村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

中国

行きあたりばったりな中国の株価対策と国家隊の株式売却で起こること

中国の国家隊、675億ドル規模の売却-当局の株式戦略に変化

中国以外の市場に最終的にばらまかれることを期待。

上記ニュースは2024年9月以降にずっと株式市場テコ入れのために中国株市場では国家隊と呼ばれる国営企業群が株式購入を進めていた。
これは不動産バブル崩壊以降株式市場がメルトダウンし、このままだと広範な影響が出かねないということで動いていたもので、一定程度功を奏して中国株式市場はそれなりに回復していった。

【上海総合指数のチャート】
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しかし、2024年の上海総合指数はPER13倍であったのが、足下すでに18倍を超える水準となっており、グローバルに見ても株の割安感はPER上は消えた。
そして最近の中国のこういった金融政策的な動きというのは、不動産バブルが崩壊して以降取れる選択肢というのが限られている中で、基本的に行きあたりばったり感が強い。
株式市場がメルトダウンしている時は国家隊は買ってくれていたが、一たびPERが高くなると上記ニュースの通り、逆に国家隊は売りをぶつけてくる結果となった。

これは、単純に株式市場が割高になりつつあるというのに加えて、中国の財政収支が不景気対策で厳しくなっている中で債券購入や財政補填に使うことが考えられるので、長い目線のコミットではなくその場その場で自分達にとって都合の良い動きをしがちとなっている。
国家隊が売りに回っているなら、民営企業の元気が全くない中国株なんて触るに値しないので、ここから中国・香港株は相当上値が重たいと思った方がよいと思う。

ただ、このニュースについては中国株・香港株が上がりづらくなりそうという以外の副次的効果がある。
それは最終的に売却して得た資金はどこかにばらまかれる可能性が高いということである。
少なくとも現金待機のまま放置されるなんてことはないはずなので、中国・香港株以外にこの売却資金はスピルオーバーしていくことを期待したい。

この株式売却資金流出先の一つとしては貴金属があったように思う。
1月になってからゴールド・シルバー・プラチナの価格高騰がかなり早かったが、これは一部はこの中国株売却資金が回っている可能性は十分にあるだろう。
ここもと上昇圧力が強かった中国超長期国債の買いに回る可能性もあり、中国の低金利が続くのであればこれが世界全体のリスク資産価格の底上げにもつながるだろうと思っている。

いずれにせよ、中国株式市場から金が抜かれて別のところに循環すると、個人的には中国株・香港株を投資対象から除外している自分としてはうれしいところである。
    
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中国の対日本包囲網協力要請に対して、なぜ韓国は塩対応だったのか?

韓国大統領、日本との関係は中国と同じくらい重要-外交バランス腐心

金出さないくせに口だけだすようなやつは相手にされない。

上記報道は韓国大統領が上海に訪中している中で、中国側から最近の日本との対立について韓国側にも中国側につくように迫った中で、韓国側は日本との関係も中国と同じぐらい重要なので、この件はちょっと我々にはどうにもこうにもみたいな返答を韓国大統領がしているといった報道になっている。
これは実質的には「中国さんの事情もわかるけど、うちにとっては日本との関係も重要ですし、我々ができることってあんまりないじゃないですか~」という、実質的にはノー回答となり、中国にとっては全くもって期待外れな回答になり、徐々にではあるが中国の外交力が落ちていることが鮮明になった事案として印象的だなと思ったのでまとめていきたい。

これまで中国側は自国経済の勢いに任せる形で外交を行ってきたわけであるが、周りから見ればかなりドン引きするような姿勢でも中国経済は勢いが強いし、色々お金もくれるしということでお目こぼしされていた経緯がある。
しかし、今回のように韓国が中国に塩対応なのは、やはり中国経済が明らかに不況で厳しい上に、米国との関係性を考えると中国の味方を全面的にするようなことは韓国経済にとってプラスにならないという判断が大きいだろう。
特に足下で韓国はAIブームを背景に米国へのメモリ半導体の輸出で大いに潤っている中で、その関係性が断ち切れてしまうようなリスクは絶対に冒せないわけで、中国側に少しでも肩入れするような発言は不必要ないざこざを招きかねず、相当慎重に発言を選んだように思われる。

