【参考書籍】
AI覇権 4つの戦場

サイバーセキュリティーがあらためて注目されそう。

ここもと米国株相場を見ていると、メタを除くとメガテックの株価がやや足踏みとなる中で、その他のナスダック銘柄が好調推移することによってナスダック100は好調推移している。
メガテックの株価がやや足踏みとなっているのは、生成AI投資負担がかなり重たいことと、最終的に商売になるのかどうかという疑問がある中で、一方でその他銘柄はメガテックが投資を継続してくれるんだからその恩恵を得られるよねという動きを反映しているように思われる。

その中でも実はサイバーセキュリティ銘柄が好調推移している。
下記のサイバーセキュリティ関連ETFであるHACKの株価が明らかに好調推移しており、かつて2022年にSPACバブル崩壊で死んだテーマだと思っていたところから再度盛り上がりを見せている。

【HACKのチャート】
タイトルなし

実際にいくつかのサイバーセキュリティ関連の米国企業の決算コールから好決算+強気コメントが出ており、ビジネスとして拡張されていることは把握していた。

しかし、これがはたしてAIブームに牽引されたものかどうか個人的には本当なのか確証を得られていなかった。
イメージとしてはわかるが、本当に生成AIブームがかつてのサイバーセキュリティーブームを超えるようなサイバーセキュリティー需要を生むかどうかを、やはり実務として携わったことがないために確証を持つに至れなかった。

しかし、そんな疑問を上記書籍を読んでいる中の下記文章から解決に至った。

「AIテクノロジーは強力だが、弱点が多い。機械学習システムは、データに偏りがあるか、敵がデータを汚染していたときには、間違ったことを学んでしまう。AIシステムは、そのシステムがどう”考える”かにつけこまれて、操作されるおそれがある。コンピューターのソフトウェアへのサイバー攻撃に似た、認知(コグニティブ)ハッキングと呼ばれるものもある。AIテクノロジーにはこういった特徴があるために、変形したり、壊れたりしやすい。」

よくよく論理的に考えれば確かにその通りだとしか思えなかった。
生成AIの安全・安心な運用のために、元データの保護が必要であり、これは明らかなサイバーセキュリティー需要であることは疑いようがない。
しかもAIテクノロジーというのは、昨今のパランティアの株価高騰を考えれば軍事技術と密接にかかわっていることには疑いがない。
こういったことを総合的に考えれば、安全・安心なAIテクノロジー運用にはサイバーセキュリティーがセットになることは自明の理ということになる。

このような情勢変化から、サイバーセキュリティーは2022年のSPACバブル崩壊で一度死んだテーマであったが、生成AIブームによって息を吹き返し、まだまだ相場テーマとしては継続する可能性が高そうだと考えた。
ただ、どの個別銘柄に資金を投じれば良いのかというのは、そこまで細かい技術に自分も詳しくなく、よくわかっていないというのが現状で、自信がなければ大手の中からバラっと銘柄分散して資金を投じれば良いのではないかと思う。
そうなると、ぱっと思いつくのはCRWD・PANW・FTNT・NETあたりで、そこからそのベンダーとしてACN・IBMなどがばっと思いつく範囲じゃないかなと思う。

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