【デスク解説】シリア アサド政権“事実上崩壊”なぜ?今後は?
独裁政権が倒れただけで国が発展するのであれば苦労しない。
ここ数日はこれまで多種多様な利害関係を持った組織が互いに武力衝突する形でずっと戦争が続いていたシリアにおいて、反政府組織が一気に拡大していき、アサド氏がロシアに逃亡したことにより、アサド独裁体制は瓦解した。
ニュースでは独裁政権の終了について好意的に報じる方向も多いが、個人的にはこれはこれでかなり前途多難であり、そう簡単に物事が進むのであれば苦労はしないと思い、シリアについては
独裁政権というのは独裁政権なりの成立理由があったりする。
大体は地理的な理由と民族的な理由が混ざり合うことによって、独裁政権以外では各カウンターパーティーの利害関係が調整できないために、国が結局分裂したままになってしまい、自国民がこんな最悪な状況であれば独裁政権の方がマシだと思うことによって成立する。
しかし、独裁政権は独裁政権で最初の方が比較的真面目に政策を実行するが、世代が進むにつれ自分の私服を肥やすことに一生懸命になったり、自分の地位を守るために利害調整することを放棄して一気に状況が悪化することによって崩壊するというのが常であり、最終的に暴力でひっくり返されるというのが繰り返されている。
結局独裁政権は必要悪として誕生するが、そこにどこかのタイミングで質の低い人間を就任することによって腐敗し、最終的には倒されるという文字面だけ見ると人間の性悪説を証明するかのようなムーブが歴史上何度も繰り返されている。
さて今回のシリアではアサド政権を支援していたロシア・ヒズボラが自分のことで精いっぱいになってしまい、支援が回らなくなり、そこを米国などが支援している反政府組織が間隙をついてアサド政権を打倒して新政権を樹立するという方向に動いている。
しかし、難しいのはこの反政府組織がイスラム過激派であることである。
世界を見渡すとイスラム教を強烈に推進する組織は基本的に独裁国家になっていく。
マレーシアやインドネシアは一応メインがイスラム教であるが、あそこらへんのイスラム教は非常にゆるゆるであり、普通のショッピングモールにいけばとんかつ屋があったりするし、イスラム教でない人にイスラム教を強制することも基本的にはないため、民主主義国家として体裁を保てている。
しかしイスラム教を強烈に推進することは、自分のところの信義以外は認めないといっていることとほぼ同義であり、部族内のルールを強制するのである。
しかし、民主主義というのはこういう信義の違いについて妥協を重ねて進めるというシステムであるため、決定的に過激派イスラムと相性が悪い。
そのため、最初に民主主義国家をめざそうとしたり、これまで抑圧されていた人達の解放を新政権は目指すのだが、途中で利害関係の調整がスムーズにいかないがために徐々に国内治安が不安定になり、最終的に新しい実質独裁政権が誕生するという歴史の繰り返しに過ぎないオチになったりする。
なので、今回のシリア・アサド政権の崩壊はロシア・イランの支援組織が自分のところが手一杯になり、これまで面倒見てきた地域の面倒が見られなくなってきていることを示しているものという評価に留めるべきだろうと思う。
実際ロシアは政策金利を21%にまで引き上げているが対ドルで下落が止まっておらず、経済的な追い詰められ方は進んでいるというのが浸透しつつある。
【USDRUBのチャート】
アメリカはアメリカで世界の警察官の負担が大きくどうにかバランス取れたものにしたいとして縮小させるとしてアメリカの影響力は落ちつつあるという評価もあるが、これに対抗している国家は国家で正直言ってギリギリで回っているに過ぎなかったりするため、はっきり言えばどっちもどっち的な言い方が正しいように思う。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
独裁政権が倒れただけで国が発展するのであれば苦労しない。
ここ数日はこれまで多種多様な利害関係を持った組織が互いに武力衝突する形でずっと戦争が続いていたシリアにおいて、反政府組織が一気に拡大していき、アサド氏がロシアに逃亡したことにより、アサド独裁体制は瓦解した。
ニュースでは独裁政権の終了について好意的に報じる方向も多いが、個人的にはこれはこれでかなり前途多難であり、そう簡単に物事が進むのであれば苦労はしないと思い、シリアについては
独裁政権というのは独裁政権なりの成立理由があったりする。
大体は地理的な理由と民族的な理由が混ざり合うことによって、独裁政権以外では各カウンターパーティーの利害関係が調整できないために、国が結局分裂したままになってしまい、自国民がこんな最悪な状況であれば独裁政権の方がマシだと思うことによって成立する。
しかし、独裁政権は独裁政権で最初の方が比較的真面目に政策を実行するが、世代が進むにつれ自分の私服を肥やすことに一生懸命になったり、自分の地位を守るために利害調整することを放棄して一気に状況が悪化することによって崩壊するというのが常であり、最終的に暴力でひっくり返されるというのが繰り返されている。
結局独裁政権は必要悪として誕生するが、そこにどこかのタイミングで質の低い人間を就任することによって腐敗し、最終的には倒されるという文字面だけ見ると人間の性悪説を証明するかのようなムーブが歴史上何度も繰り返されている。
さて今回のシリアではアサド政権を支援していたロシア・ヒズボラが自分のことで精いっぱいになってしまい、支援が回らなくなり、そこを米国などが支援している反政府組織が間隙をついてアサド政権を打倒して新政権を樹立するという方向に動いている。
しかし、難しいのはこの反政府組織がイスラム過激派であることである。
世界を見渡すとイスラム教を強烈に推進する組織は基本的に独裁国家になっていく。
マレーシアやインドネシアは一応メインがイスラム教であるが、あそこらへんのイスラム教は非常にゆるゆるであり、普通のショッピングモールにいけばとんかつ屋があったりするし、イスラム教でない人にイスラム教を強制することも基本的にはないため、民主主義国家として体裁を保てている。
しかしイスラム教を強烈に推進することは、自分のところの信義以外は認めないといっていることとほぼ同義であり、部族内のルールを強制するのである。
しかし、民主主義というのはこういう信義の違いについて妥協を重ねて進めるというシステムであるため、決定的に過激派イスラムと相性が悪い。
そのため、最初に民主主義国家をめざそうとしたり、これまで抑圧されていた人達の解放を新政権は目指すのだが、途中で利害関係の調整がスムーズにいかないがために徐々に国内治安が不安定になり、最終的に新しい実質独裁政権が誕生するという歴史の繰り返しに過ぎないオチになったりする。
なので、今回のシリア・アサド政権の崩壊はロシア・イランの支援組織が自分のところが手一杯になり、これまで面倒見てきた地域の面倒が見られなくなってきていることを示しているものという評価に留めるべきだろうと思う。
実際ロシアは政策金利を21%にまで引き上げているが対ドルで下落が止まっておらず、経済的な追い詰められ方は進んでいるというのが浸透しつつある。
【USDRUBのチャート】
アメリカはアメリカで世界の警察官の負担が大きくどうにかバランス取れたものにしたいとして縮小させるとしてアメリカの影響力は落ちつつあるという評価もあるが、これに対抗している国家は国家で正直言ってギリギリで回っているに過ぎなかったりするため、はっきり言えばどっちもどっち的な言い方が正しいように思う。
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