これがひと昔前の登り龍経済の中国であれば、まだ話は別だったかもしれないが、今中国は地方政府を中心に刈り取れるところから刈り取らなければいけないほど財政が厳しいわけで、バラマキがない中でこれまでと変わらない大中華主義的な外交姿勢を続けていることは、諸外国から見れば金を出さないのに口だけだすめんどくさい相手としか思われなくなっている。
このように中国の不動産バブル崩壊からの不況によって諸外国にバラマキができなくなったにも関わらず、これまでと同様な上から目線・経済威圧外交姿勢を出したら、そりゃ言われた方は「金もださないくせになんだあいつ」となるわけである。

もちろん中国という国自体は不況でも引き続き経済規模は大きいため、わざわざ喧嘩を売るようなことをいうわけはなく、まあまあと宥めて終わらすというのが多くの国にとって最善の対応であることがあきらかになっている。
なので、一応表面上はあしらわないものの、心のうちでは段々うざい国だなあと思うようになっている。
しかも中国側は中国側で口では威勢がいいことを言うが、自国経済が非常に厳しい中で輸出主導経済の構築をしていたのに、輸出先国と喧嘩して致命的な自爆するみたいなことは自分達にとって大きなマイナスであることがわかっており、結局細かい嫌がらせっぽい経済威圧外交はできても、致命的なものには踏み切れないことが主要各国には既に見切られてしまっている。

このように全体として中国は外交的にも資金バラマキができなくなってきたのに、習近平がそれについてきちんと認識できていないために外交部に今までと同様な外交姿勢を貫かせているということもあり、中国共産党首脳部は大変だなあと思うと同時に、中国の外交力の限界が見えているので、中国側がどうのこうのというアクションでリスクオフになるということはあまりないだろうと思う。
さらにいえば、こうした中で台湾侵攻なんてものをやらかせば味方になるような国は一切いなくなることも明らかなので、台湾侵攻の可能性というのも現時点では投資的にはあり得ないというスタンスを続けることで問題ないだろうと思う。

結局投資的には明らかに下記過去記事の通り反米独裁国家の没落が始まっている中で、それに気づいていないのは当該国だけだったりというのが現状だろうと思う。

【過去参考記事】
なぜ中国・ロシアなどの反米独裁国家の没落が始まったのか?

    
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中国のレアアース禁輸措置カードはすぐに形骸化しそう

中国の輸出規制強化 「日本の再軍事化阻止するため」中国商務省が正当化

経済威圧カードを気軽に切ってるけど、中長期的なことが何も考えられていないような。

年明けから中国が日本へのレアアース輸出について規制するのではないか的な話がわーっと報道で出てきて色々相場が動く中で、上記報道にあるように記者会見で商務省から民生品輸出には影響がないと、事態は二転三転する形で動いているので、これについてまとめていきたい。

記者会見で民生品には影響がないと発言したのは、おそらく国内企業から「こんなことされたら倒産しちゃうけどまじで言ってんの?」と方々からクレームが来ており、本当は全面禁輸とかにしてどうにか日本への圧力を強力に行おうとしており、先進各国から様々な圧力を受けている中で経済威圧カードをこれでもかと連発して切っているのが最近の中国の外交姿勢である。

しかし、当ブログ読者はご存じの通り中国景気は現時点でほぼ日本のバブル崩壊をトレースするように悪化しているわけで、このような経済威圧カードは相手にダメージを与える以上に国内企業にもそれ以上のダメージを与えるものであることは少し考えれば分かる話である。
現在中国経済はこのような経済威圧ができるほど国内経済に本来は余裕はないはずであり、この発表自体は中国国内でレアアース採掘ビジネスをやっている企業にとっては寝耳に水であり、ただでさえ不況で厳しいのに勘弁してくれよというのが本音だろう。
さらにいえばレアアース採掘系企業はメインは地方政府系企業のはずであり、財政が厳しい地方政府の収入減にも直結するので、全面禁輸みたいな強硬措置はまず選択肢としてできないはずである。
しかもどうやら、レアアースを含んだ製品も禁輸になるのではないかみたいな話も出てきて、その悪影響度合いは広範囲に広がる様相を見せており、日本以上に中国の産業界へのダメージの方が大きくなっている。

