Hydrogen still holds promise as a fuel

しばらくは駄目な投資テーマ。

トランプ政権再爆誕してからクリーンエネルギー関連はプロジェクトが撤回されたり補助金の見込みがなくなってしまったことで採算性に疑問がもたれてしまい、ばーっと株価が下落しているが、そうした中でこれまで期待されていた投資テーマである水素ネタも死にかかっているという話が上記FTの記事で紹介されているのでそのことについてまとめていきたい。

クリーンエネルギー会社の株価が下落したら水素ネタも死ぬのは個人的にはまあそりゃそうだろうなという話だと思っている。
理由としては、そもそも水素ビジネスというのは再生可能エネルギーで余ったエネルギーを水素として蓄積するという発想から生じているものであり、再生可能エネルギーが採算性ある形で普及しないと成立しないというボトルネックが存在する。
そのため、トランプ政権下で再生可能エネルギーのプロジェクトが進まないとなると、水素の商用化も遠いわけで、そうなるとこれまで進められてきた投資ネタも一旦バックせざるを得ないというところだろう。

実際に株価の動きはどうだろうか?
日本の水素関連銘柄の代表格と言えば、真っ先に思いつくのは岩谷産業だろう。
では岩谷産業の株価を見ていきたい。

【岩谷産業の株価チャート】
タイトルなし

うーん、これは・・・という動きだろう。
どうやらトランプ政権になりそうというあたりが株価のピークとなり、その後はひたすらだらだら下がり続け、トランプ当選後もひたすら下がり続ける厳しい動きとなった。
やはり、水素事業が商用化・実際にキャッシュフローを生むまでにはまだ相当長い時間がかかるわけで、かつ世界的に金利が高水準で推移する中でディスカウント率を高く計算すると遠いキャッシュフローの価値が以前より評価されない中で
大体こうした夢を追ってしまっている銘柄というのは実現可能性がかなり遠いキャッシュフローを勝手に織り込んで高くなってしまっていることは下記書籍でも分かる話で、非常に注意してもらいたいところである。

【参考書籍】
企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析

こうして特定テーマで一度盛り上がった後にシナリオ前提が完全に狂って爆散してしまった株価というのは復活するまでには大分長い時間かかってしまうので、一旦ここらへんをネタにした投資をしてしまっている場合は損切り・検討していた場合は忘れてしまうのが吉だろうと思う。
特に岩谷産業とかは結構年金勢や機関投資家勢が期待を持って投資してしまっているケースが多いため、すっぱり諦めるのが吉だろうと思う。
 
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