村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

中国

投資家から経済対策催促され始めてきた香港株式市場

中国5月経済指標、消費3年超ぶり減・生産加速 不均衡の拡大示す

そろそろ外国人投資家ブチギレ寸前では?

ここもと明確に中国の経済統計は悪い。
上記ニュースの通り、消費系が明らかにメタメタで、これまではまだ消費系が維持されていたし、一応中国政府も消費喚起策っぽい何かは出していたので、それでどうにかなるかと一部は期待していたようである。
そして一応GDP統計は堅調だからみたいなことを理由に今まで多くのエコノミストは擁護していたわけであるが、それが全く誤魔化せないレベルで消費系統計が悪かった。

一応GDPって生産面からのアプローチだから、生産だけを考慮すれば4%台成長あるかもみたいな話カモしれないが、じゃあ実際に消費面からアプローチしたらいくらなんでも実質GDP成長率統計をそのまま信じるのは無理あるんじゃないですかねえと言う話で、個人的に見積もっている実際の経済成長率については下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
中国の本当の実質GDP成長率はどれぐらいを見積もるのが妥当なのか?

このような状態であるが、中国政府とPBOCは沈黙を継続している。
投資家はこのような状態であれば、さっさと財政支出を拡張し、金融緩和を強化することが当然と考えるわけで、実際に2024年に中国本土株もやばい雰囲気が出ていた時は矢継ぎ早に対応策を出したので、株価が一定程度回復してくれた。
しかし、今回は明らかに景気が消費面から悪いにもかかわらず、財政支出も金融緩和も強化してくれるといった話が出てきていない。

これを見逃してくれるほど投資家は甘くはないだろう。
中国本土株の方は国家隊で一定程度下支えは可能だろうが、外国人がメインの香港株式市場は既にだらだらと下げ始めている。

【香港ハンセン指数のチャート】
タイトルなし

真面目に経済対策を出さないのであれば、AIで米・日・韓・台湾株が盛り上がっている中で、香港株に投資する意味なんてないよなあ!?というのが投資家の実直な感想であり、実質的には中国政府とPBOCにはよ景気対策出せやという脅迫的な売りが発生しているというのが現状だろう。
一部では中国だってAI市場が発展しているじゃないですかみたいな意見があるかもしれないが、AI関連銘柄が多いであろう香港ハンセンテック指数は香港ハンセン指数より下げ幅がひどいので、AI市場の発展見込みがないか、あるいは発展した利益は全て中国共産党に没収されると思われているかのどちらか・あるいは両方であり、いずれにせよ一番基礎にある経済が駄目そうかつ対応策も出ないのであれば、出るまで売り込んでやろうという流れだろう。
    
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中国当局の海外証券取引サービス取締りは棚ぼた

China trading curbs may hit HK$250 billion of Hong Kong assets

強制手仕舞いさせられてかわいそう。

上記ニュースは中国本土で海外証券取引サービスを提供していたブローカー各社(Futu、Tiger Brokers、Longbridgeなど)に対して、無許可で中国本土顧客に海外証券取引サービスを提供していたとして取り締まりを発表し、対象顧客は2年間の移行期間中に売却をしなければいけないと強制手仕舞いを迫られることを中国政府が命じたことの報道であり、これについて今回まとめていきたい。

これについては、もうXアカウントを見ていればつぶやいている人が多いが、中国からの投資資金流出を懸念して取り締まりたいという中国当局の意向を如実に示している。
足下下記過去記事のように中国は構造的な不況にある。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察

そうした中で、中国国内の投資は全く投資妙味がないということもあり、超過利益を求めて海外に資産流出する意向が強まっているのが現状の中国の現状であり、香港ハンセン指数を見ればそれは明らかである。

【香港ハンセン指数のチャート】
タイトルなし


さらにここに中国特有の問題があるのだが、政治リスクなどから一度流出すると戻らない傾向が強いのが中国の難点で、足下で個人含めて海外資産にいかに投資するかということに躍起になっている中で、当局はどうにかして資本流出を止めたいということに躍起になっている。

これに目を付けた中国の証券ブローカーは海外株へアクセスできる手法を本土の人に提供していたわけであるが、これが違法だとして取引がBANされる見込みである。
2年間の移行期間中に海外証券の売却が必須となり、CITICの予想では300億ドル分ぐらい海外株が売られると見込まれている。