そしてこのような措置を連発することは、中国自体が信頼できない貿易相手であることをあらためて主要貿易相手国に示すものであり、短期的に日本にダメージを与えられたとしても中長期的には中国経済自体に与えるダメージの方が大きいはずで、いかにも実質小卒の習近平の指導+縦割りで横の情報共有が全くできていない中国共産党の最悪な部分が組み合わさった形で、見切り発車でレアアース輸出規制みたいなのが出てきたと思ったら商務省が民生品は影響を受けないと火消しに回ったりと、結局中国政府はどういう政治目的を達成したいのかあやふやなまま、ただ短絡的に対日圧力を強めるといった短絡的な方法に走ってしまっている。

しかもこのレアアース輸出規制カードは米国にも同じようなことをして先進諸外国から信用できない相手だと思われて中長期的に中国経済に悪影響を与える事態になっているのに、それに懲りずにレアアース禁輸カードを切ろうとしているのは、中国側が自国経済を維持しながら切れるカードが少なくなってきている証拠ではないかと思っており、こういったことを考慮すると台湾侵攻みたいなより大きいリスクを取るような戦略はとてもとれないでしょと思う次第である。

ということで、一時的に日本株に悪影響を与えるかもしれないが、結局この禁輸措置的なものは実効性ある形では施行されないor形骸化すると思われるので、すぐに悪影響はなくなるだろうと思う。

実際香港株を見ているとレアアースの報道が出てからこちらの方が下落がややきつめであり、中国側の自爆になりかねないけど大丈夫?と投資家は思っている傾向が強そうである。

【香港ハンセン指数のチャート】
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単なる補助金ビジネスの中国ロボティクス産業に当局からブレーキが

中国ロボット関連株に過熱警報、政府がバブル懸念-投資家に慎重論

中国当局も認めるクズセクター。

時々中国通的な人が中国のロボットセクターというのが次世代産業として動画と一緒にネット上で発言を投稿するケースがここ2~3年多い状態となっている。
しかし、実態は単なる補助金をせしめるビジネス的な側面が強く、さらに当局もどうやらそれに気づいてきた側面があるので、これについてまとめていきたい。

そもそも、二足歩行で人間を模したロボットである必要性があるのだろうか?
まず二足歩行となるとバランスを取って姿勢を取るだけで多大なエネルギーが損耗するわけであるが、その度に電池を入れ替えたり充電したりするのにどれだけコストがかかるのだろうか?
転倒して壊れた時に修理費用はどれぐらいかかるのだろうか?
これらを諸々考えると、二足歩行である必要性は何か産業の自動化みたいなところを考えるとほとんど必要性がないわけである。
さらに腕も別に人間の関節を模写する必要性がなく、多関節でもいいし何本でもつけてしまえばいいわけである。

しかし、中国のロボットを見るとどれもこれも人間を模したロボットを短時間動かすというこれのどこにニーズがあるのか不明という状況の中で、単に中国当局にご立派な姿を見せて補助金をせしめるみたいなビジネスに成り下がっているわけであり、それがためにそんなに社数必要ないだろってレベルの会社が存在する事態になった。

しかし当ブログでは既に何回も記事にしているが、現在の中国政府の財政はまだ中央政府は余裕があっても、地方政府については極めて財政状況が厳しく、いつまでも黒字化目途が立たないような夢物語にだらだらと金を使うなという雰囲気が強まっているわけである。
ただ、この辺の補助金というのは一般的には中央政府ではなく地方政府が決めており、地方政府高級官僚は次世代産業育成頑張っていますみたいなところを中央政府に見せて出世したいという意欲もあるわけなので、無節操に補助金を出してモラルハザードを助長している。

そうした中でさすがにこの中国ロボットスタートアップブームの背景が当局にバレ始めたのか中央政府から案件精査しろというお達しが出ているわけで、この補助金ビジネスの先行きに暗雲が生じているわけで、これが足下の関連株の原因になっているわけである。

