Research Update: China Vanke Downgraded To 'CCC' On Deteriorating Sales And Liquidity; Outlook Negative

いよいよチェックメイト間近。

上記記事は中国の不動産大手かつ深セン政府傘下と見られていたVanke(万科)のドル建て社債の格付けについて、もうデフォルト間近であることをS&Pがレーティングしている記事になる。

S&Pがこのレーティングをつけた理由として、大きな理由は中国不動産市場の低迷が続く中で、もはや深セン政府が全面的支援を諦めていることにあるだろう。
中国の新築住宅不動産販売動向はもう4年連続の前年比マイナスとなっている上に、この期におよんで未だに最新数値でも前年同月で販売動向はマイナスであり、ピークから販売金額は50%以上減少しているなど不動産バブル崩壊はひたひたと継続しているわけである。
そうした中で、Vankeは住宅不動産が青天井に売れることを前提とした資金繰りをしていたがためにハイレバレッジでビジネスをしていたが、これが逆回転していてもはや親会社である深セン政府に泣きついてつなぎ融資をしてもらうしか生き残る術がなかったわけである。

深セン政府もVankeが無秩序にデフォルトされると困るということで、当初は無担保融資を提供してきたわけであるが、あまりにも不動産市況の低迷が長引いて融資の自律的な回収目途が立たない中で、ここにきて融資は無担保ではなく有担保じゃないと貸さないと言い出したのである。
しかもこれは今回だけでなく以前に融資した無担保についても担保つけろと言い出しており、そうしなければ即座に資金回収するという脅しまでいれたのであり、これは大きな軋轢を生む自体となっている。

中国不動産企業の社債は二重構造にあることは有名で、本土債とオフショア債で扱いが異なる。
オフショア債は規制の関係で本土債に対して劣後しており、デフォルトした場合は本土債が全部回収が終わった後にようやく残余分に触れるみたいな構造になっている。
そのため、本土での借金が資産に対してあまりにも大きいとオフショア債の回収率はほぼゼロであり、上述したように深セン政府が有担保融資をつけるということはオフショア債の回収率ががくっと下がることを意味する。
これをしてしまったら外国人投資家から見れば裏切り行為であり、もう二度とオフショア債は発行できないという事態になるわけであるが、それを犠牲にしてでも深セン政府は保身の方が大事だと考えて動いたという切羽詰まり方である。

こういうのを見ると、一部ではもう中国不動産バブル崩壊は終盤だとかいう言説はとてもではないが信じられず、随時外国人投資家が中国に投資した分は中国の借金返済のために犠牲にされる可能性が高いことが懸念されるだろうと思うし、中国中央政府ベースならともかく地方政府ベースならそれぐらいは自分達の状況がやばければやるだろうと思う。

【Vankeの株価チャート】
タイトルなし

    
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック