村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

投資雑感

cis氏の先週の日経平均先物ラージ取引を再度考察

【参考書籍】
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 



あらためてあのトレードは何を意味していたのかを考察。

先週にcis氏が日経平均先物ラージ500枚クラスでショートをかました後、ド転して、さらにそれを損切りしたトレードについて、以前の昔であればあれは何を狙ったトレードなのか理解できなかったが、今ならそういうことなのかもなと思ったので、それについて書いていきたい。

まずcis氏のトレードを時系列で振り返ると、4/1に上記の通りショートを入れた。



そして、その後4/4にド転ロングに転じた。



さらに翌日に相場が下がる中でロングも手仕舞って、総撤収というトレードとなった。
このトレードと日経平均の先行きについて休日の間少し考えていたのだが、こういうことなのかもなと思ったので、それを言語化していきたい。

cis氏は一発で日経平均ラージ500枚いきなり売りをかましてくるほど運用資産が多いことはもはや皆がご存じの通りで、cis氏自体もちまちまやっていたのでは運用資産は増やすことはできないことは承知で多少不利でも思いっきり買いや売りを行っているように見える。
そのためトレンドの終わりどころか真ん中時点でポジションを構築すると、下手すると脱出に遅れる可能性さえ生じるだろう。
そうなるとcis氏が資産を思いっきりぶん回すにはトレンドの初期と捉えるしかない。

いや、さらに拡張して考えればcis氏の初動はわざとトレンドを形成させに行くという意識を持っているのかもしれない。
トレンドが新しく形成されそうなところで、呼び水的にどでかい日経平均先物ラージをぶつけることによってトレンドを自ら形成しようとしているのだと思う。
もちろん、このトレード手法自体は思惑と異なると手痛いダメージを受ける。
そのためエントリー時点でどうなったら損切りするのかというのを丹念に考えて実践していると思われる。
おそらくは、その損切りポイントは素人が考えるようなテクニカル分析(笑)みたいなものではなく、複数の指標となる個別銘柄の株価動向を見て決めているのだと思われる。
そのため、思惑と違う個別銘柄の動きが出た時点でポジションを躊躇なくクローズしたりド転したりする。

前回のトレードはおそらくいくつか値がさ株が高値を取りに行ったことから、まだ市場は売りの機が熟していないと判断したのだと思う。
それならばとド転して買いに回ったのだが、どうやらこれも思惑と異なったようで即刻損切りとなったようだ。

このようにcis氏のトレード手法は個別のちまちまとしたトレードはともかく、日経平均先物ラージを使ったでかい玉取引はどちらかというと自らがトレンドを形成するための取引として認識し、市場を試そうという動きを意識しているように見える。
そのため、よくcis氏は最近逆神ではないかという意見をXで見かけたりするが、実際はそこらへんの弱小個人投資家とは違ってトレンドを形成させに行く取引をして、思惑通りいかなかったらすぐに損切りするという損小利大トレードをしているため、単に損切りしている回数だけ見ると逆神っぽく見えているだけというのが真実だと思う。
そう考えるとcis氏が先週の日経平均先物ラージで売りでも買いでもすぐに撤収したことを考えると、一旦上も下も実際にトレードをぶつけてみたが思惑通りに動かなく、日経平均が上にも下にも行くには機が熟していないと考えるのが妥当だろうと思う。

【日経平均のチャート】
タイトルなし


以上から、日経平均については年初からばーっと上がってきて下値警戒感が非常に強いが、まだショートで取れるほど下がる可能性は低いということになりそうだ。
また、先んじて上昇してきた日経平均がまだ下がる可能性がないということは、ステーブルな米国株についてもやはりまだすぐに下がると考えるのはやや浅はかなのではないかと考える。

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投資・トレードにおいてメンタルが重要というのは一番最後の話

勝てる投資家が「メンタル」を重視する"これだけの理由"

