村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

REIT

足下JREITが米国REITと比べて元気がない理由

最近米国REITに比べてややJREITの出遅れ感が目立っている件について。

ここもと米国REITとJREITを比べるとややJREITが出遅れ気味になっているように思われる。

【米国REITETFのチャート】
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【東証REIT指数のチャート】
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米国の場合は現在様々なインフレ率上昇からどさくさまぎれでの家賃上昇というのが起こりつつある。
あとこれまでコロナ禍での経済制限で米国REITの大きな割合を占める商業物件がひどい状態であったが、ここもとの商業REIT最大手のサイモンプロパティーの決算を聞くと、ついに米国消費者の出足がショッピングモールに戻ってきたことがうかがえて、これも米国REITの追い風になっている。
ややオフィス復帰の点でも米国の方が速いように思える。

一方で日本の場合はそんなインフレ率上昇はないので、家賃上昇というのはなかなか期待しづらいところにある。
加えて少し気味が悪いのはオフィス空室率上昇のところである。

【三鬼商事の東京オフィスデータ】
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既存ビルについてはまあ解約が出た分だけじわじわと上昇している程度と言えるのだが、問題は新築の方にあり急速な空室率上昇が発生している。
これは純粋に新築で供給されるオフィスフロアの事前リーシングができなくて、市場に出回ってしまっているということを意味している。
通常新築ビルオフィスフロアなんてものは完工前に事前にリーシングしておくもので、これができていないところが多数ある時点で相当状況は難しいところになっている。
しかもこれはオフィスフロア供給面積で非常に少ない2021年でこの状況である。
2023年から再びオフィスフロア面積の大供給が始まる中で、もし今みたいな雰囲気が続くとさすがにオフィス系REITが今のバリュエーションを保つのは中々難しいところになってくる。
そういった懸念が一定程度JREITに反映されていることになる。
そのような中でNAV1.2倍とかはちとやりすぎじゃないですかねという話だろう。

【参考サイト】

NAV倍率の推移(10年間) - J-REIT.jp




とはいえ米国の不動産がバカスカ高くなれば、米国人投資家が割安な他の先進国マーケットもそれに釣られて高くなるのは想定の範囲になっており、安値で仕込めているポジションは持っているだけで家賃収入の配当が貰えるわけなので、個人的には貴重な円建て資産として引き続きホールドはするものの、今のバリュエーションでは積極的な買い増しという感じは引き続きできないなと思う次第である。

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米国REITは長期金利の上昇懸念に伴い不安定化

<米国REIT指数のチャート>
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米国REITの動きは非常に素直だ。
現状米国REITはEPSはあまり増加しておらず、一定した配当払いが投資家にとってメインの収益源となっている。
なので、米国REITの投資妙味は米国長期金利と比べられる比重が非常に高い。

足元2-3日で急速に下落しているのは様々な経済指標が回復を示しており、これ以上米国長期金利が低下する可能性が低いということが意識され、だったらこれ以上の米国REITの投資妙味が増加することはないだろうという見切り判断で売られているということを意味しているのだと思う。

もちろん一定程度REITは下落してくれば配当利回りの増加に伴い投資妙味が増してくるので、常に投資候補としては検討しておきたいところだが、現状の米国REITの位置は米国長期金利の低下なしでは高すぎるという判断で問題ないと考えている。
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村越誠

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