日中の超長期国債利回り逆転-中国経済の「日本化」進行懸念
なんでこの状態で中国株にアロケーション振ろうと思うのか理解できない。
上記ブルームバーグ記事では日本と中国の30年国債利回りが逆転し始めていることを報じる内容であった。
日本の国債と言えばアベノミクス以降やマイナス金利時代は10年以下が全部マイナスになるなど、その利回りの低さばかりが報じられる代物であった。
しかし、時代が変われば金融環境はすぐ変わるもので、なんと日本と中国の30年国債利回りは逆転しているのである。
【日本国債30年利回りのチャート】

【中国国債30年利回りのチャート】

これは単純に考えれば日本ではインフレ・資金需要が旺盛な一方で、中国は不動産バブル崩壊であまりにもデフレ・資金需要が死んでいるということで超長期債に資金を振り向けるしかなくなっているのであり、それだけ中国の状況が深刻であることがわかる。
ここもと中国はニュースフローだけは派手で壮大っぽい見出しで景気対策を出しているアピールをしているが、それがあまり効果が出ていないことを意味している。
さらに言えば、この利回り逆転現象はまだ30年債でしか観測されていない。
20年債はまだ利回り的には0.3~4%程度の差があり、さらに10年債だとまだ1%ぐらい中国国債の方が利回りが高い状態にある。
これが意味することはまだ中国の金融緩和が不動産バブル崩壊を救うには依然として高すぎるし、この実質金利差を考えれば中国への投資なら国債一択だし、中国のあまりの実質金利の高さを考えればましてや株であれば中国株ではなく日本株を買うのが妥当な選択肢であることを意味する。
CPIで比較しても大分中国の雰囲気は悪い状況だが、特にPPIで比較すると日本が3.4%・中国が-2.9%と6.3%も差があり、利回り差が0~1%しかないのに企業物価は6.3%も差があるとか米国景気ぐらいの強さがあるなら別として、絶賛不動産バブル崩壊のデフレ地獄でこの金利差が許されるわけないんだよなあとしか思えない。
そしてデフレが容易に解決できないことは下記過去記事でも書いてきた話であり、この状況はやはり容易に解決できるものではないあと思っている。
【過去参考記事】
なぜデフレをやっつけるのはインフレをやっつけるのより難しいのか?
中国株に対してポジティブなことをいうセルサイドやポジトークヘッジファンドはこの辺をわざと無視しているか、本当に気づいていないか(特に頭の悪いヘッジファンドはリアルで気づいていないことがあある)という状態であるわけで、そういうことをしっかり考えてグローバルな株のアロケーションは考えていくべきだろうと思う。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
なんでこの状態で中国株にアロケーション振ろうと思うのか理解できない。
上記ブルームバーグ記事では日本と中国の30年国債利回りが逆転し始めていることを報じる内容であった。
日本の国債と言えばアベノミクス以降やマイナス金利時代は10年以下が全部マイナスになるなど、その利回りの低さばかりが報じられる代物であった。
しかし、時代が変われば金融環境はすぐ変わるもので、なんと日本と中国の30年国債利回りは逆転しているのである。
【日本国債30年利回りのチャート】

【中国国債30年利回りのチャート】

これは単純に考えれば日本ではインフレ・資金需要が旺盛な一方で、中国は不動産バブル崩壊であまりにもデフレ・資金需要が死んでいるということで超長期債に資金を振り向けるしかなくなっているのであり、それだけ中国の状況が深刻であることがわかる。
ここもと中国はニュースフローだけは派手で壮大っぽい見出しで景気対策を出しているアピールをしているが、それがあまり効果が出ていないことを意味している。
さらに言えば、この利回り逆転現象はまだ30年債でしか観測されていない。
20年債はまだ利回り的には0.3~4%程度の差があり、さらに10年債だとまだ1%ぐらい中国国債の方が利回りが高い状態にある。
これが意味することはまだ中国の金融緩和が不動産バブル崩壊を救うには依然として高すぎるし、この実質金利差を考えれば中国への投資なら国債一択だし、中国のあまりの実質金利の高さを考えればましてや株であれば中国株ではなく日本株を買うのが妥当な選択肢であることを意味する。
CPIで比較しても大分中国の雰囲気は悪い状況だが、特にPPIで比較すると日本が3.4%・中国が-2.9%と6.3%も差があり、利回り差が0~1%しかないのに企業物価は6.3%も差があるとか米国景気ぐらいの強さがあるなら別として、絶賛不動産バブル崩壊のデフレ地獄でこの金利差が許されるわけないんだよなあとしか思えない。
そしてデフレが容易に解決できないことは下記過去記事でも書いてきた話であり、この状況はやはり容易に解決できるものではないあと思っている。
【過去参考記事】
なぜデフレをやっつけるのはインフレをやっつけるのより難しいのか?
中国株に対してポジティブなことをいうセルサイドやポジトークヘッジファンドはこの辺をわざと無視しているか、本当に気づいていないか(特に頭の悪いヘッジファンドはリアルで気づいていないことがあある)という状態であるわけで、そういうことをしっかり考えてグローバルな株のアロケーションは考えていくべきだろうと思う。
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