メンタルが重要なことは否定しないけど、最重要ではない。

色んな投資関連書籍を読むと投資・トレードにおいてはメンタルが重要と書かれていることが多いのは確かである。
しかし、どうも最近それが間違った解釈がなされているようケースが多いように思われるし、そういった投資書籍でもメンタルを強調しすぎなように思っているので、少しこれについて思うところを書いていきたいと思う。

個人的に投資においてメンタルを強調することはどうも間違っているように感じている。
投資・トレードは様々な世の中の競技と一緒で、闘うために様々なアドバンテージを用意しないといけない。
資金量・トレーディング環境・闘える時間ターム・経済および金融知識など様々な準備をしなければいけない。
少なくともプロはそういうものを必死に集めて相場で戦っているわけである。
それに対して個人投資家が「メンタル」という根性論だけで勝とうというのはいくらなんでも無理があるのではないか?

Xを見ているとそういう勘違いをしている人を結構見かける。
値ごろ感とテクニカルだけでという薄弱根拠あるいは根拠なしでポジション取って、ポジション取ったらすぐに逆を突かれた挙句、目の前の値動きに惑わされないようにメンタルをしっかり持ってポジションを保有し続けるとか、固執せずに損切りするメンタルを持てとか全く意味不明なことを叫びながら損大利小トレードを続けていって意味不明なタイミングで沈んでいくのを見かけることがある。

もちろん投資・トレードにおいてメンタルが重要でないという言うつもりではない。
しかし、やはり投資というのはメンタルの前に様々な下準備が一番重要で、その下準備が全て終わった状態でポジション売買する時という時にメンタルが重要になってくるのである。
そのバランスは個人的に準備7割・メンタル3割といったところだろうか。
そういう準備なんてやってる時間がないよと言う人こそ、インデックス積み立て投資というのが一番いいよねという話なのである。

なのでトレーディングにおいてメンタルというのは様々な情報を加味した後の最後の話なのである。
何も知識がない状態で目先の動きに左右されずにメンタルが重要とか言って価格動向を無視するのは、B-29に竹やりで挑んでるのとほぼ同じで、状況を理解している人から見ると滑稽でしかない。
特に3月後半の値動きなんてのはデイトレ・スイングトレで個別銘柄をがちゃがちゃやる分にはまあ色々考慮してやる必要性はあるよねと思うが、中長期で取り組むとすると3月後半の相場はJREIT以外は明らかに傍観しているだけに留めるべき相場で、ここで日経平均がどーのとかS&P500がどーのとか取り組むべき地合いではない。
実際に中長期ポジションであーだこーだというべきステージは去年の11月段階で終わっており、その後は持っているポジションを引っ張りながらひたすら押し目来るの待ちというだけの簡単なお仕事なのである。

なので、特に最近のあまり意味のない値動きに対してあーだこーだといって結局何言ってるかわからないような人の意見はあまり聞くに値しないなというのが個人的な感想である。
また、投資を教えますと言っている人で最初に教えていることがメンタル関連と言う人は、お前ぜってーバーチャやんとなるわけで、聞くだけ無駄だし、前提知識がないと百害あって一利なしというのが個人的な見立てである。


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「頭としっぽはくれてやれ」と言っている奴は胴体も取れてない説

「頭と尻尾はくれてやれ」を効果的に実践する方法

結果的にそうなるんだけど、それを前提にして取り組んで成果が出る程相場は甘くない。

当方の投資スタイルというのは事前にあらゆる情報を総合的に勘案して投資を実施するスタイルで、実際にエントリーするまでにファンダメンタルズ・テクニカル・需給などあらゆる面をチェックしてエントリーし、さらに値動きを見ながら自分の推論が合っているかどうかをチェックするという非常に手間暇かかる手法を取っている。
実際に買ったり売ったりというのは料理でいうと実際にレシピを見て料理を実行するのと同じで、そのレシピ作りに丹念に時間をかけている。

そのように時間をかけて戦略を練っても、底値を買うのは緊張するし、天井を売るのも本当にそれで合っているのか疑問を持ちながら実行するぐらい難易度は高い。
底値を買う時は皆が投げ売っている時に買い向かうので予想外に底値抜かれる可能性だってあるし、天井を売る時はさらにそこから価格がフレアされて大きく取り逃すのではないかという心配をしながらの実施である。
間違えれば即座に損切りにだって追い込まれ、損失を被るわけである。

