まるでチューリップバブル 中国株ETF「狂乱相場」の真相

どうしてそこで買いを入れるやつがいるのか全然意味がわからん。

上記日経新聞の記事の通りあるが、中国国慶節連休前に中国が景気刺激策を発表してきたことから、過剰な期待感を持ったまま連休に入ってしまった。
中国市場は動いていないが、中国以外の市場で中国株ETFが存在するわけで、そこが盛り上がる形で上昇していたりしていたのだが、東証にもいくつか上場している中国本土株ETFがある。
ETFは一般的に裏付けになっている原資産の元価格に基づいて計算されたNAVという価格が毎営業日に開示されているわけであるが、中国本土株が香港株の上昇も考慮すると連休前から+10%近く上昇してもおかしくないよねという雰囲気があり、普通はそれを織り込んでETFの時価は動いていく。

しかし、今回はなんとETFにもよるが、アセワンの中国本土株ETFがNAV1700円ぐらいであったにもかかわらず、なんと6万円以上にまでETF価格が上昇したのである。

【2553のチャート】
タイトルなし

NAVに対して40倍近くのプレミアムが付くという珍事件であり、中国の連休が明ければ100%暴落が保証されるような状態になっていたにもかかわらず、むしろNAVから大幅乖離してから出来高がバカバカできているわけである。
まあ百歩譲って、連休によるスクイーズの話とかがあって上がるというのは理解したとしよう。
しかし、一度下がり始めたら、NAVに対して異常な程の乖離が生じているわけなので、一般的にはNAVまでETF価格が暴落するのなんてニュートンの法則並みに一般常識だと思われる。
特にETFではNAVという指標があるわけで、どんなに流動性が不足したとしてもNAVに対して50%もプレミアムが付くなんて普通は考えられないわけである。

しかし、10月8日から始まった暴落からNAV付近まで顔面着地するに到った10月16日にまでに出来高が20万株近く成立しているのである。
出来高は売りと買いが両方同じ価格にマッチしないと成り立たないわけで、20万株近く成立しているということは20万株近く買う投資家が存在しているということである。
上昇している最中で買い入れるならまだわからなくはないけど、ETFの時価がNAVの10倍以上離れているところから買いを入れているやつは99.9%損をするのに一体何を考えているのかわからなかった。
そして実際に10月16日時点でほぼNAV付近に時価は着地しており、結局ババ抜きで抜けれなかった人は丸々大損したという極めて当然の結果に着地したわけである。

まあ結局投資の世界はこういう理論も常識も全く理解せず、値動きだけでなんとなくーで買ったり売ったりしている人が大量にいるわけで、少なくとも大損しないようにするには一定の理論と常識は知っておいてしかるべきだろうという事案になった。

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