ではこの規制されて売却された資金はどうなるかといえば、結局ぐるっと回って外国資産に投資される。
売却された資産は結局どこかに預けておく必要性があるわけであるが、中国国内や香港の銀行に預け入れるしかない。
しかし、この預金を銀行が有効活用できるかというと、そもそも貸出先需要が死んでるから中国国内リスク資産価格が上昇しないわけであり、結局余資にしかならず、これは結局すぐに外国の資産(債券が中心だろう)に投資されるしかない。

つまり、今回の規制強化で売却に迫られる投資家は本当は儲かるのに強制的に手仕舞いさせられるという機会損失を被るわけで、その売りはすぐに足下の相場で吸収されることが見込まれ、我々はこの変に売られた分はよろこんで買わせてもらいましょうということで良いと思う。
    
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名実ともに金融政策最後尾は中国になった

長期金利、初の日中逆転 中国がデフレで歴史的低位

PBOCが金融引き締め意向を示すまで余裕で相場を見ていられる。

上記日経新聞記事は日中で10年国債利回りが逆転しましたよというニュースであり、個人的にはいつかは来そうと思っていたが、想像より早い段階でこの状態にたどり着いたなあと思ったので、これについて市場への影響をまとめていきたい。

当ブログではもう何回も言っているが、中国の低成長(どう考えても統計発表GDPが大嘘感)が長引きそうということについてはもう大分前から下記の通り言及してきた。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察

これまでは本当にそうかなあみたいな意見がまだ市場では多かったが、もはや言い訳ができなさそうな状況が上記日経新聞記事や下記中国と日本の10年国債利回りの逆転が2026年頃から続いていることから見てとれる。

【中国10年債利回りのチャート】
タイトルなし


【日本10年債利回りのチャート】
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財政の質の問題なんじゃないかみたいな話をする人もいるが、中国は中央政府の財政状況はともかく地方政府があまりにも雑な財政をしていることを考慮するとそこまで状況は変わらないんじゃないかなあと思っており、そう考えるとこれは純粋にインフレ状況と名目経済成長率に直結した数値となっているわけである。

このように中国が金融政策において最後尾にいることが鮮明になっていることを考慮すると、やはり日銀が利上げをしたら市場が崩壊して株価が暴落すると未だに考えることは大きな間違いであることがわかる。
過去記事にも書いた通り、日本が利上げしたら市場が大混乱に陥ったのは日銀が金融政策の最後尾にいたからという理由が非常に大きい。
しかし今は違う。
はるか最後尾に中国PBOCがおり、しかも金融政策が後手に回っている可能性を背景に人民元高にさえなっているという状態にあり、ほぼ完ぺきにデフレ時代の日本をトレースしている状態にある。
それをしっかり裏付けしているのが、10年債利回りが逆転したことで確実となったわけである。

なので、今市場全体が金融政策で崩れるとすれば最後尾にいるPBOCが調子こいて金融引き締めを意図し始めて誰も金融市場を支える資金供給をしなくなった時であるわけだが、それは1年や2年では到底たどり着けなさそうだとは思うし、PBOCは金融緩和を継続しないと真っ先に中国株が死んでしまうので、PBOCにはだらだらと金融緩和を続けて今の生ぬるい相場を継続させてほしいところである。
    
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ロイターから中国経済に関するとんでも怪文書ニュースが投稿される

コラム:「不動産バブル」乗り越えた中国、傷浅く 地政学的混乱も好機に

怪文書すぎる。

色々ニュースチェックをしている中で上記の中国経済に関するロイターの記事を発見して読んでいたのだが、今年読んだ記事の中でダントツナンバーワンで怪文書だったので、いかに報道各社の報道記事をそのまま鵜呑みにすることが危険なのかがを周知する意味で今回取り上げたいと思う。

上記ロイターの中国経済に関する記事は、中国の不動産バブル崩壊は底打ちをしており、既に中国経済は中国共産党が提唱する質より量というお題目に沿って安定した成長軌道に戻っており、地政学リスクが国内サプライチェーンの万全性も相まってプラスに効いているので新しい投資の受け皿になるだろうという文章である。

これは中国経済の実状を知らない人が見たらほうほうと納得してしまうかもしれないが、ちゃんと中国経済に対する知識がある人が見れば、なぜこの怪文書で公開OKになったのか全く不思議でしょうがないという結論である。

まず不動産バブルを乗り越えたというファンタジーから文章が始まることに驚愕を憶えた。
中国の住宅不動産販売現場においては、中国中央政府・地方政府が自然のままに住宅不動産価格を売買が成立させると今よりずっと低い価格での成約にしかならないので、ブローカーなどに圧力かけて値下げ販売しないように指導している。
しかし、その結果として住宅不動産販売数はもう前年比割れが5年連続で続いており、ピークから半分以下の成約数しかなくなっている。
そのため在庫も全く捌けていないので、言ってみれば統計のデータが嘘っぱちという評価になる。

こうしたことを背景に考えると中国の実質GDP成長率について政府発表の5%を信じていることもあり得ない。
地方政府が土地売却収入が非常に低くなっている中で、インフラ投資が新規で増加するわけもなく、どういう数値のいじり方したら経済成長率5%になるのか全く理解できない。
そもそも本当に経済成長率5%あるならば、今の国債金利水準は明らかにおかしく、金利水準を見ると5%どころかタイと同レベルである2%台なんじゃないのかと思うし、名目だとデフレ分考慮すればゼロに近いように思われる。

また、地政学リスクがプラスに効いているという妄想もたいがいにせえよという話である。
地政学リスクと言った時にその代表格は中国であり、サプライチェーンを中国依存はまずいとして中国の商売客である先進国が中国からサプライチェーンの移転を画策しているわけで、地政学リスクがなぜ中国にプラスに効くのかというのが全く論理的ではない。

当ブログでは以前から中国については下記過去記事の通り中国が再成長軌道に戻るには非常に高いハードルがある。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察

このハードルをクリアしない限りは投資家は中国株に対しては新たな金融緩和と財政支出がなければ中国株・香港株になんて投資する気にはなれなく、足下は新しい金融緩和も財政拡張もないので株価はもう去年から伸びなくなっている。

【香港ハンセン指数のチャート】
タイトルなし

このように報道各社は平気で事実誤認・妄想垂れ流しの怪文書を見せに来るわけで、これを信じて投資した日には間違った前提で投資しているわけなので、当然パフォーマンスは出ない。
なので、投資においてはニュース記事を知るだけでなく、その真偽を考えられる能力も必要になることはぜひとも上記ロイターの怪文書を読んで感じてもらいたいところである。
     
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厳しい財政事情から安易な増税策に走る中国政府

中国、広がる「ゲーム増税」の臆測 疑心暗鬼が招いたテック株急落

厳しい景気に増税ラッシュ。

上記記事は中国政府が色々企業に対して増税をかましているという報道になる。
記事の中では、テンセントやアリババなどのテック系への増税だけでなく、国営通信会社に対しても増税を決めており、

なぜ今中国政府が増税しているかというと、景気が落ち込む中で財政赤字が対GDP比4%とじりじり拡大させざるを得なくなっている上に、デフレで景気が厳しいので財政収入が本当に想定通り集まるんかいなという懸念もあり、徴税強化しないと想定していた財政繰りができなさそうという状態に陥っているからである。
こういう状態で独裁国家であることを考慮すると、中国政府の取りそうな行動は取れそうなところから取るという話になるのは容易に想像できるわけで、そうなると今利益がそれなりに出ているセクターはこれまで勢いがあったテック系となるわけで、さらに独裁国家なので特段増税した場合の悪影響などを議論もされないまま実行される見込みとなっている。

実際に中国のテック関連株で構成されているHSTECH指数は明らかに香港ハンセン指数より劣後しており、これは株主から中国政府へ利益移転を強制されることを意味することを投資家はしっかり把握しており、売り込んでいる。

【香港ハンセンテック指数のチャート】
タイトルなし

個人的に足下の中国景気は下記過去記事でも述べたように、根本的な構造改革が必要な状態にある。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察

しかし、実際そのようなことは政治的ハードルがあまりにも高すぎるわけで、結局中国政府の想定していないレベルでの国際情勢における立ち位置悪化と不動産バブル崩壊による景気悪化に対して後手で財政支出をだらだらと続けて国内経済を下支えするしかない一方で、政府の借入増加はあまりやりたくないという安直な発想になるので、取れるところから取るというこれまた安直な政策に走ってしまうのであり、もはや中国テック株に過去のような破竹のような勢いは全くないのである。
しかも不動産バブル崩壊の悪影響は不動産販売が一向に回復していないことを考えれば長期化しそうで、さらなる増税も可能性としてありえなくない状態なわけで、暴落せずとも上値はとんでもない重力で抑えらていると言えるだろう。

ここもとのレアアース輸出規制もそうだが、メディアなどでは中国は選挙がないので中長期目線で政治戦略を策定できると評価されているが、ここもとは厳しい国際情勢での立ち位置と景気の悪さを背景に誰から見ても場当たり的な対応策しか打ち出せておらず、結局民主主義だろうが独裁国家だろうが追い詰められれば取れる手段が稚拙になるのは共通しているということだろう。
      
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