中国の貿易黒字データ、不可解な食い違い-米国が説明求める

習近平忖度経済の限界が露呈し始めている。

上記記事はなかなか興味深いものだが、中国の貿易黒字データが税関ベースのものは水増しされているのではないかという話である。
具体的には税関ベースのものと国際収支ベースのもので、過去ではさほど乖離が見られなかったものが、2021年頃から乖離が大きくなり、2023~2024年には恒常的に看過しがたいレベルの乖離となっており、これに米国政府やIMFがその異常性を指摘するようになっている。

これを色々考えると、あり得る可能性としては所有権が移転されないまま在庫となってしまっている可能性を考えている。
上記ブルームバーグ記事に書いてある通り、税関は国境を越えた物理的な移動をベースにしたものである一方で、SAFEは所有権の移転をベースとした集計となっている。
つまり税関は通っているが、所有権が移転されていないとこのズレが大きくなっていくことを意味する。

なぜこのような事象が生じるかというと、これは計画されたGDP成長率を達成させるために無理やり行われていることではないかと考えている。
上記ブルームバーグ記事に書いてあるが、中国国内では不動産バブルの崩壊により内需が死んでいる上に、海外からの直接投資も死んでいるので、習近平が掲げるGDP成長率を達成するには輸出しか選択肢がないわけである。
そのためとりあえず国境を越えさせて輸出していることにしてGDPをかさまししているが、実際はそれは在庫として外国で所有権が移転されないまま滞留している可能性が高いということである。
さらに、その量が中国のGDP1%におよぶものであり、これは本来は経済統計にきちんと反映すべきものである。

しかし、以前に記事に書いた通り、中国政府は旧態依然とした供給サイドに偏重した補助金によって過剰生産だけで経済をどうこうしようとしているわけである。

【過去参考記事】

消費・輸出の裏付けなしで中国の生産主導の景気改善期待は続くのか?

つまり過剰生産されたものが、なんの所有権移転計画もなく、とりあえずごまかすために国境を越えているということを意味する。
在庫を貯められるうちは問題ないが、在庫貯蔵に限界が来たらもうそれでおしまいだ。
生産している間は確かにGDPはかさましできるが、消費されなければいずれ限界が来ることは明白だ。
そして、実際に在庫貯蔵に限界が来たから、中国の株価もそのことに感づいて下げているのであると考えるのが自然だろうと思う。

【香港ハンセン株価指数】
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