米大統領にトランプ氏、4年ぶり返り咲き ハリス氏破る

インフレがキーワードになる世の中ということですかね。

日が明けて米国大統領選について様々な論評が出てきたので、それらをまとめて感じたことを書いていきたい。

世論調査においてはかなり拮抗していて、接戦だろうということで結果が出てくるまでにはそれなりに時間がかかると見られていたが、激戦州について早々とトランプ氏がリードしていき、ペンシルベニア州をトランプ氏が獲ったことでかなり早い段階での勝利宣言となった。
日が明けて、あらためて激戦州の結果についてはトランプ氏が全勝ということで、まだ下院の結果は決まっていないが大統領選という意味では激戦州以外では概ね世論調査通りであったが、激戦州ではトランプ氏が圧勝だったという形となった。
しかも、激戦州においては投票率が上昇しているわけで、積極的にトランプ氏に投票したということになっている。

様々な選挙論評を見ていくと、トランプ氏が当選する可能性は高いとしつつも、こんなに早々と勝利宣言が出てきたということに多くの人が驚いており、トランプ氏の経済・不法移民対策に焦点を絞った選挙戦が上手くいったと評価できそうだ。

特に考慮しなければいけないこととして、過去30年デフレが続いてきた世の中からインフレ社会に変化した中で、高所得者層は株などを保有していて痛みが少ないが、一方で低所得者層はこのインフレでの生活苦が株クラが想像するよりずっと強い。
こうした生活苦層は選挙を真面目に分析するなどのエリートからは比較的無視される層ということで、バイデン政権時代の高インフレにおける低所得者層の恨みというのを十分に読み切れなかったのではないかと思う。

さらに言えば、この流れは米国だけでなく、先進各国でも似たような形で見られるようになっているように見える。
社会全体で言えば、貧富の差が拡大している中で人口の絶対数でいると富裕層より貧困層の方が多くなっている。
そしてこうした貧困層がインフレが非常に厳しい生活を送る中で、現政権に対して恨みをつのらせ、現職にNoを突き付けるという形になっているということだと思われる。
これは日本でも見られており、これが自民党が一応は第一党を確保したものの自公で過半数を獲れなかった要因だと思われる。

まあもちろんハリス氏自体が途中でバイデンからの鞍替えで登場したということや、元々ハリス氏の人気はないよねという論評があったということもあるだろうが、過去30年のデフレ時代の選挙のやり方では駄目だということが意識されていくようになり、それに伴って政治の在り方についても変化していく可能性があるように思う。
ちなみに、なぜ世界はデフレ経済からインフレ経済へ変化したかは下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
デフレからインフレへなぜ世界は大きくレジームチェンジしたのか?


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