そういった苦しみを通してしか投資では大きな利益は得られないわけで、多くの底値買いを狙っている人達は同様に苦しみもがきながらタイミングを見計らっているわけである。
なのに、2022年後半~2023年前半の底どころか2023年後半の押し目さえまともに買えなかったようなやつが「頭としっぽはくれてやれ」と言うのは、相場に対するリスペクトが全く足りておらず、市場を舐めているとしか思えない。
しっぽどころか胴体まるごと取り逃してるのに、そんな暢気なセリフが出てくる時点でまともに投資を苦悩しながら本当に実施しているのか疑わしいとしか言いようがない。
大抵こういう時の「頭としっぽはくれてやれ」というセリフは自分が相場に乗れていないことを自己正当化するための方便であり、自分はこの相場に全く乗れていませんと吐露しているも同然である。

また同様に「相場の動く方向についていく」とこのタイミングで言っている人も、個人的には何言ってんだこいつと思う。
もうほとんど「自分は今何も考えていないので目の前の株価の値動きに釣られる人です」と言っているも同然だ。
相場の先行きについてわからないなら「わからない」と素直に認めて強がるべきではなく、自分は全ての相場の値動きを取れるという勘違いはすべきではないだろう。
相場の動きについていけばいいと開き直っている時点で、既にその人の思考の優位性はほとんどない。

というわけで、こういう相場格言で自分を正当化することは、相場に取り組んでいる人に対するリスペクトが足りず、自分の相場取り組みが本当に他の市場参加者と比べて優位性があるのかどうかを検証する作業をさぼる大罪だと言えるだろう。
相場の格言は後から見ればそうなっちゃうのでしゃあないぐらいの話であり、最初から妥協する形で相場に取り組むぐらいだったら、普通にインデックス積み立て投資をやる方が1兆倍ましだろう。
少なくとも、最初から妥協して相場に取り組むような姿勢の人が、毎日真剣に色んな情報リサーチして底値買い・天井売りを決めてやろうと命を削っている人に対して勝つことはないだろう。

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天下国家を語る調子に乗った勘違い経営者の株は全売却が鉄則



天下国家語る暇あったら仕事してくんない?

上記XのつぶやきはLINEヤフーの代表取締役会長である川邊氏の発言であるが、このツイートを見た時にそろそろ株主はブチギレしていいんじゃないかなと思ったので、なぜそう思ったのかまとめていきたい。

いわゆる上記は天下国家を語る論であり、肩書なしの匿名でつぶやいているとなんJにいる暇人のつぶやきかな?と思うような内容である。
最後の語尾も正直いって煽り口調で非常に礼節を欠いた内容である。
これが無名のアカウントのつぶやきならいいが、LINEヤフーのCEOの発言と考えると相当状況は深刻である。
大体こういうことをXでつぶやく役員の相場なんて決まっている。
周りがイエスマンばかりで、自分が絶対正義・全能の神みたいに持ち上げられてばかりで天下国家を語りたがるのである。
自分が間違っている世の中に意見して正しく導こうという傲慢的な考え方であり、世の中そんな単純な話ではないことを忘れているのである。
そして周りがイエスマンばかりなので、会社の実状をきちんと捉えられていない。
だからLINEの個人情報取り扱いについてあれだけ問題になっているのに、こういう暢気な発言が出てくるのである。

【参考ニュース】
LINEヤフー、総務省も呆れ果てた「変わらぬ体質」 情報漏洩で行政指導、資本関係見直しの行方は

普通にバリクソ忙しい経営者だったら、天下国家を語るよりもっと会社がどのように利益を中長期的に稼いでいくかにフォーカスしているはずであり、天下国家を語ったところでそれが増えるわけではないのは理解しているはずで、天下国家を語りだす時点でなんか軌道から外れてるんじゃないかと考えざるを得ない。
なので、株主から見れば天下国家語る暇あるんだったら仕事せえよという感想しかでない。
仮にだが自分が保有している株の社長がこんなクソ暇人みたいな天下国家論を煽る形でSNSで発言している時点で相当現実が見えていない状態なので、その場合は容赦なく株は全売却と言う決断になるだろう。
市場はきちんとこういうのは観察しており、そういう脇の甘さが許されるほど株式市場は甘くないのである。