【中国Humanoid Robotics ETFのチャート】
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当局から警戒シグナルを出されたことと、未だこの分野はEVと違って全く売上が立つ目途がないことを考えると、まともな産業になる前に補助金が絶ち切れる事態に陥りそうなことは明白であり、この分野の株価下落はこの程度の下げでは済まないと思っており、基本的には下記過去記事に沿った非常に厳しい値動きになるだろうと思っている。

【過去参考記事】
ブームからバブル崩壊したセクター・個別銘柄が最低でもピークから75%株価が下落する理由

まあ特段日本の個人投資家でこの辺を触りにいっているような投資家は少ない、あるいはほとんどいなさそうなので被害は少ないと思うが、自分がもし間違ってポジションを持っているならば即投げだろうと思う。
    
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中国不動産大手万科(Vanke)の債券償還延長要請から考える中国地方政府の窮状

中国不動産の万科、社債の元本返済延期を検討 社債利回りが急上昇

深セン政府でさえ無理となれば、他の地方政府はさらにひどいだろう。

上記記事はこれまで当ブログが追ってきた中国不動産大手万科(英語名:Vanke)がついに社債の元本返済延期・つまりデフォルトするという選択肢が視野に入ってきているという記事であるが、いよいよここまで来てしまったかという状態である。

このVankeという企業は2020年より以前であれば中国不動産大手の中でも財務は最上級クラスに良く、S&PやMoody'sからBBB格の格付けを付与されるなど、明らかにこの辺は雑な借り入れをして爆死した恒大集団などとは状況が違っていた。
しかし、そんな元健全企業でさえ資金繰りが苦しくなるほど、現在の中国不動産バブル崩壊は深刻なわけである。

ずっと資金繰りが苦しいことは2021年に中国不動産バブルが崩壊して以降続いていることは、この辺のセクターをきちんと見ている人からすれば常識であったわけであるが、元々この会社は深セン政府傘下の企業であることを担保にして金を借りまくってきたわけである。
金を貸している側も深セン政府傘下企業だからという認知で金を貸していて、典型的なモラルハザード状態であったわけであるが、これがちゃんと資金繰りが回っている間は何も問題がなかったわけである。
しかし、資金繰りが回らなくなって以降は、Vankeは巨額債務を自力で返すことができなくなったので、深セン政府に泣きついて資金繰りをつないでもらっていたことは当ブログではずっと記事にしてきた。

しかし、Vankeの資金繰りサポートを開始して既に2年経っているわけであるが、一向に状況は改善せず、Vankeからはおかわり資金繰りサポートを要請されている始末であった。
しかし、当の深セン政府も財政収入自体が土地売却への依存度が高い中で、財政収入の減少+Vankeの巨額債務を一体いつまで支えればよいか見通しが全くつかない状態で、当の深セン政府も資金繰りが厳しくなりつつあった。
そうなると、真っ先に切られるのは別に債務保証も何もしていないVankeの資金繰りサポートを取りやめることにあるわけで、Vankeの今回の債券償還延長は深セン政府が実質的にバンザイしたも同然ということであり、地方政府の財政繰りがいかに厳しいかを示すものとなる。

広州という産業集積地を抱える深セン政府の財政繰りが苦しいことを考えれば、北京・上海を除いてほぼ全ての地方政府は財政繰りが厳しいわけで、中央政府からの資金融通サポートがなければ今後何もかも切り詰めるしか地方政府ができることはなくなるわけであり、これまで中国の経済成長を支えていたインフラ投資も急速に尻すぼみになりかねなく、中国景気は底打ちするどころかより厳しくなる可能性の方がずっと高いだろうと思われる。

最後にVankeの株価チャートを見てもらえれば、望みは一切ないことは容易にわかるだろうと思う。

【Vankeの株価チャート】
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もちろん中央政府が背に腹は代えられず財政支出してくれれば支え切れる可能性はあるが、それには相当政治的ハードルが高いので、とても今の中央政府にそれを決断しきる胆力はないだろうと思うので、だらだらと悪い状況は続くだろうと思われる。

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