必ず上がると信じて「FIRE」を目指した人の末路…森永卓郎が勧める「バブル崩壊に強い資産」が「農地」である「納得の理由」
どこに納得できる理由があるのか?
昔から投資関連書籍や報道を見ると、時々現代経済の崩壊に対してどう対処するのかという議論になった時に、最終的な結論が「農地」という結論を出す人がいる。
上記森永氏の言説だけでなく、10~20年前なら船井総合研究所の創業者の書籍もそのスタンスだったし、世界三大投資家(自称で恥ずかしくないの?)のジムロジャーズも農作物コモディティと同様なスタンスなように思う。
しかし、個人的にこのDoom(末期世界)的観測というのは貨幣経済を異様に神様が作ったものとして捉えることによる過大評価と、人間という存在をあまりにも軽視している非常に邪悪な考え方であると考えている。
今回はこれについてまとめていきたい。
個人的にはこうした一見すると正しそうに見えるが、よくよく考えると全く見当違いともいうべきこういった人間社会において貨幣経済がぶっ壊れて物々交換に戻るような考え方で構築された意見というのを「原始社会原理主義者的思考」と捉えている。
まず、大体この最終的に農地と言い出す人についての論拠言説はこうである。
貨幣経済が壊れるために、貨幣でしか取引をしていない人は食料を買うこともできなくなるので、食料を生産するための農地を得ている人(あるいは農作物自体)が最強という論理である。
しかしちょっと待ってもらいたい。
そういうことを言及している人は現代の農業というのが複雑なサプライチェーンで構築されていることをご存じないのだろうか?
農地で農作物を栽培するために必要な農業機械はどう調達するのか?
肥料はどうするのか?
種子や農薬はどうするのか?
栽培した農作物はどう保管して輸送するのか?
これだけでも農業機械・肥料関連の化学産業・種子ビジネス・農薬ビジネス・輸送ビジネス・保管・物流と高度産業が関わっている。
そしてこれら産業は貨幣経済を前提として組まれている。
これら産業なしで現代農業は上手くいかないわけであるが、原始社会原理主義的思考をしている人達の論拠から考えるとこれら産業も崩壊するわけで、この時点で論理が破綻している。
こういった産業を一切無視して鋤や鍬で畑を耕して農作物を生産するのか?
それをスターリン時代とか毛沢東時代にやって多数の餓死者が出たのではなかったのか?
そんな事態になるぐらいなら通貨を一度ハイパーインフレさせて借金帳消しにして全てを仕切り直せば良いのである。
貨幣経済が一度リセットされたところで、これまで構築されてきた高度産業は形として残っているわけであり、再スタートはいくらでもできる。
貨幣経済自体がそもそも人間が構築したものであり、神様でもなんでもなく、いくらでも再スタートを切れる。
しかし、貨幣経済がどうなろうが、どうやったら社会をよくする形で金儲けできるかを考えて前に進もうという人間はいくらでもいるわけで、原始社会原理主義者的思考者の根源には人間という存在自体を軽視していて、制度というものを神格化しすぎな、どこかズレた思考をしている人間だと言えると思う。
そういった全くもって間違った社会の構築され方を考える人の意見なんていうのがはたして投資の役に立つのかどうかと考えれば、少し考えればすぐわかるものだと思われる。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
どこに納得できる理由があるのか?
昔から投資関連書籍や報道を見ると、時々現代経済の崩壊に対してどう対処するのかという議論になった時に、最終的な結論が「農地」という結論を出す人がいる。
上記森永氏の言説だけでなく、10~20年前なら船井総合研究所の創業者の書籍もそのスタンスだったし、世界三大投資家(自称で恥ずかしくないの?)のジムロジャーズも農作物コモディティと同様なスタンスなように思う。
しかし、個人的にこのDoom(末期世界)的観測というのは貨幣経済を異様に神様が作ったものとして捉えることによる過大評価と、人間という存在をあまりにも軽視している非常に邪悪な考え方であると考えている。
今回はこれについてまとめていきたい。
個人的にはこうした一見すると正しそうに見えるが、よくよく考えると全く見当違いともいうべきこういった人間社会において貨幣経済がぶっ壊れて物々交換に戻るような考え方で構築された意見というのを「原始社会原理主義者的思考」と捉えている。
まず、大体この最終的に農地と言い出す人についての論拠言説はこうである。
貨幣経済が壊れるために、貨幣でしか取引をしていない人は食料を買うこともできなくなるので、食料を生産するための農地を得ている人(あるいは農作物自体)が最強という論理である。
しかしちょっと待ってもらいたい。
そういうことを言及している人は現代の農業というのが複雑なサプライチェーンで構築されていることをご存じないのだろうか?
農地で農作物を栽培するために必要な農業機械はどう調達するのか?
肥料はどうするのか?
種子や農薬はどうするのか?
栽培した農作物はどう保管して輸送するのか?
これだけでも農業機械・肥料関連の化学産業・種子ビジネス・農薬ビジネス・輸送ビジネス・保管・物流と高度産業が関わっている。
そしてこれら産業は貨幣経済を前提として組まれている。
これら産業なしで現代農業は上手くいかないわけであるが、原始社会原理主義的思考をしている人達の論拠から考えるとこれら産業も崩壊するわけで、この時点で論理が破綻している。
こういった産業を一切無視して鋤や鍬で畑を耕して農作物を生産するのか?
それをスターリン時代とか毛沢東時代にやって多数の餓死者が出たのではなかったのか?
そんな事態になるぐらいなら通貨を一度ハイパーインフレさせて借金帳消しにして全てを仕切り直せば良いのである。
貨幣経済が一度リセットされたところで、これまで構築されてきた高度産業は形として残っているわけであり、再スタートはいくらでもできる。
貨幣経済自体がそもそも人間が構築したものであり、神様でもなんでもなく、いくらでも再スタートを切れる。
しかし、貨幣経済がどうなろうが、どうやったら社会をよくする形で金儲けできるかを考えて前に進もうという人間はいくらでもいるわけで、原始社会原理主義者的思考者の根源には人間という存在自体を軽視していて、制度というものを神格化しすぎな、どこかズレた思考をしている人間だと言えると思う。
そういった全くもって間違った社会の構築され方を考える人の意見なんていうのがはたして投資の役に立つのかどうかと考えれば、少し考えればすぐわかるものだと思われる。
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かといってハイパーインフレの過程では社会が大混乱し高度産業も外資に買われてしまうと思います。