【米国市況】強い雇用統計で株下落、国債利回り上昇-円は157円後半

我慢のしどころ的な感じ。

注目の米国雇用統計が発表されたので内容と市場の反応をまとめていきたい。

結果としては非農業部門雇用者数について市場予想+15.4万人に対して結果は+25.6万人増と市場予想を上回る形となった。
しかし、内容をよくよく見ると、うち増加寄与のうち、3/4はパートタイムであり、そのせいもあって時給伸び率は市場予想4%から3.9%と少し下回った。
失業率は市場予想4.2%から結果4.1%とやや強含んだ。
パッと見では市場結果は強く見えるが、寄与度の3/4がいつでもクビを切れるパートタイムで構成されていて、数字通りに劇強と捉えるのも少し違和感がある内容となった。

今回の雇用統計についてはいくつかきちんと見ておくべき市場の反応があったように思う。
金利については長期ゾーンぐらいまでは7~10bpsの金利上昇となったが、30年についてはほぼ往ってこいという形になった。
このことが意味するのは5%より上というのは分岐点っぽいところになっていると思われる。
また、既に逆イールドが解消されている中で、短期で資金を借りて長期債にぶちこんでも利ザヤが獲れる形になっていることから、金利上昇となったものの、
これまで当方ではTMFはもしかして狙えるかもしれないけど株に劣後しそうだから触る必要性はなさそうとも思っていたが、逆ザヤも解消しているし、ぼちぼちいいのではないかと思う。

【30年債金利のチャート】
タイトルなし


さらに言うと、一般的に金利上昇に弱いと言われているゴールドについては普通に上昇して引けたし、同様に金利上昇に弱いビットコインも上昇して米国時間は終了した。

【ゴールドのチャート】
タイトルなし


そういった意味で、金利上昇についてはここから上はたかが知れているでしょというのが見え始めているように思う。
さらに言えば、為替についてもこの金利の反応であれば円安ドル高にさらになっても不思議ではなかったが、円高ドル安で引けていることからそこまで持続性の強そうな金利上昇であるようにも思えない。
(ただ円以外の通貨に対しては結構ドル高)

株については、さすがにこの金利水準は実体経済に対してマイナス影響があるとして下落させる方向に作用したわけであるが、中でも金利上昇に弱い余裕のない中小型株の動きは非常に悪く、既に大統領選分の上昇を全部吐き出している。
大型株も下落したが、中小型株ほどではないので、この中小型株が金利低下に効いてくれば中小型株を踏み台にして上昇する期待も出てくるだろうと思うので、慎重に買い足していけば特段問題はないだろうと思う。

以上を総合していうと、なかなか我慢が必要な状況ではあるものの、ノンレバであれば十分に耐えられるし、なんなら株買い増ししてってもどうにかなるんじゃないかなあと思っているが、まあ無理せず行こうやってところではないだろうかと思う。

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