【参考ページ】
米国社債市場動向
2024年崩れなかったら、2025年崩れる可能性は低いと思う。
今回は2025年の市場を予想する上で重要であるクレジット市場の状況について書いていきたいと思う。
2024年は株価は堅調とはいえ、それなりの値幅を伴って上下していたわけであるが、一方でクレジット市場というのはほとんど売り崩されることはなく、一貫して強い動きを見せた。
【投資適格社債のスプレッド】
【ハイイールド社債市場のスプレッド】
日銀ショックがあった7~8月に一瞬揺らいだが、投資適格社債で20bps程度スプレッドがワイドニングした後に日銀の火消しとFRBの利下げ開始時期が9月で確定方向になったことから、さほど時間が経たずにスプレッドはタイトニングして元の水準に戻った。
このスプレッドワイドニングは純粋に金融の混乱と先々米国景気鈍化を織り込んだクレジットの売りという反応が素直に考えた結果だろう。
自分はこの動きを見て、景気後退でリスク資産価格が調整していき、FRBのより強い利下げコミットがある時点で調整は終了するだろうという予想を組み立てていた。
しかし、その後市場は全く自分の想定している方向とは逆に動いていった。
特に全く予想外であったのが、CCC格のスプレッドがタイトニングしていったことである。
CCC格の社債というのは、言ってみればもう片足デフォルトに足突っ込んでいるようなまさに崖っぷち企業が発行している社債群であり、歴史的にもデフォルト率に対してスプレッドはあまりリスクリターンに見合わない資産群として有名であり、非常に選別的に挑む必要性のある市場である。
そのCCC格社債のスプレッドが900bpsぐらいあったのがじりじり低下していき、700bps前半までタイトニングしたのである。
そしてこのタイトニングが一通り進んだところで、一向に米国の経済指標が緩やかに緩んでいるとはいえ、劇的に悪化していっていないことが確認されたこと・米国大統領選挙ラリーでリスク資産価格がばーっと上がっていったのである。
ハイイールド市場は一般的には政策金利がピークの時が最も崩れやすいわけであるが、実際は余裕で余裕で買い手がいる状態であり、ワイドニングしたところをすかさず買いエントリーしている投資家が大量にいたということで、ほぼ自分の考えていたリスク資産価格が調整するほどの景気悪化+FRBの利下げコミットというシナリオは今から振り返ってみれば崩れてしまったのである。
これが2024年の最も大きなトピックであるが、そうなるともはやFRBが経済統計を見ながら利下げペースを決められる柔軟性を完璧に手に入れた中、景気後退というシナリオで株価が根本的に下落すると考えるのは非常にナイーブだと思う。
株価が下落するとすれば、2024年にメインストリームであった景気後退以外のストーリーで下落するはずで、とりあえず2024年に声高に叫ばれていた株価下落シナリオは根本的に市場への影響力はなくなったと個人的には考えている。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
米国社債市場動向
2024年崩れなかったら、2025年崩れる可能性は低いと思う。
今回は2025年の市場を予想する上で重要であるクレジット市場の状況について書いていきたいと思う。
2024年は株価は堅調とはいえ、それなりの値幅を伴って上下していたわけであるが、一方でクレジット市場というのはほとんど売り崩されることはなく、一貫して強い動きを見せた。
【投資適格社債のスプレッド】
【ハイイールド社債市場のスプレッド】
日銀ショックがあった7~8月に一瞬揺らいだが、投資適格社債で20bps程度スプレッドがワイドニングした後に日銀の火消しとFRBの利下げ開始時期が9月で確定方向になったことから、さほど時間が経たずにスプレッドはタイトニングして元の水準に戻った。
このスプレッドワイドニングは純粋に金融の混乱と先々米国景気鈍化を織り込んだクレジットの売りという反応が素直に考えた結果だろう。
自分はこの動きを見て、景気後退でリスク資産価格が調整していき、FRBのより強い利下げコミットがある時点で調整は終了するだろうという予想を組み立てていた。
しかし、その後市場は全く自分の想定している方向とは逆に動いていった。
特に全く予想外であったのが、CCC格のスプレッドがタイトニングしていったことである。
CCC格の社債というのは、言ってみればもう片足デフォルトに足突っ込んでいるようなまさに崖っぷち企業が発行している社債群であり、歴史的にもデフォルト率に対してスプレッドはあまりリスクリターンに見合わない資産群として有名であり、非常に選別的に挑む必要性のある市場である。
そのCCC格社債のスプレッドが900bpsぐらいあったのがじりじり低下していき、700bps前半までタイトニングしたのである。
そしてこのタイトニングが一通り進んだところで、一向に米国の経済指標が緩やかに緩んでいるとはいえ、劇的に悪化していっていないことが確認されたこと・米国大統領選挙ラリーでリスク資産価格がばーっと上がっていったのである。
ハイイールド市場は一般的には政策金利がピークの時が最も崩れやすいわけであるが、実際は余裕で余裕で買い手がいる状態であり、ワイドニングしたところをすかさず買いエントリーしている投資家が大量にいたということで、ほぼ自分の考えていたリスク資産価格が調整するほどの景気悪化+FRBの利下げコミットというシナリオは今から振り返ってみれば崩れてしまったのである。
これが2024年の最も大きなトピックであるが、そうなるともはやFRBが経済統計を見ながら利下げペースを決められる柔軟性を完璧に手に入れた中、景気後退というシナリオで株価が根本的に下落すると考えるのは非常にナイーブだと思う。
株価が下落するとすれば、2024年にメインストリームであった景気後退以外のストーリーで下落するはずで、とりあえず2024年に声高に叫ばれていた株価下落シナリオは根本的に市場への影響力はなくなったと個人的には考えている。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
社債利回りと株の益回り比べるとあんたらバリュエーション真面目に考えてんのか?となるという