ダウ理論とは?チャートを用いた相場分析方法をわかりやすく解説

初心者に分かりやすいけど、実際はこれで勝つのは難しい。

よく投資初心者の教科書で最初に出てくるチャートの読み方的なものでダウ理論というものがある。
その理論はすごく単純で、前回高値を上抜いたら、それは相場が強気のサインで上昇トレンドの継続なので買いだという理論である。

しかし、実際はどうだろうか?
個人的にはダウ理論は極めて有効性の低い投資手法ではないかと思っているため、それについて今回まとめていきたい。

米国株の代表指数であり、最も着実安定して上昇するS&P500をダウ理論を基にエントリーした場合どうなるかを見ていきたい。

【S&P500のチャート】
タイトルなし

前回高値的なところを青い線を引いてみたわけであるが、2019年~2024年を見てみると、ダウ理論で入れる期間というのは全体の1/3もないようなところである。
これが意味することはなんだろうか?

非常に痛いのが、ダウ理論に基づいた時に2022年~2023年上旬の後から見れば投資としては一番おいしく、かつ低迷期間が長かったことからてきとーに資金を順次入れるだけで2024年には大儲けという相場をほぼ全て取り逃がしたことになる。
さらに難しいのはダウ理論に基づいての投資だと、まともに資金を入れられるタイミングは極めて短いことにある。

さらにダウ理論を微妙たらしめているのは、前回高値を上抜いたところからエントリーして中長期保有すると、相場の調整局面でかなりエントリータイミングレベルぐらいまで相場が押されるということである。
そのため、前回高値を上抜けした時点でまとまったロットの資金をすぐに投入しないと、すっ高値で掴むリスクが大きくなる。
特にビビりで徐々にしかポジションを取らないようなタイプの人はダウ理論で上抜けした後にちょこちょこ入れていたらまともに大きなロットを取れていない段階で天井をつけてしまい、その後の下落で結局ほとんどの含み益を吹き飛ばして損益がマイナスに転じることが多い。

というわけで、投資初心者向けの書籍では大体最初に書いてあるダウ理論であるが、実はその有効性は中長期投資では極めて低いように思われる。
というよりも、実はダウ理論に基づいたエントリーポイントというのは、素人がエントリーしやすいポイントであることが衆知されているわけで、そのため都合よく狩られやすいエントリーポイントではないか・プロが逆のポジションを取りやすい場所なのではないかと下記過去記事を読みながら思うところであったりする。

【過去参考記事】
なぜ相場は自分が取ったポジションと手放したポジションに対して逆に行きやすいと感じるのか?

まあ結論としては、ダウ理論はどちらかというと超短期でトレードする時に使うぐらいなので、投資というよりはトレード手法ぐらいで思っていた方が良く、中長期投資では単なる駄目理論と思って最初から投資の考え方としては捨てるべきだろうと思う。

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