D.R. Horton Stock Tumbles as Q4 Results, 2025 Outlook Disappoint
もう今の物件価格と金利水準だと家買えるやつ残ってないんでは?
企業決算シーズンということもあり、順繰りに決算に異変がないかをバラバラと見ている中で、一つ気になったのが米国戸建て分譲大手のDRホートンの決算であったので、まとめていきたい。
DRホートンの決算を見ると前年同月比で売上・利益ともに減少する減収減益となっており、モーゲージレートの高さと物件の高さや可処分所得の少なさがネックとなって住宅販売動向があまり芳しくない状態になっている。
単に前年同月比でマイナスという話だけでなく、市場予想を下回っていた数値として、一般的にはなるべく米国企業はアナリストを裏切らないために保守的な予想を出すわけだが、それさえも下回っている数値として、実際に状況は悪いということがうかがえる。
実際に決算発表後は大きめに株価が下落していることもその証左といえるだろう。
【DRホートンの株価チャート】
アメリカの場合住宅を購入するという行為は、日本人が住宅を購入する時のような賃貸と購入どちらの方が得かみたいな考え方はなく、どちらかというと賃貸自体が浪費であり、節約するために住宅を購入するという考え方が非常に強い。
実際にアメリカではリーマンショックを除けば基本的には住宅価格は上昇を継続しているわけだし、世界の中でも安定したインフレが続いているアメリカでは家賃も引き上げられるので、住宅を購入する方が様々な面で節約になるし、いざとなれば売却すればどうにでもなるだろという完済なにそれおいしいのという考え方であり、これが常にアメリカ人の生活の中で根強い住宅ニーズを生み出している。
そうした考え方を持っているからこそ、この高金利状態でもアメリカ人は住宅を購入し続けていたわけであり、中古がないから新築を買おうという流れでDRホートンなどのデベロッパーは恩恵を受けていた。
またデベロッパー側も単に手をこまぬいていたわけではなく、以前の記事でも書いた通り、1-2バイダウンといって、1~2年間はデベロッパー側が1~2%の住宅ローン分を払うみたいなインセンティブをつけてニーズの掘り起こしを行っていた。
高金利でも1~2年内に金利が下がり始めれば、住宅購入者は借り換えをしてモーゲージレートを下げることができるので、過去2年ぐらいはそういった考え方と買い方をしていたと思われる。
しかし、そうした状態が2年以上続いていく中で、中々モーゲージレートは下がらず、未だ6%ある状態が続いてしまった。
金利が一向に下がらないので、今1-2バイダウンで住宅が買える層というのはかなり掘り尽くしてしまい、過剰貯蓄もなくなってクレカリボ払いも限界が来ている中、住宅ローンにおける審査を潜り抜けられる人が少なくなっているのではないかと思う。
そしてアメリカ経済にとっても最大のエンジンというのはこの住宅にあるわけで、それを考えればいよいよ米国景気の鈍化は目の前に迫っていると考えるのが自然ではないかと思っている。
しかし、こう書くと早とちりする人はすぐ金融危機だの株価大暴落だのと考えたりするが、DRホートンの決算コールを聞く限りそんなことは現段階ではないなと下記過去記事の考え方を理解すればすぐわかる話であると思うので、せいぜいそれなりの調整ぐらいだし、そこは買うべき押し目だろうと考えるぐらいで良いと思う。
【過去参考記事】
景気のハードランディングはどのように発生するのか?米国景気はハードランディングするのか?
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
もう今の物件価格と金利水準だと家買えるやつ残ってないんでは?
企業決算シーズンということもあり、順繰りに決算に異変がないかをバラバラと見ている中で、一つ気になったのが米国戸建て分譲大手のDRホートンの決算であったので、まとめていきたい。
DRホートンの決算を見ると前年同月比で売上・利益ともに減少する減収減益となっており、モーゲージレートの高さと物件の高さや可処分所得の少なさがネックとなって住宅販売動向があまり芳しくない状態になっている。
単に前年同月比でマイナスという話だけでなく、市場予想を下回っていた数値として、一般的にはなるべく米国企業はアナリストを裏切らないために保守的な予想を出すわけだが、それさえも下回っている数値として、実際に状況は悪いということがうかがえる。
実際に決算発表後は大きめに株価が下落していることもその証左といえるだろう。
【DRホートンの株価チャート】
アメリカの場合住宅を購入するという行為は、日本人が住宅を購入する時のような賃貸と購入どちらの方が得かみたいな考え方はなく、どちらかというと賃貸自体が浪費であり、節約するために住宅を購入するという考え方が非常に強い。
実際にアメリカではリーマンショックを除けば基本的には住宅価格は上昇を継続しているわけだし、世界の中でも安定したインフレが続いているアメリカでは家賃も引き上げられるので、住宅を購入する方が様々な面で節約になるし、いざとなれば売却すればどうにでもなるだろという完済なにそれおいしいのという考え方であり、これが常にアメリカ人の生活の中で根強い住宅ニーズを生み出している。
そうした考え方を持っているからこそ、この高金利状態でもアメリカ人は住宅を購入し続けていたわけであり、中古がないから新築を買おうという流れでDRホートンなどのデベロッパーは恩恵を受けていた。
またデベロッパー側も単に手をこまぬいていたわけではなく、以前の記事でも書いた通り、1-2バイダウンといって、1~2年間はデベロッパー側が1~2%の住宅ローン分を払うみたいなインセンティブをつけてニーズの掘り起こしを行っていた。
高金利でも1~2年内に金利が下がり始めれば、住宅購入者は借り換えをしてモーゲージレートを下げることができるので、過去2年ぐらいはそういった考え方と買い方をしていたと思われる。
しかし、そうした状態が2年以上続いていく中で、中々モーゲージレートは下がらず、未だ6%ある状態が続いてしまった。
金利が一向に下がらないので、今1-2バイダウンで住宅が買える層というのはかなり掘り尽くしてしまい、過剰貯蓄もなくなってクレカリボ払いも限界が来ている中、住宅ローンにおける審査を潜り抜けられる人が少なくなっているのではないかと思う。
そしてアメリカ経済にとっても最大のエンジンというのはこの住宅にあるわけで、それを考えればいよいよ米国景気の鈍化は目の前に迫っていると考えるのが自然ではないかと思っている。
しかし、こう書くと早とちりする人はすぐ金融危機だの株価大暴落だのと考えたりするが、DRホートンの決算コールを聞く限りそんなことは現段階ではないなと下記過去記事の考え方を理解すればすぐわかる話であると思うので、せいぜいそれなりの調整ぐらいだし、そこは買うべき押し目だろうと考えるぐらいで良いと思う。
【過去参考記事】
景気のハードランディングはどのように発生するのか?米国景気はハードランディングするのか?
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