イスラエル、レバノン空爆拡大-イラン報復に複数の選択肢
中東リスクじゃなくてイスラエルリスクという言い方が正しそう。
ここもと世界情勢では中東リスクというのがワイルドカードになっている。
ただし、一般的に中東リスクといった時にはイランというイメージがみんなあるわけで、確かにニュース報道ではイランがどういう行動をするのかというのが注目されているが、実際は中東リスクのボールはイスラエルにあることを今回はまとめていきたいと思う。
【WTI原油価格のチャート】

ここまでイスラエルはハマスせん滅に動いていたところから、ヒズボラせん滅に向けてポケベル爆破や、実際にレバノン首都のベイルートを空爆したりと、これまでないほどイスラエルは事態をエスカレートさせており、これに対してイランが報復としてイスラエル北部にミサイル攻撃をしたわけである。
しかし、色々な言動・実際の行動を見ると、イランの行動はどちらかというと抑制的である。
わざわざなんども警告を重ねた上に、結局攻撃について事前に米国政府へ通知した可能性が高く、イスラエル側に人的被害が出ないようにかなり配慮した形でミサイル攻撃をしている。
ミサイル攻撃については見た目の攻撃のインパクトは大きいが、上記を考慮するとポーズ的・国内アピール向けの意図が非常に大きいものとなっている。
イランとしても確かに自分の傘下組織が攻撃されるのは非常に不愉快であるものの、イラン国内が窮乏しているわけで、国民もイラン外のことに対してどこまで首をつっこむのかということに対してあまり熱心ではない。
さらにイランは現在後ろ盾になっていたロシアが全く役立たずになっており、さらに他のアラブ諸国も極めて冷淡な目で見ているだけであり、イランがアラブ諸国の中でも孤立していることが如実に出ており、イラン側はなるべく事を荒立てたくないという姿勢が明らかに強い。
一方、どちらかというと危ないのはイスラエル側である。
ネタニヤフ政権の右翼的な動きが強まっており、自分達の存亡がかかっているというお題目の下に、とにかく対立しており、イスラエルに隣接している組織にかつてないほどの攻撃をしかけているわけである。
特にハマスまではともかく、レバノンのヒズボラにまで攻撃範囲を拡大し、実際に首都ベイルートに空爆とかをしているわけで、しかも国民はそれが正しいということで極右的動きをしている政権を支持しているわけで、この暴走は止まりづらい状態になっている。
さらにネタニヤフ自体がアメリカ政府の言うことを聞かず、俺らを切ることはできないだろという方向にベットして動いていることも非常に事態をややこしくしている状態である。
以上を鑑みると、中東リスクのボールはイランではなくイスラエルにある状態で、イランよりイスラエルの動向に注目すべき状況となっていると感じる。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
中東リスクじゃなくてイスラエルリスクという言い方が正しそう。
ここもと世界情勢では中東リスクというのがワイルドカードになっている。
ただし、一般的に中東リスクといった時にはイランというイメージがみんなあるわけで、確かにニュース報道ではイランがどういう行動をするのかというのが注目されているが、実際は中東リスクのボールはイスラエルにあることを今回はまとめていきたいと思う。
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ここまでイスラエルはハマスせん滅に動いていたところから、ヒズボラせん滅に向けてポケベル爆破や、実際にレバノン首都のベイルートを空爆したりと、これまでないほどイスラエルは事態をエスカレートさせており、これに対してイランが報復としてイスラエル北部にミサイル攻撃をしたわけである。
しかし、色々な言動・実際の行動を見ると、イランの行動はどちらかというと抑制的である。
わざわざなんども警告を重ねた上に、結局攻撃について事前に米国政府へ通知した可能性が高く、イスラエル側に人的被害が出ないようにかなり配慮した形でミサイル攻撃をしている。
ミサイル攻撃については見た目の攻撃のインパクトは大きいが、上記を考慮するとポーズ的・国内アピール向けの意図が非常に大きいものとなっている。
イランとしても確かに自分の傘下組織が攻撃されるのは非常に不愉快であるものの、イラン国内が窮乏しているわけで、国民もイラン外のことに対してどこまで首をつっこむのかということに対してあまり熱心ではない。
さらにイランは現在後ろ盾になっていたロシアが全く役立たずになっており、さらに他のアラブ諸国も極めて冷淡な目で見ているだけであり、イランがアラブ諸国の中でも孤立していることが如実に出ており、イラン側はなるべく事を荒立てたくないという姿勢が明らかに強い。
一方、どちらかというと危ないのはイスラエル側である。
ネタニヤフ政権の右翼的な動きが強まっており、自分達の存亡がかかっているというお題目の下に、とにかく対立しており、イスラエルに隣接している組織にかつてないほどの攻撃をしかけているわけである。
特にハマスまではともかく、レバノンのヒズボラにまで攻撃範囲を拡大し、実際に首都ベイルートに空爆とかをしているわけで、しかも国民はそれが正しいということで極右的動きをしている政権を支持しているわけで、この暴走は止まりづらい状態になっている。
さらにネタニヤフ自体がアメリカ政府の言うことを聞かず、俺らを切ることはできないだろという方向にベットして動いていることも非常に事態をややこしくしている状態である。
以上を鑑みると、中東リスクのボールはイランではなくイスラエルにある状態で、イランよりイスラエルの動向に注目すべき状況となっていると感じる。
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