【年内1ドル=170円も。高まる通貨危機リスク】急激な円安の理由
↑Youtubeの動画に飛びます

人間を無視した経済政策・金融政策議論は無意味。

上記PivotのYoutubeの動画では、よく為替でメディアインタビューに出てくる元JPMの佐々木氏のインタビュー記事であるが、聞いていて非常に不快感極まりないと感じた。

内容としては昨今の円安についての話であるが、円安を止めるには日銀の利上げがすぐ必要だと主張する内容である。
1%~1.5%にまで利上げすればとりあえずは円高誘導できるという発言に加えて、極端なシナリオでは3%まで利上げがあり得る・円が大幅に売られるのでそのシナリオの蓋然性は高いというような発言をしていた。
さらに穏やかな利上げでは円が1ドル250円になるという極論まで発言している。
しかも、こういうシナリオを持っておきながら株については上がるとかいう意味不明な発言もしている。
まあ元JPMで長年勤めてきたから自分はお金をたくさん持っていて日銀が利上げしようがしまいが別に自分の財布には影響ないから、こういう現実から乖離した発言を何の熟慮もなしに言えるのだと感じたので、今日はこのことについてまとめていきたい。

金融政策・経済政策を考える上では様々な人間がおり、アクションを起こす際のインパクトを多角的に捉える必要性がある。
しかもそれは統計的な話だけでなく、そうしたアクションが人々に対してどのような感情を持たせるのかという数字では見えない部分を考慮する必要性がある。
よく「景気は気から」と言われるが、これは冗談ではなくまさしくそうだと個人的には思っており、なぜそう思うかは下記記事を読んでもらいたい。

【過去参考記事】
株価は上昇しているのに景気の改善を実感できないのはなぜなのか?

人間の気持ちに配慮した経済政策・金融政策が必須となっている世の中で、ちょっと為替が円安方向に傾いたからといって利上げを主張する人は前時代の頭しか持っていないとしか思えないし、非常に視野が狭いと言わざるを得ない。
特にこの日銀がさっさと利上げすればいいと言っているのは、繰り返しこのブログ記事では言及している変動金利でお金を借りていて、雇用の65%を担っている中小企業のことを完全に無視した経済・金融政策議論であり、このような暴論を素人ならともかく長年金融市場を見てきたプロが発言することからも、自称プロの多くはこのような傲慢・勘違いを平然と行うのだなと感じた。
こうした人間を無視した経済政策・金融政策議論というのは産業革命以降、何回も先進国の中央銀行が同じようにミスをし続けてきたわけだが、リーマンショックを越えてようやく先進各国の中央銀行が会得してきたものであり、これが中央銀行のフォワードガイダンスなどにつながっているわけである。
日銀の植田総裁も2000年の時に量的金融緩和の継続についての主張や昨今の金融政策決定会合にて地方経済のヒアリングもしっかり重視していることを明言していることからも、その重要性は高いことがわかる。

一方で、まだこういう極端な難しい局面に直面したことのない中国では人間を無視した金融政策が続いている。
不動産バブルが崩壊して、米国との対立で仕事が減りつつあるにもかかわらず、共産党に歯向かう力を持ちそうな大手ITを力で押さえつけて、既に崩壊した不動産バブルの再燃を懸念して金融緩和を躊躇し、借金で破綻しそうな地方政府を自己責任として切り捨てるという一世代前の先進国中央銀行の過ちを犯しており、これまで日本のバブル崩壊を学んできたとあれだけ主張してきたのは一体なんだったのかという話になっており、人間を無視した経済・金融政策議論が如何に有害であるかがわかると思う。

なので、こうした金融機関のエコノミストの予想というのは、その多くが自分は高給もらいなので現実を完全に無視して、今の統計の線形延長線上だけの話ですべてを理解した気になって世の中のことを分かった気でいる勘違い経済・金融政策議論は耳を貸すだけ無駄だし、肝心な投資判断さえ間違えかねないとまとめておきたい。
上記Youtubeの動画コメントを見ても、これに釣られて多くの素人が判断を間違った方向に誘導されていることも見ていただきたいところだ。

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