村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

新興国

2026年の相場予想(新興国株)

株価上昇が期待できる国とそうでない国の差は大きそう。

先進国株に続いて、新興国株についても2026年の個人的予想を書いていこうと思う。

・韓国株・台湾株
2026年の大注目新興国株はこの2ヵ国となりそうな雰囲気が継続している。
理由はAIブームであり、韓国株ではSK Hynixとサムスン、台湾株ならTSMCの巨頭が株価を牽引する形になることが見込まれる。
先進国株の予想でも記載した通り、基本的に2026年中は少なくともAIブームが終わるという可能性は非常に低いと見込んでおり、SK Hynixの受注が2027年分まで満杯で打ち切りになっていることを考えると、早々にもう相場は終わりと考えるのは早いということを前提としている。

・インド株
2025年は奮わなかったインド株だったが、2026年こそ期待したいと思っている。
一応金利は個人消費や設備投資をサポートするには既に十分なほど低い状態にあり、あとはネックになっているのは対米との通商交渉だけというところである。
対米通商交渉が合意できれば株価は上昇することがかなり見通しやすいが、問題は一体いつ合意するんですかね?という根本的な問いがあり、この辺を我慢できるかどうかという問題がある。
我慢できないという話であれば、インド株は持たないor持ったとしても少な目にしておく方がベターなように思う。

・中国・香港株
2024~2025年は財政支出コミットがあったことによりなんとか他国の株に負けないパフォーマンスを出してきたものの、Vankeのデフォルトによって不動産不況がなにも底打ちしていないことがあらためて発覚し、財政支出によって埋めなければいけない経済の穴が大きいことが発覚した。
なので市場は再び中国政府に対して財政拡張を要求する催促相場的な形になるだろう。
それに真摯に中国政府が応えない可能性はあまりにも不動産不況の穴が大きいことを考えると十分あり得るシナリオだろうと思う。

・東南アジア株
正直全般的に期待できない国しかない。
全般的に規模間が小さい国が多く、産業発展がここ10年ぐらい何も見られない状況でどの国も中所得国の罠にかかっているというのが現状である。
一番経済規模が大きいインドネシア株は政治のごたごた感や最近何も産業発展が見られていないことから投資家もやや呆れ気味で、絶対値パフォーマンスはプラスになるかもしれないが、先進国株に劣るパフォーマンスにしかならないだろうと思う。
 
・南米株
メキシコ株は色々米国との貿易ごたごたはあったが、結局あまりステータスが変わっていないことに加えて、まだ金利低下余地があることを考えると、比較的メキシコ株はまだ十分上値余地があるように思う。
ブラジル株は相変わらず資源頼みだが、何分中国経済が死んでることを考えると期待していいのかどうか相当疑問だと思う。
とはいえ、資源全般はみんな過剰供給にならないよう調整しているということもあり、ブラジル株は並みぐらいのパフォーマンスかなあと思っている。
    
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インド-米国の関税交渉進展期待でインド株に底打ち期待

India indicates can buy more energy from US as trade talks resume

中国との対決長期化でインドとバトっている場合じゃない。

上記ニュースはここにきて交渉決裂して以降、進展がなかったインドと米国間の通商交渉が進展しそうというニュースが入ってきたので、今なぜ進展しそうなのかという話をまとめていきたいと思う。

元々インドと通商交渉について決裂していたのは、インドの外交姿勢が基本的に自国にとっていいとこ取りというのを根底に据えているがために、ロシアからの武器輸入や原油輸入について一切の妥協をしない形で米国と交渉に臨んだら、トランプブチギレからの交渉決裂ということで、多くの国が米国関税で妥結できていた中でインドは妥結できずに厳しい状況に置かれてしまった。
しかし、ここにきて風向きが変化しつつある。
今回中国がレアアース輸出規制強化というカードを先に切って喧嘩を売ってきたことで、米国側は対中関税強化をする可能性を示唆するなど早期の妥結見込みの可能性は完全フェードアウトした。
中国との貿易戦争がまだまだ続くという中で、さらに米国政府閉鎖なども加わり、米国側は勝負する手を絞り込む必要性に迫られつつあるわけである。

そう考えた時に通商交渉で大きな相手国のうち、未だ妥結できていない中で対決軸でそこまで強くないのはやはりインドであり、インドとは仲違いをしている場合ではないよねということで通商交渉を再度やろうという動きになっているのではないかと思う。
インドは少なくとも中国のようにわざわざ米国の神経を逆なでるような新しい喧嘩を売っているわけではなく、これまでの自国のやり方をなんとか一定程度許容してもらえないかというお願いモードなわけで、あらためてもう一度何が妥協できて何が妥協できないかを整理して通商交渉妥結させましょうよという流れになりつつあると思う。

実際、この動きをやや裏付けるようにこれまでずっと続いていたインドルピー安に対してインド中銀が介入を始めている。
米国との通商交渉が進まない中で介入しても効果が薄い一方で、米国との通商交渉の進展可能性がある中では介入がそれなりな効果が出ることが期待できるわけなので、少なくとも米国と何も交渉が進展しないと考えるのは不自然だと思う。

