【解説】韓国 非常戒厳なぜ? 日本への影響は 今後は

新興国株の巨星堕つ。

12/3の深夜にいきなり韓国で非常戒厳令が出て大混乱となったことについて、個人的に韓国株はもう当面触れない存在になってしまったなと思ったので、それについてまとめていきたい。

非常戒厳令の内容はともかくとして、ここまで強権的に行動を起こさざるを得なかったということは韓国政府の政策の行き詰まりを象徴するものだと感じている。
経済が順調に言っていればこのような過激な博打的政治行動に移す必要性はなく、経済発展が半導体一本足打法に偏り、不動産が停滞して次のネタが見つからず、韓国にとってマイナスな地政学リスクの上昇だけが生じていて、国内のうっ憤が溜まりつつある中、大統領への支持率はひたすら低下するばかりで、どうにもこうにもということなのだろうと思う。
経済の行き詰まりは政治の行き詰まりにつながりやすいが、新興国は積み重ねが少なく国民文化の成熟度合いが不足しているがために、この連鎖によってスパイラル的に投資家心理が悪化しやすい。

これに対する投資家の反応は非常に冷淡なものとなった。
韓国株の代表的指数であるKOSPIはただでさえ低迷している中で、もうこりゃ上がらんわというように昨日もマイナスな値動きとなった。

【KOSPIのチャート】 
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現地通貨(ウォン)ベースで見るとまだ底抜けてないように見えるがドルベースで見ると普通に2023年の水準にまで沈み込んでおり、既に下落傾向にあった株価はさらに先行き厳しい見込みとなりつつある。
韓国自体が地政学的に非常に微妙な位置にいるがために韓国向け投資というのを外国人投資家か尻込みしやすい中で、さらに政治が揺れに揺れてしまっているがためにどう考えても韓国向け直接投資なんてのは検討されないという状態になることは火を見るより明らかである。
さらに仮にロシア・中国・北朝鮮寄りの姿勢になった場合は米国政府は韓国政府に対して冷淡な態度を取る可能性が非常にあるわけで、ブロック化する経済の中で仲間外れになる可能性が高い。
ちなみにブロック化する経済については下記過去記事を読んでもらいたい。

【過去参考記事】
フラット化する世界の終焉とブロック化する世界

そして韓国株が弱くなることは新興国株インデックス投資にとって非常に都合が悪い。
新興国株の代表的指数であるMSCIエマージング株指数の構成国のうち韓国は15%近くを占めているわけで、これがどうにもこうにもならないことが決定しているわけで、新興国株指数自体の足を大きく引っ張るわけである。
そうなるとリーマンショック以降ひたすら先進国株指数に劣後してきた新興国株指数は引き続き劣後し続けることが決定しているわけで、

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