トランプ氏、製薬業界「中間業者」たたきつぶす-CVSやシグナ株安

米国民の不満が溜まっているセクターは危ない。

足下でさっそくトランプ大統領の口先介入を受けて株価がぐちゃぐちゃに下がっているセクターがああるので、そのことについてまとめていきたい。

今回トランプ氏のターゲットとなっているのが米国医療保険会社である。
具体的に銘柄をいうと、ユナイテッドヘルスなどが挙げられ、S&P500にも複数銘柄存在する大きなセクターである。
しかし、この米国医療保険会社というのは調べると中々やっかいなセクターで、他の先進国では一般的に国民皆保険な中で、営利目的にしている中で、医療保険会社自体が営利企業ということもあり、保険請求に対する拒否率が高まりつつあるなど、国民生活に直結する形で構造的な問題を抱えていたり、国民が不満を溜めてきていた。。

元々不満が溜まっていたところに加えて、直近になって最大手のユナイテッドヘルスの子会社幹部が射殺されたことから、潜在的に不満を持っていたことが表面化されてしまったのは、多くの人が想像しやすいところである。

【参考ニュース】
米、保険業界への不満噴出 CEO射殺、背景に制度の問題 請求拒否増え改革求める声

これに目を付けたのがこうした国民の不満を丁寧に掬うのが上手いトランプ氏であり、米国医療保険・薬局でぼったくっているやつらを叩き潰すというお題目をぶち上げ、場合によっては将来利益が減少することを市場参加者は危惧する形となった。

最終的に落としどころがどうなるかは不明であるが、少なくともプラス要素はなく、マイナス要素しかない。
そしてこのマイナス要素はトランプ政権になってからスタートするものであり、少なくとも4年間はどうしようもない。
となると、関連した銘柄を保有する理由なんてものは存在しないわけで、UNH・CI・CVSの株はダダ売られする形となった。
特にその中でも財務が厳しいCVSの売られ方はよりひどく、お前ほんとうに米国株かよみたいな下がり方になっている。

【CVSのチャート】
タイトルなし


とはいっても消滅するセクターでもないので、いつかは逆張り買いはできるかもしれないがそれは今ではないし、今投資したとしてもより状況が良いセクターに対してパフォーマンスは劣後するだろうなと思っている。

またこのことが示唆することは、多くの米国民が不満に思っていることについてトランプ氏は目ざとく注目し、とにかくビッグマウスで威嚇・脅迫をする可能性が高いわけで、潜在的に国民不満が大きいセクターは避けるのが良いだろうと思う。

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