JPモルガン、プライベートクレジット市場で蚊帳の外-銀行参入に壁

ジェイミーダイモン氏の言葉をまんま信じてるやつはいねーよな!?

足下の市場では原油価格の話だけでなく、プライベートクレジット市場に対する懸念というのも高まっており、イラン情勢の話とプライベートクレジットの話がかわりばんこで報じられている状態にある。
特にプライベートクレジット市場に対してクソミソに言っているのはJPモルガンCEOのジェイミーダイモン氏であることは多くの人が憶えているところだろう。
しかし、この言葉を額面通り受け取ることはあまりにもナイーブだと思うし、そもそも金融機関のボスが自分のビジネスにつながらないようなことを公衆の面前でわざわざ話すなんてことはないということを前提に考えると、より真実が見えやすくなるので、今回はこれについてまとめていきたい。

そのヒントとなるのが、この記事冒頭の報道である。
上記BBG記事は2025年6月に報じられていたものだが、JPモルガンがプライベートクレジット市場のセカンダリー取引を拡大させようとしているが上手くできず、地団駄を踏んでいるといった内容の記事になっており、JPモルガンが同市場の競争で出遅れていることを如実に物語る内容となっていた。

しかし、この記事が2025年6月であることを考慮すると、ダイモン氏のこれまでのプライベートクレジット市場に対する発言趣旨はどう考えてもおかしい話となっている。
ダイモン氏がプライベートクレジット市場について「ゴキブリが大量にいる」と発言したのが2024年9月頃であったわけであるが、トップがこれだけの発言をしていたにもかかわらず、同銀行はセカンダリー取引をなんとか拡充させようと躍起になっていたわけである。
ようは言っていることとやっていることが全く真逆である。

つまり、あれだけダイモン氏がプライベートクレジットについて悪口を言った上で、直近になってプライベートクレジット向け融資を絞り込んだのは既存のプライベートクレジットプレーヤーのポジションを投げさせることによってセカンダリー取引を活性化させて、この分野で上位層に食い込みたいというダイモン氏の戦略ではないだろうかと思っている。
もっと悪い言い方をすれば、ネットでよくみんなが口にする「陰謀」に近いものではないだろうか(棒)

セカンダリー取引が活発化すれば透明性向上といううたい文句を背景にJPモルガンがその市場で仲介業者として取引をやれば、リスク低く口銭を稼げるようになるし、取引が活発化すれば今プライベートクレジットがプライスどれぐらいなのかというのが見やすいので、金融機関の中では比較的安全を優先するJPモルガンとしても取り組みやすいということになるのだろう。
そして、現在プライベートクレジット市場で個人投資家向けファンドを中心に解約が増加しており、ここでさらにプライベートクレジット市場の懸念を煽ったり、実際にプライベートクレジットファンドに対する融資で特定セクターの担保価値を引き下げたりしてローンのぶん投げを誘発させ、ローンのセカンダリー取引市場を拡充させる千載一遇のチャンスとなっているわけで、JPモルガンにとって最大のチャンスが訪れたと言えるだろう。

ただ、これは結構諸刃の剣で相当既存プライベートクレジットプレーヤーから恨みを買う行為であり、この機会をうまく活用できなかった時に、今回の措置で恨みを持たれたJPモルガンは完全に仲間外れにされる可能性があり、重要な成長市場を取り込めなくなる可能性があるので、JPモルガンがプライベートクレジット市場でどう動くのかを見ていきたいところである。

【JPモルガンの株価チャート】
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