実際にLINEヤフーの株価を見ればそれは一目瞭然である。

【LINEヤフーの株価チャート】
タイトルなし

日経平均がバンバン高値を更新している中で、ひどい株価の動きであり、天下国家を語る前にお前が淘汰されるんちゃうかという動きになっている。
川邊氏自体はヤフーの古参中の古参の人であるが、歳を取っていく中で聖域になりつつあるような感じがし、そして判断を間違えるようになってきたのではないかと個人的には推察している。
そのような人物が経営陣で踏ん反り返っているかと思うと腹が立つわけで、そういった感情が他の投資家の感じているはずなので、それに従って株を売却するというのは意外と当たるものである。

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野村・大和・日興証券以外の主幹事IPO銘柄は触る価値なし

常識中の常識だけどあらためて書いておこうと思う。

ここもとIPO銘柄が増えているが、一部銘柄について上場初年度なのに決算で下方修正を食らわせていきなりストップ安の危機みたいな形になり投資家を裏切る銘柄が出てきている。

【上場初年度決算で下方修正で死んでる例】
タイトルなし


この上場年度内決算ド滑りに対してXでは「野村、大和、日興以外の主幹事で上場している企業なんて投資するべきではないなんて常識だろ」とつぶやいている人もいて、あーそういうの知らない層がやっぱり結構いるんだなあと思ったので、あらためて今夏いまとめてみたいと思う。

上場するには、最初に主幹事の証券会社を決め、その主幹事証券会社がまとめた情報を東証にあげて最終的に上場認可をして上場する形になる。
その際に、東証では審査する範囲に限界があるため、実質的に重要になり、かつ上場のハードルとなるのが主幹事証券会社となる。
なので、きちんとした証券会社が主幹事の企業とザルのような審査をしてしまっている証券会社が主幹事の場合とでは、同じ上場会社としてもその信用の質は大きく異なってくるのである。
そもそも本当に上場に値するような企業というのは、まず大手証券会社が上場にあたって関わらせてくれと声掛けをしてくるわけで、逆に言えば真っ当な証券会社から認められないような企業というのが審査がザルな証券会社を主幹事にして上場してくるわけである。
では、真っ当な主幹事証券会社はどこになるのかというと、それが野村・大和・日興の3社となるのである。

これは日本株に長年投資している投資家にとっては常識中の常識である。
特に野村は東証より審査基準が厳しいことで有名で、野村に主幹事してもらうことはまともな機関投資家に買ってもらうために必要な儀式なのである。
その辺については下記書籍を参考に読んでもらいたい。

【参考書籍】
IPOは野村にきいてみよう。

もちろん手数料コンペなどで大和・日興などにするというケースもあるわけであるが、きちんと投資家からのレピュテーションを考えるのであれば、野村・大和・日興あたりの主幹事で上場したいと思うのが普通である。
逆に言えば、投資家からのレピュテーションとか関係なく、自分のイグジットしか考えてないような企業はそういったところに主幹事を頼めず、一個格落ちになるとMUMSS・みずほが主幹事、さらに格落ちするとSBI・東海東京証券みたいなところに主幹事を依頼するのである。
なので、四季報を読んでいって主幹事欄が野村・大和・日興以外の場合は相当その企業のバリュエーションについては割り引いて考えて投資するかどうかを考えなければいけない。

ちなみに上場した年の決算を外すことは、審査自体が杜撰かつ初っ端から投資家との約束を守れないクズ企業ということは下記広瀬氏の書籍にも書かれている内容であり、そのような企業の株は一切見る必要性がないことは付け加えておきたい。

【参考書籍】 
MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法


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