More government bonds as deficit grows

財政制約がネックになってきている。

2022年のロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、これまで国防費の削減を続けていた西側諸国も国防費積み増しで自国の安全保障を高めないといけないということで防衛株関連はこの1~2年非常に好調なパフォーマンスを出してきており、個人投資家の注目度も高いように思う。

しかしこの防衛株の動きが最近ちょっとよろしくない。
実際に防衛株のETFを見ると主要株価指数に対してここ1~2ヵ月ぐらいは明らかに劣後し始めている。

【欧州防衛株ETF(EUDF)のチャート】
タイトルなし

今回はこの理由についてまとめていきたいと思う。

理由として一つ目は世界的に超長期の政府債の需給動向が芳しくなく、防衛予算に充てるための資金集めが市場が防衛株に夢見るほど受注が活発になるほど十分でない可能性が高まりつつあることにある。
ご存じの通り、防衛というのは政府からの発注が全てであるので、お客さんの発注は財政次第的なところがある。
一般的に防衛費というのは短期的にどうこうという話ではなく、長い目線で国防をどうするんでしたっけという話になるので、一般的に防衛費に充てる財源は長期債や超長期債で賄うのが一般的である。

しかし、2022年以降、グローバルにインフレ率がデフレから脱却して高い水準にある中、デフレ時代に続けていたQE(中央銀行による国債買い入れ)がなくなり、超長期債需給動向が大きく環境変化した中で、超長期債が出しづらくなっている。
これは何も米国・日本・英国など国債需給動向絡みでニュースになっている国だけでなく、ブログ記事冒頭のニュース記事のようにスウェーデンでも国債発行計画が市場予想よりも多かったために超長期債の金利がばーんと跳ねたりしているわけで、これでは当初掲げていた国防費大幅増大に対する手当が少なくともさらに防衛株にテンション高く買いで突っ込めるほど超長期債出せないんちゃうかという懸念が生じ始めているように思う。
実際に一部米国防衛株では決算コメントで政府閉鎖で米国政府の支払いが遅れていることを理由に業績についてやや保守的に見積もらざるを得ない企業がでていた。

もう一つ防衛株の致命的な欠点として再生産性がないということである。
軍備品は使ったらそれでおしまいという製品であり、民生品のようにそれを使ってさらに何かを生産するという再生産性がないために、一般的に軍事費がGDPに占める割合があまりにも大きくなると、その国の実質的な経済成長性は落ちると言われている。
株も同様であり、防衛株というのは再生産性がないために緩やかな株価上昇というのが妥当なセクターであるが、下記記事の通りフラット化する世界からブロック化する世界の中で一気に変に注目を浴びてしまったわけである。

【過去参考記事】
フラット化する世界の終焉とブロック化する世界

そのためにこの再生産性のなさというリスクが市場参加者の間からすっぽり抜けてしまっているわけであるが、財政が出しづらくなっている中で再認識され始めているように思う。

こういった2つの要因で防衛株については徐々に旬が過ぎつつあるかなあと思っており、今防衛株を持っているなら売るべきなのかそれとも安値で仕込んでいるから持ち続けるという決断を下すのか、新規で買おうと思っているならあまりリスクリターンが合っていないので見送りかなあと思っている。
    
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