DeepSeekショック、米AI株急落 NVIDIA時価91兆円消失

とりあえず現状考えていることをまとまっていないが、書けるだけ書いておこうと思う。

中国Deepseekが低コストで高パフォーマンスのAIを開発したとして、GPUを始めとした半導体需要に対する懸念てメガテックに対する収益懸念から、株価的に影響が大きかった順に書くと、半導体>AI関連設備>電力設備関連>メガテックという形で米株ハイテク中心に大幅に株価は下落した。
様子を見ていくと、相場大幅下落から1日が経ち、ナスダックも半分ほど値を戻す中で、自分の相場に対するスタンスを書いていきたいと思う。
なお、Deepseekの技術的な面は全く門外漢でわからないので、あくまで金融市場的な話にフォーカスしているという点には注意してもらいたい。

個人的な感覚としては限りなく過剰反応だと思っている。
特になぜそう思うかと言うと、今回のAI相場のスタートはそもそも事業会社による自発的な投資からスタートしているからだというところである。
例えばEVの場合はあまりにも政府補助金や政策に頼り切ったもので、顧客の真の利便性といったものについては十分な考慮されず見切り発車的にブームになったことから、欧州では政府の支援姿勢が崩れていくにつれその販売状況は芳しくなくなっていった上に、中国でもBYDがかなり無理な資金繰りをさせながら低採算で走っており、既に株価テーマとしてはまさに完全に死んだものとなっている。
一方でAIブームはOpenAIの登場からメガテックが自発的に投資を始めたわけで、政府の政策ありきからのスタートではない。
しかも、AIブームで株価上昇している銘柄についても半導体企業はともかくとして、メガテック系企業の企業価値はこれまでのクラウドサービスや広告サービスによる収益が根源にあるわけで、AIはあくまでこれらサービスの提供に使われる補助ツール的なものであり技術革新は歓迎的なものである。
そういった意味で、GAFAMが借金増やしてAI投資をする流れが止まるというのは、この辺の分野で真剣勝負している人達を侮りすぎな一般人の考え方に過ぎないように思う。
自発的に借金増やしての投資というのはそうそう簡単に終わるものでもないし、それが続く限りAIブーム相場は続く可能性の方がずっと高いと思っている。
こうした考え方については下記過去記事を読んでもらいたい。

【過去参考記事】
なぜ借金のサイクルが経済・株価にとって重要なのかを解き明かす

また、Deepseekの発表について性能は多角的な専門領域の人達によるレビューがされているが、たった500万ドルで作ったという話・現在の価格設定で採算が成り立っているのか・みんなが同時接続した時の負荷に耐えられるのかなど、様々なことを大げさに発表してしまう中国企業のことを考えると発表を鵜呑みにするのはナイーブすぎるように思う。

こうした技術的な真偽・米企業群の動きが未確定であることに加えて、そもそもAIという分野自体が色々進化の途上の中で低コストでできることが増えることはさらにAI活用幅が広がり利益が出る形で商用化できる可能性が高まるという可能性を無視した形で売りが飛ぶのは市場の過剰反応もいいところなのではと個人的には思っている。

こうしたことを考慮しながら、相場に対する皆の反応はどうだっただろうか?
ネットではもうDeepseekの話一色という状態となっていたわけだが、見ていると売りスタンスで今まで外してきた人達がこれ見よがしに解説をするのがXでもYoutubeでも大量に出現し、みんな株が急落するのを待ち望んでいたんだなあというのが非常に透けて見える状態であった。
そこまで状況は単純でもないし、そもそも急に横から入ってきた事象についてしたり顔で解説しているところに株ベア勢に対して大きな驕りがあるように思えた。
VIXが急上昇し、実際にプットオプションでのヘッジも大量に見られる中で、てきとーに株買っとけばこんなん許されるんじゃないかとしか思えないように個人的には感じている。
むしろ適度にこういう形でガス抜き下落が発生することは、一方通行で急騰されるよりずっと長期投資しやすく、個人的には歓迎したい動きだと思う。
ただし、レバETFだとこういう大きめな上下をするだけで瞬殺されちゃったりするケースもあるし、個別株では実際にこれまでの高PERを正当化できないとなってしまう可能性もあり、個別ではどうなるかちょっとわからない部分があるが、迷ったらナスダックのノンレバETFをてきとーに買えば普通の個人投資家にとっては十分なやり方ではないかなと思う。

【ナスダック100のチャート】
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