【米国市況】株上昇、インフレ抑制で-ドルは対円で一時156円割れ
過剰反応ポジションの消滅。
今週はFOMC前あたりから相場はやや軟調推移となっていて、NYダウが9連続陰線みたいなめずらしい状況となっていて、これは不吉な予兆ではないかと見られていた。
ここにさらにFOMCでタカ派的メッセージとなったことや、今後の利下げ回数予想が2025年2回までに減少し、中立金利も3%に引き上げられたことから、これまで相場は利下げ期待込みで動いていたということもあり株価指数が軒並み1日で3~4%近く下落する展開となり、相場の不安感が高まる展開となった。
しかし、以前のブログでも書いたが、これこそ市場が望んできたソフトランディング・ノーランディングの証左であり、過去に書いたハードランディングが起こるメカニズムを考えれば結局起こらないというオチでしたということになる。
【過去参考記事】
景気のハードランディングはどのように発生するのか?米国景気はハードランディングするのか?
その後金曜日にPCEが発表されたが、ほぼ市場予想通りの動きとなり、別にインフレ率もいきなり予想外に上に跳ねるような展開ではなく、過去30年と比べればやや高く粘り強いインフレ率は見られるものの、では金融緩和方向を完全にひっくり返すほどのものでもなく、本当に緩やかではあるが2%への道が見えていることから相場に安心感が戻り、VIXも大幅低下して相場は上昇した。
総合的に見ると、景気は利下げを一気に進める程は弱くなく、かといって利上げに転じるほど強いものでもなく、過去30年では見たことのない非常に緩やかな景気鈍化が進捗するイメージである。
雇用は増えそうで増えないし、クビ切りも増えそうで増えない、インフレ率も上がりそうで上がらないし、一方で下がりそうで下がらないという全てが中途半端な状態であり、しかもそれが長引いているという過去に例を見ない動きである。
そのため、FRBの金融政策も現時点よりわざわざ景気を追加的に冷やすような行動には出ないだろうということが推察される。
非常に緩やかな利下げがダラダラ続くような形で、2025年だけで利下げは終わらず、おそらく2026年に至ってもダラダラと非常に緩慢なペースでの利下げが続きそうだ。
一気に利下げが来て盛り上がりそうと期待されていたセクターは利下げが来なくてがっくりと肩を落とすしかないが、逆に言うと自力でEPS増加をする力のある企業は金融政策がわざわざ景気を致命的に阻害するような金融政策は2027年までは起こらない見込みなので、淡々と事業拡大をしていくことが可能になる。
なので、2024年はどちらかというとなんでもかんでも上昇するような相場であったが、2025年は利下げ期待の剥落で実力のない利下げ頼みの企業の株価は伸び悩む一方で、EPSが実力通り拡大する企業は株価上昇の期待度が高い。
ということを考えると、米国株でいうとナスダックが優位になる方向性になるだろう。
そしてFOMCショックでばーっと米国株は下落したが、その背景は12/20にオプションのSQを控える中で一気にプットオプション需要が出たがために過剰反応した感がある。
(おそらく米債金利も若干その気が強い)
オプション市場が相場動向に与える影響については下記過去記事を参照してもらいたい。
【過去参考記事】
株価が上にも下にも行き過ぎる現象をオプション市場から考察する
しかしSQ越えた後はPCEの数値も市場から大きく外れることもなかったわけでオンコースな動きになっていることから冷静さが戻り、冷静に買い戻しが始まったと考えるのが妥当だろう。
金曜日は若干日足で見れば上ヒゲで引けて見えるが、週末で上昇したところを短期的に利益確定で動く向きもあるわけで、テクニカルしか見れない人の言う上ヒゲだからまだ相場は不安定だというのは願望に近い分析だと思っており、今年も残り少ないがクリスマス休暇に入る前にババっと買い足しておけば今年の仕事は概ね完了なのではないかと思う。
【ナスダック100のチャート】

日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
過剰反応ポジションの消滅。
今週はFOMC前あたりから相場はやや軟調推移となっていて、NYダウが9連続陰線みたいなめずらしい状況となっていて、これは不吉な予兆ではないかと見られていた。
ここにさらにFOMCでタカ派的メッセージとなったことや、今後の利下げ回数予想が2025年2回までに減少し、中立金利も3%に引き上げられたことから、これまで相場は利下げ期待込みで動いていたということもあり株価指数が軒並み1日で3~4%近く下落する展開となり、相場の不安感が高まる展開となった。
しかし、以前のブログでも書いたが、これこそ市場が望んできたソフトランディング・ノーランディングの証左であり、過去に書いたハードランディングが起こるメカニズムを考えれば結局起こらないというオチでしたということになる。
【過去参考記事】
景気のハードランディングはどのように発生するのか?米国景気はハードランディングするのか?
