【詳しく】日銀 政策金利据え置き 総裁「米経済のリスク低下」

とにかく次の一手を決めつけられないようにしている。

木曜日に日銀の金融政策決定会合があったので、そこについて内容をまとめていきたい。

内容としては据え置きで、方向性もほぼ前回と内容は変わらないかなという内容であった。

【過去参考記事】

煙に巻くことに最大の焦点を置いた日銀金融政策決定会合


ただ、今回は煙に巻く中でも「米国経済のリスク低下」と言ったり、「時間的猶予がある」という文言を削除したりと、利上げに意欲があるようなサジェストも見えた。
これはタカ派かハト派というよりも、どちらにもいつでも動けるようにしておきたいという証左なのだろうと思う。
以前に過去記事で書いたが、日本経済はアメリカ経済から受ける影響が非常に大きいので、アメリカ経済が落ち込み始めたら、その時点で日本経済がいくら良かろうがひとたまりもないという事情がある。
この辺の考え方は下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
世界の経済や金融市場を見るうえで、米国経済の分析から始めなければいけない理由

そのため、目の前でアメリカ経済が軟化しつつある状況の中で不用意に利上げをするという姿勢を見せることは非常に危険である。
もし不用意に利上げすると言った後に、アメリカ経済が急失速した場合には日本のマーケットがクラッシュする可能性が高く、そのリスクだけは絶対に取れないという状態である。

一方で、アメリカ経済が思ったより良い状態が続いていくと円安に振れてしまう。
そのため、目先アメリカの経済統計がいくつかいいものが出て円安が進んだことで、いつでもこっちには利上げというカードがあるぞという姿勢を見せる必要性が出てきたために、今回「時間的猶予がある」という文言を削除したりと、あの手この手で市場に牽制をかけているといった様相だ。
市場と対話しているというより、市場とドッジボールをしているような感じではないかと思う。
(まあ黒田日銀時代のようなどんな緩和メッセージ打ち出しても駄目だった時と比べれば贅沢な話なのかもしれないが)

記者会見後の反応としては金利は小幅低下・ドル円はやや円高でふれたので、一応は記者会見は概ね日銀が狙った通りの動きになったのではないかと思う。

【ドル円のチャート】
タイトルなし

次に利上げするかどうかというのは、個人的にはなんとなくだが来年中にはもう一回ぐらいあるだろうが、その後は米国FRBの利下げがさらに進捗している状態なので、一旦0.5%で次のアメリカの利上げサイクル入りまでしばらく様子見的な感じになるのではないかと思っている。
 
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