中国国債相場に高まるリスク、刺激策財源に特別国債活用との報道受け
ちょっとPBOCによる手当が足りないような。
中国の景気が誰の目から見ても明らかに低調になり、習近平から見ても国内で無敵の人が殺傷事件を起こすようになってのっぴきならなくなってきたことでPBOCが金融緩和を広げ、また国有銀行に資本注入を検討するなど、ようやく少し評価できる景気対策が出てきたことについては以前の記事で書いてきた。
これに呼応して株価は上昇したわけであるが、それと同時に気になるのは中国の長期国債金利の上昇である。
【中国10年国債金利のチャート】
これまで中国は無限デフレサイクルということで、もはや投資先も見つからず、投資マネーはひたすら長期国債購入に回されていて、PBOCはあの手この手で金利が下がりすぎないように妨害してきたわけであるが、足下はその動きとは関係なく、これから景気対策で特別国債が発行されるんだろということで国債供給増加や債券から株への資金シフトで一気に国債から金が引き抜かれていて金利が上昇しているのである。
さらに問題はPBOCは一応金融緩和を範囲を広げて対応する姿勢を見せたが、主に短期金利に関する対応だけで、長期金利についてはノータッチ状態なのである。
現代では景気が悪くなり、大規模補正予算を組むとなると国債供給の消化が必要になり、そこで中央銀行が量的金融緩和などを駆使して長期金利もスムーズになるようコントロールしたりするのだが、今回PBOCは短期金利コントロールだけ強調しているだけで、長期金利については特段手当てがない。
そういったことを考慮すると、金利が今回の景気対策措置で動いていくと、思いがけず深追いした人達が損切りに遭う可能性がある。
しかもこれまでの中国政府の締め付け措置で流動性も薄くなっている中なので、損切り投げ売りによる金利上昇に対して買いが入らない可能性がある。
そうなると銀行勘定のリスク管理に引っかかる形で損切りが連続して発生する可能性も否定できない。
実際これは日本でも2003年にVarショックが起こっており、長期金利が短期間で1%上昇している。
最終的にVaRショックが落ち着くには日銀のシグナルオペが必要になったわけで、おそらくPBOCも同様に何か自腹を切らされる形の対応をせざるを得ないぐらい金利が一回上昇するのではと身構えておいた方が良いように思う。
またVaRショックが起これば中国の株価上昇にも水が差されるので、中国株の目先の寿命はおそらくその辺ぐらいまでと考えておけば良いように思う。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
ちょっとPBOCによる手当が足りないような。
中国の景気が誰の目から見ても明らかに低調になり、習近平から見ても国内で無敵の人が殺傷事件を起こすようになってのっぴきならなくなってきたことでPBOCが金融緩和を広げ、また国有銀行に資本注入を検討するなど、ようやく少し評価できる景気対策が出てきたことについては以前の記事で書いてきた。
これに呼応して株価は上昇したわけであるが、それと同時に気になるのは中国の長期国債金利の上昇である。
【中国10年国債金利のチャート】
これまで中国は無限デフレサイクルということで、もはや投資先も見つからず、投資マネーはひたすら長期国債購入に回されていて、PBOCはあの手この手で金利が下がりすぎないように妨害してきたわけであるが、足下はその動きとは関係なく、これから景気対策で特別国債が発行されるんだろということで国債供給増加や債券から株への資金シフトで一気に国債から金が引き抜かれていて金利が上昇しているのである。
さらに問題はPBOCは一応金融緩和を範囲を広げて対応する姿勢を見せたが、主に短期金利に関する対応だけで、長期金利についてはノータッチ状態なのである。
現代では景気が悪くなり、大規模補正予算を組むとなると国債供給の消化が必要になり、そこで中央銀行が量的金融緩和などを駆使して長期金利もスムーズになるようコントロールしたりするのだが、今回PBOCは短期金利コントロールだけ強調しているだけで、長期金利については特段手当てがない。
そういったことを考慮すると、金利が今回の景気対策措置で動いていくと、思いがけず深追いした人達が損切りに遭う可能性がある。
しかもこれまでの中国政府の締め付け措置で流動性も薄くなっている中なので、損切り投げ売りによる金利上昇に対して買いが入らない可能性がある。
そうなると銀行勘定のリスク管理に引っかかる形で損切りが連続して発生する可能性も否定できない。
実際これは日本でも2003年にVarショックが起こっており、長期金利が短期間で1%上昇している。
最終的にVaRショックが落ち着くには日銀のシグナルオペが必要になったわけで、おそらくPBOCも同様に何か自腹を切らされる形の対応をせざるを得ないぐらい金利が一回上昇するのではと身構えておいた方が良いように思う。
またVaRショックが起これば中国の株価上昇にも水が差されるので、中国株の目先の寿命はおそらくその辺ぐらいまでと考えておけば良いように思う。
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