FOMC、連続利下げ-トランプ氏が辞任求めてもパウエル氏拒否

まだ金利は景気抑制的な水準だとのことで。

大統領選で大盛り上がりしている中、影が薄くなっていたFOMCも開催されているので、ここも内容と市場反応をまとめていきたい。

今回も25bps利下げということで、上限4.75%にまで引き下げと言うことで、利下げを開始してからここまで75bpsの利下げとなった。
パウエル議長は景気は引き続き堅調としながらも、インフレ率はターゲットである2%に近づいてきていることと、労働市場についても需給は緩和傾向であるということで、現在の政策金利水準は景気抑制的であり、引き下げていくことが妥当であることを表明した。
もちろん先々の金融政策についてはデータ次第としているが、少なくとも現在の政策金利水準は景気抑制的であることの強調はあったため、一応12月についても25bps利下げはありそうという形でマーケットは織り込んでいる。
ただし、来年の利下げペースについては若干不透明で、つい最近まで毎会合25bps利下げと見られていたものが、隔回ごととか四半期に一回の25bps利下げみたいな織り込みになっており、過去30年のデフレ経済ではあまり見られてこなかったようなパターンになっており、この辺はやはり下記過去記事の通りデフレからインフレ経済に変化した背景が大きいように思う。

【過去参考記事】
デフレからインフレへなぜ世界は大きくレジームチェンジしたのか?

市場の反応はやや祭りの余韻みたいな反応であった。
株についてはほとんど変化はなく、もう前日の大統領選のお祭りで皆FOMCなんか忘れているみたいな形だし、もうあとは年末迎えるだけで今年は実質的に終わりやろということでハイテク中心に高いまま上昇する形となった。
ナスダック100は再び最高値更新となるなど、その強さは個人的にも驚きの内容となっている。

【ナスダック100のチャート】
タイトルなし


金利はここまでオールレッドで財政支出拡大による米債供給を懸念して金利が上がり続けていたが、大統領選の材料が出尽くしたことと、FRBはまだ当面金利はペースはともかくとして引き下げつづけるだろうということが想定できるため、ちょっとさすがに金利上がりすぎでしょということで大統領選当日に上昇した分の2/3程度折り返す形の金利低下となった。
また、為替は大統領選出尽くしと金利低下でドル安となり、為替について大統領選当日は新興国為替が大きく下落したことで少し緊張感が走ったが、とりあえず一旦は落ち着きそうという形となった。

なお、政治関連についてはパウエル議長はコメントを差し控える形となり、財政政策の変化については一切のコメントを行わなかった。
またトランプから辞任を求められたらどうするのかといったコメントには辞めないと断言し、変に政治的変化で勘繰られないようにした形となった。
 
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