日銀、政策金利据え置きへ 成長率見通し下方修正

ゴールデンウィークみんな休みたいよね~という対話(棒)

最近の日銀の市場とのコミュニケーションは、事前にマスコミにリークして内容を織り込ませにいくことを頻繁にやっているわけであるが、5/1の発表を前にしてここにきてリークを出してきたというわけである。

上記の記事通りであれば、成長率見通しを下方修正すると同時に、これは日銀が想定していないパスであるとして、その分のインフレ率見通しも若干引き下げる可能性もあり、これを持って利上げ見通しを後ろ倒しにさせることを意図したリークになっただろうと思う。
足下の総合インフレ率の相当の部分が食料インフレであるわけで、これは利上げでどうこうできる話でもなかったりするので、この部分については記者会見で何かしら言及する可能性もあるだろう。

まずなぜこのタイミングでのリークかというと、ゴールデンウィークで市場の流動性が薄くなりがちであることや、火曜日の祝日に市場変動が起きたときに変な金利の動き方をしないように牽制する意図は大きいだろう。
加えて、トランプ政権がドル安を指向するために日銀に利上げを迫り、これに日銀が屈するのではないかという思惑が市場にある中で、逆にトランプ関税で利上げをより慎重にせざるを得なくなってるんだから、そんな変な思惑は織り込ませずに、トランプ関税でマイナスの影響を受けている中小企業を支援するために金利を抑制したい、特に中小企業の借入に一番影響のある短期金利はしばらく様子見としたいよねというのが正直に出たリークだろうと思う。

【日本5年国債金利のチャート】
タイトルなし

こうした米国のせいで世界経済が混沌としている中でそう簡単に利上げを進めていくことは無理だし、そのことを周知して少なくとも国内要因で市場が荒れたり、経済が本来は起こる必要性がなかったダウンサイドを日銀のせいで発生する事態は防ぎたいよねということが全面に出ているリークだろうと思われる。

これは利上げを材料にして日本株の中でも突出して上昇してきた銀行株にはマイナス材料であるが、利下げに転じるわけでもないので銀行株は一旦上昇が鈍化する中で、市場全体はサポートができたよねと好感されていく流れだろうし、世界の金融市場の主要プレーヤーの中で唯一利上げを進めていた日銀の利上げがストップすることは世界の金融市場にとってもプラスに働くものと思われる。
 
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック