東証REIT指数が3年ぶり安値、日銀利上げに警戒感

まだ売りが続くかもしれないけど、ここより下は底値買いプレイヤーが出現することを期待。

株価が上昇する一方で不調続きが目立つのがJREITであり、その不調具合は下記チャートを見てもわかる次第である。

【東証REIT指数のチャート】
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このJREITの売りの犯人はわかっている。
まず間違いなく地銀である。
なぜ地銀はJREITを売却する必要性があるのか?
理由はいくつかあるが、最も大きな理由は米国債金利が前年度末(2023年3月末)と比べて高い位置にあることだと思う。

【米国5年債金利のチャート】
タイトルなし

金利が高いということは外債投資が損失になっているわけで、この損失はこのままだと決算に反映させなければいけない。
そうなると決算末に他に利益が出ている資産を売却と合わせて損切りすることによって帳尻を合わせなければいけない。
そして地銀のポジションは大体多い順にいうと円債>外債>JREIT>株となるわけだが、リスクウェイトの観点から考えると株を大量に持っているということはまずない。
円債はきちんと順イールドになっているので、一応満期まで持てばきちんと利益が出るはずなのでここでは売りたくない。
そうなるとJREITを売却するという結論になるわけで、全員が同じような結論になっているがために2月真ん中の週あたりからJREIT売りが多くなっていると推察される。

しかし、JREIT自体のファンダメンタルズはさほど変化していない。
別に物件価格が激しく下落しているわけでもないし、賃料収入もきちんと得られている。
そのために、単純に投資口価格だけ下落しているために、NAV0.9倍割れ・配当利回り4.75%という久方ぶりな数値になってきている。

【NAV倍率推移】
https://j-reit.jp/market/08.html

個人的には一つの投資判断基準にしている下記過去参考記事のような見方でも狙えるのではないかという水準になってきた。

【過去参考記事】
どのようにして株式相場で投げ売りされていると判断すべきか注目すべき3つのポイント

日経新聞でもJREITの不調が報じられてきていることから、誰が見てもJREITに投資需給が悪いことは明らかであるが、売っている犯人がわかっていて、売っている理由もわかっているので、あとは誰が底値をがばっと拾いにいくかを観察するだけであった。

そこでここもとはずっと東証REIT指数に連動するETFである1343の5分足を見ながら、出来高が連発して地銀が同時に損切りに追い込まれている状況+それをがばっと拾いに行くプレーヤーの出現が見れるのを待っていた。
それが出現したと思われるのが2/22の木曜日の動きで見れたのではないかと下記出来高推移と見ていて感じたので、ここでポジションをいくらか拾ってみた。

【1343の5分足チャート】
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もちろんこの判断は間違いかもしれないが、少なくともここから下の値段は配当利回り5%という水準があるわけで、積極的に底値買いしようとするプレイヤーが続出してくれる可能性は高いと思うわけで、それを背にして戦うことは十分可能だと個人的には判断している。
外国人投資家からすればドルスワップすれば配当利回り5%+為替ヘッジプレミアム5%=10%の利回りが完成するわけで、これは外国人投資家も食指が働くのではないかと期待したい。

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