その後金曜日にPCEが発表されたが、ほぼ市場予想通りの動きとなり、別にインフレ率もいきなり予想外に上に跳ねるような展開ではなく、過去30年と比べればやや高く粘り強いインフレ率は見られるものの、では金融緩和方向を完全にひっくり返すほどのものでもなく、本当に緩やかではあるが2%への道が見えていることから相場に安心感が戻り、VIXも大幅低下して相場は上昇した。
総合的に見ると、景気は利下げを一気に進める程は弱くなく、かといって利上げに転じるほど強いものでもなく、過去30年では見たことのない非常に緩やかな景気鈍化が進捗するイメージである。
雇用は増えそうで増えないし、クビ切りも増えそうで増えない、インフレ率も上がりそうで上がらないし、一方で下がりそうで下がらないという全てが中途半端な状態であり、しかもそれが長引いているという過去に例を見ない動きである。
そのため、FRBの金融政策も現時点よりわざわざ景気を追加的に冷やすような行動には出ないだろうということが推察される。
非常に緩やかな利下げがダラダラ続くような形で、2025年だけで利下げは終わらず、おそらく2026年に至ってもダラダラと非常に緩慢なペースでの利下げが続きそうだ。
一気に利下げが来て盛り上がりそうと期待されていたセクターは利下げが来なくてがっくりと肩を落とすしかないが、逆に言うと自力でEPS増加をする力のある企業は金融政策がわざわざ景気を致命的に阻害するような金融政策は2027年までは起こらない見込みなので、淡々と事業拡大をしていくことが可能になる。
なので、2024年はどちらかというとなんでもかんでも上昇するような相場であったが、2025年は利下げ期待の剥落で実力のない利下げ頼みの企業の株価は伸び悩む一方で、EPSが実力通り拡大する企業は株価上昇の期待度が高い。
ということを考えると、米国株でいうとナスダックが優位になる方向性になるだろう。
そしてFOMCショックでばーっと米国株は下落したが、その背景は12/20にオプションのSQを控える中で一気にプットオプション需要が出たがために過剰反応した感がある。
(おそらく米債金利も若干その気が強い)
オプション市場が相場動向に与える影響については下記過去記事を参照してもらいたい。
【過去参考記事】
株価が上にも下にも行き過ぎる現象をオプション市場から考察する
しかしSQ越えた後はPCEの数値も市場から大きく外れることもなかったわけでオンコースな動きになっていることから冷静さが戻り、冷静に買い戻しが始まったと考えるのが妥当だろう。
金曜日は若干日足で見れば上ヒゲで引けて見えるが、週末で上昇したところを短期的に利益確定で動く向きもあるわけで、テクニカルしか見れない人の言う上ヒゲだからまだ相場は不安定だというのは願望に近い分析だと思っており、今年も残り少ないがクリスマス休暇に入る前にババっと買い足しておけば今年の仕事は概ね完了なのではないかと思う。
【ナスダック100のチャート】

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