【USDINRのチャート】
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実際株も中国のやらかし方を見て、そろそろ中国・香港株もリスクに対してリワードが見合わない水準ぐらいまで来ているでしょということで、徐々に中国・香港株売りのインド株買いの流れが生まれているようなチャートの動きも見え始めている。

【インドSENSEXの株価チャート】
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今年初めぐらいはインド株ブームというぐらい色んなXアカウントやYoutube動画でインド株について煽るものが多かったが、ここもとはすっかり誰も言及しないぐらいに過疎っていることを考えればそろそろ再上昇するきっかけも揃ってきたよねと思う次第である。
 
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大多数の新興国に対する個人的な投資観

ハイブリッド化する新興国政治 民主主義と権威主義併存

外国人投資家から見たらなめとんのかという話ですので。

これまでの新興国の成長ストーリーというのは、基本的に先進国企業の資本進出とそれに伴う雇用増加のおかげで、まったくの素寒貧であったところから離陸していったわけである。

しかし、進出企業は常に利益最大化を求めていくので、発展性がなければ現地労働力への分配はさほど高まらないわけで、見た目のGDP成長率よりもその国の消費力は期待するほど伸びない。
さらに一定程度その国の賃金が上昇してくると、徐々に先進国との賃金格差が縮小していき、先進国企業もこれ以上積極的に進出したところでそろばんはじくと大したリターンにならないということに気づき、投資が伸びなくなってくる。
そうなると自力で何か発展性ある産業を築く力がない国はそこでフリーズしてしまい、段々とネタが尽きていく。

これまで徐々に豊かになっていたのが、段々とその期待がフェードアウトしていく中で、国民に不満が溜まっていくわけであるが、新興国では国民文化が成熟していないために、なぜか政治では徐々に強権政治への傾斜が強まっていく。
これは現状の打破を願って強権政治に望みを託したり、あるいは文化が成熟しない中で賄賂などの政治腐敗が強まる中で不満が高まったことによるあてつけてきなものもあるだろう。
腐敗した民主主義より強権政治の方がまだマシだと考えるわけである。

しかし、この強権政治は結果として新興国では単なる権力の独占であり、その後結局単なる民間企業の利益収奪や思い付き政治案件プロジェクトのごり押し実行で国富を垂れ流し、結果として外国人投資家に見切りをつけられてしまうのである。

最近そういった新興国は明らかに増加しており、これが新興国株全体のパフォーマンスが悪いことに影響している。
特に、ひと昔前注目されていた新興国でその傾向は顕著で例えばインドネシアとかはその代表例みたいになっており、株価の動きは非常に芳しくない。

【インドネシア株ETF(ドル建て)】
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インドネシアはかつては東南アジアの中で高成長国として注目されていたが、結局一昔前からほとんど経済構造や産業構造は変わっておらず、相変わらず石炭・パーム油・鉱物資源の輸出に依存している。
製造業投資も完全に一巡してしまい、新しく生産能力に寄与するような面白い新型案件的なものはない中で、国民の不満が高まっている。
そうした中で、ジョコ政権からプラボウォ政権に選挙で切り替わったわけであるが、プラボウォ政権の政治は外国人投資家からの評価は低い。

まず首都機能移転がスケジュール通り上手くいっておらず、いつになったら完成すんねんという話になっていたり、急にソブリンウェルスファンドを立ち上げて国営企業株を全部そこに移管するという話をぶちあげるが、それってお前の既得権益にならないか?という懸念も生じており、強権政治的傾向が強まる中で、徐々に外国人投資家が呆れて離れ始めている。

特に足下は敵なのか味方なのかようわからんし、既に所得水準がほんとうに昔よりも高くなってしまった新興国で追加的発展性がないよねというところは、自分達でどうこうしようという気概は低いことからすべからく投資価値がフェードアウトしており、しかもこれが一部新興国ではなく、新興国と括られている企業の相当程度の割合を占めてしまっていることから、個人的には新興国はきちんと国を選んで投資しないとひどいパフォーマンスになりかねないと思うし、めんどくさかったら避けるべきだろうと思っている。
 
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前例ない中銀の国債買い入れで底入れするインド株

Liquidity Boost: RBI Announces Fresh OMO Purchase To Infuse Rs 80,000 Crore

市場にお金を馬鹿入れしてる。

まだまだ世界の株価がぐだぐだという中で、比較的元気があるのがインド株であり、下記の通り代表株価指数ベースで見ると年初来ぐらいにまで戻っており、今回はこれについてまとめていきたい。

【SENSEX指数のチャート】
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特に直近の戻りが大きいがこれは何が起こっているのかと言うと、やや専門的な話になる。
以前のブログ記事でインドについては景気の盛り上がりで個人債務が増加していたこともあり、当局がノンバンクに対して規制強化をするなどして景気抑制策をかけていたわけであるが、そのせいで金融市場で資金不足となっていたがために、株売りが先行して始まっていた。
しかし、国内景気が減速する中で、インフレ率も落ち着いてきたし、対ドルでインドルピーが上昇に転じたことから、インド中銀はここにきて景気サポート姿勢に転じたのである。

