日本のインフレ率と欧州のインフレ率なんてそんなに現時点で変わらんやろと考えると、もはや金利差で為替が対ユーロで円安に行くポテンシャルはそこまで高くないように思う。
また、その他の諸条件も欧州と日本はそこまで変わらないように思う。

そういった意味で、もろもろ考えるとユーロ円の為替状況は動く材料が少なくなっているように感じており、1ユーロ185円より上って相当攻めづらいのではないかと思う。

【EURJPYのチャート】
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もちろんすぐに円高ユーロ安になるとは思わないが、欧州株のパフォーマンスの相当程度を占めているユーロ高については今後はあまり期待できないのではないかと思う。
     
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相場的には若干嫌なECB次期総裁の利上げ前向き発言

シュナーベル氏、ECB次期総裁に就く用意-「次が利上げ」違和感ない

ちょっと嫌な発言。

金利について、米国はまだ金融政策が基本的には利下げ方向動いているという状況であるが、一方で先進国の中ではいくつか金融政策の方向性についてこれまで利下げをしてきたが反転させる可能性について匂わせるような動きをしているところが生じ始めている。

その中で、特段影響が大きそうなのはやはりユーロ圏である。
上記BBG記事は次期ECB総裁と見られているシュナーベル氏が次にECBに動きがあるとすれば利上げだという発言をしているのである。
これは足下でユーロ圏はインフレ率2%で落ち着いている一方で、景況感が底堅く推移しているということもあり、この流れでいくと利下げはありえなく、次に動くとすれば利上げだという趣旨を発言したわけである。

次に動くとすれば利上げというのはなんとなく可能性として視野には入るが、いくらなんでも言及するのが早すぎるのではないかと思っている。
まだ米国景気は関税影響で個人消費が減退している中で、最後の利下げ着地点がどの辺かというのをきちんと見定められていない上に、ユーロ圏経済も財政支出の拡張レベル次第で全然景況感が変わりやすいだろうと思える状態の中で、もうサイクル的には経済上向きっぽいから利上げ含みの発言をするというのはちょっと何もかもが上手く行く前提で

まあこの発言もまだすぐに利上げをするというわけでもないし、状況変化すればECBも馬鹿ではないのですぐにてのひら返すだろうが、この発言はそれなりに債券市場に影響を与えていて、ドイツ10年国債利回りは高くなってしまっている。

【ドイツ10年国債金利のチャート】
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このようにいくつかの先進国は金融政策が実際に反転するかどうかはまだよくわからないが、反転しかねない状況になっていることを考慮すると、価格上昇が金利低下頼みの資産は勢いが退潮する可能性が高いように思う。
具体的にはそういった資産は仮想通貨と貴金属類だろうと思う。

また、変に利上げに前向きなような発言をしてしまったせいで、少なくとも欧州株はこれまで財政支出拡張による景気押し上げ期待を前提に上昇してきたわけであり、それが剥落しかねない発言でもあり、欧州株の上値は今後重たくなるだろうと思う。
日本株は日銀の利上げ姿勢がどちらかというとしぶしぶやっていて、引き続き緩和的な金融政策は続けそうという見通しがあるからこそ好調推移しているわけで、あまり拙速な利上げ前向き発言は金融政策の転換点とも捉えかねないので、少し個人的にはこの発言後の市場反応に注意していきたいと思う。
    
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フランスリスクから始まる欧州から米国への資金シフト

仏政権崩壊の可能性、再び総選挙との声 IMF介入リスクと財務相

結局米国より欧州の方が政治リスク低いなんて幻想。

上記は以前にもブログ記事で書いてきたフランス政治リスクであるが、いよいよ状況は混迷を極める事態となっている。

個人的には資産配分の中にフランスのポジションはオルカンで一部影響あるぐらいだし、世界経済全体で見るとフランスがどうのこうのでフランス以外の資産価格がマイナスに動くことなんて滅多にないので、正直フランス動向にほとんど興味がなくて追ってこなかったわけであるが、さすがにフランス国債の利回りがイタリア国債の利回りを上回ってたりするのを見ると、
しかし、フランス自体は腐ってもEUの中で第二位を誇る経済を持つ国であるわけなので、EU全体の中で政治リスクが高まってきていますよねというのをなんとなく予感させる内容であることは間違いないわけである。

このフランス政治リスクニュースを見るたびに思うことは、米国政治リスクを避けるために欧州資産を買うべしなんて理論はやっぱり現実が見えていない理論だったよなあと思う。
米国は土地面積が非常に大きく、資源も豊富であり、まさに世界一位を誇れるだけのしっかりした経済基盤がある国であり、そもそも建国の時の精神的に最終的な軌道修正が起こりやすい素質もあるということで、政治のごたごたがあったとして国としての立ち位置がそうそう変わるみたいな脆弱性がないため、目立つニュースフローだけ見ると政治リスクで経済に悪影響があると思ってしまうが、そこまで米国というのはやわな国ではない。
しかし、フランスはそのような厚いバッファーはなく、マクロン大統領が就任して以降長い間くすぶり続けていたのがついに表面化し、格付け対比で明らかに下のイタリア国債利回りより金利は高い状態と本気で心配する向きが増えている。

【フランス10年国債利回りのチャート】
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なので、フランスの状況を見れば現在経済に本当に悪影響があるという見方をすると米国よりフランスの方がよっぽど高いという評価を個人的には考えている。

これまで欧州資産は米国政治リスクが高いとして米国資産離れの受け皿みたいな考え方で買われていた背景があったわけであるが、普通に政治リスクはフランスの方が高いとなれば、欧州に対する過大評価というのは剥げてしかるべしだろうと思っている。
以上を考えれば、足下で欧州株が足踏みになっている一方で、米国株がじりじり高くなっていることはこうした評価が浸透しつつあることであるが、あれだけ米国離れが騒がれていた一方で米国戻りは報じられなく、ここを見逃してしまっている投資家はなんだかんだで多い様に思う。
     
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