今年1月からインド中銀はセカンダリーでの国債買い入れをしているのだが、1月は2000億ルピー、2月は6000億ルピーであったが、これでもまだインドの金融市場が安定化しない上に、インターバンク流動性もアウトフローが続いていた。
そのため2月に利下げを決め込んだ後には、3月に国債買い入れ金額を1.5兆ルピーに引き上げた上に、4月も8000億ルピーに4000億ルピー上乗せの1.2兆ルピーの国債買い入れというバズーカを打ってきている。
インド中銀は2022年以降から2024年までは一切国債買い入れをしてこなかったことを考えれば、金融政策の大転換と言える動きではないだろうか?
いわゆる、これはほぼQE的な効果があるわけで、さらに利下げも加えてきているので、これまで景気に対して比較的中立姿勢を保ってきたインド中銀は、これ以上の景気減速はまかりならんとして一気呵成に市場への流動性供給に動いているのである。
政府と中銀がこれまで借金することを抑制していたのが、借金することを全力応援するようになっているわけで、これがリスク資産の押し上げにつながるわけで、この借金とリスク資産の考え方については下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
なぜ借金のサイクルが経済・株価にとって重要なのかを解き明かす

インドの経済自体はデフレでもないし、一人当たりGDPが3000ドル台の国である中で、さらに中国からの製造業サプライチェーン移転によるインフラ投資期待もあるわけで、資金が入ってくるだけ経済は盛り上がる構図であるので、ここまで中銀が動けばはっきりとリスク資産に対してはプラスの効果が出るわけである。

これによって、これまでアウトフローであった市場流動性もネットプラス転換して一気に金利が低下していき、株式市場に資金が入る余裕が生まれていった。
これが足下で徐々にインド株が上昇している背景であり、世界の株の中でも金融相場を先どっている動きだと言えるだろう。

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インドネシアの軍国化で株式投資にはネガティブ

インドネシア、現役軍人重用へ法改正 権限肥大に懸念

行き詰った新興国にありがちなやつ。

上記記事はインドネシアにおいて新しく発足しているプラボウォ政権が政権内の閣僚において現役軍人を増やせるよう法改正しているというニュースで、こういうのを見る限りインドネシア株には投資したくないねえと思ったのでまとめていきたい。

この政権内で軍人採用を厚くしようとする動きは段々と
なぜなら経済が順調に進んでいるのであれば、経済政策の上手さを背景に成果を誇示すればいいだけで、そういう時に軍がわざわざ政権に対していちゃもんをつけるようなことをすれば民衆が怒り狂って反発を招くだけなので、基本軍は動かないし全てが丸く収まるのである。

しかし、経済成長が微妙になっていくと、国民文化が未成熟な新興国だと徐々に民衆からのデモなどの突き上げがある中で、政権はそれをどう制御するかについて考え始め、最終的に軍に頼ることになる。
日本や先進国だと普通はあり得ないのだが、新興国では政治家と軍が必ずしも軍が政治家に対して従の関係ではなく、お互いに利権争い的な関係であることがある。
そうなると、軍は政権が頼りにしてきた時は、それなら俺らにもきっちり利権を分けてくれよなという話になるわけで、こうした民衆が置いてけぼりで政治家と軍が利権をむさぼる体制を強化してしまうのである。

この軍国化があまりにも行き過ぎると、少しでも民衆が政治に対して不満を示すと、すぐに暴力を駆使してその動きを抑止しようとするのが当たり前になっていく。
そして、それが当たり前になっていくと、政権が変わる中でそれを悪用する政治家が出現し、最終的に私的財産保護というのを無視して暴力を当たり前のように使って、私腹をこやすだけのとんでも政治体制になるわけである。
これがインドネシアの歴史でいうと昔のスハルト政権であり、最近ではベネズエラのチャベス政権がこれに該当する。

こういうのは非常に外国人投資家はいやがるわけで、既にこの気配を感じ取っていた外国人投資家が投資資金を抜いていたことから、インドネシア株・インドネシアルピアはいずれも下落となっているわけである。

【ジャカルタ総合指数のチャート】
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【インドネシアルピアのチャート】
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個人的にも経済に真摯に向き合ってない証拠だよなあと思うわけだし、勝手に私腹を肥やすために自分の投資した財産を使われるのなんてまっぴらごめんである。
このように私的財産権について投資における重要性は非常に高く、まだここらへんの勘所がない人は下記参考書籍を読んでもらいたい。

【参考書籍】
「豊かさ」の誕生 成長と発展の文明史 (全2巻)

ということで、なんとなくインドネシア経済が段々と投資するネタが少なくなりつつある微妙な国家になっている中で、投資したくないねえという話である。

 
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