中国最大の証券会社が空売りを制限、相場急落後-関係者
現在売っている主体を考えればほとんど意味なし。
中国株の下落が続いているが、これに対して中国当局もかなり危機感を抱いているようで、国家隊出動させて買い支えしたり、上記のように空売りを制限する方向で動いていたりする。
今回はこの空売り制限、あるいは売り禁というのは意味があるのかどうかをまとめていきたい。
【CSI300の株価チャート】

普通に考えれば空売り制限をかける時というのは大体相場が強烈に下落している時である。
この相場が強烈に下落している時に、ヘッジファンドが大量空売りしているせいで下がっているみたいな妄想を当局は持ってしまうことが多いし、よくXでも持株が強烈下落すると「これは悪の機関によるショートで下落している!」という妄言を叫んだままずるずると下落を食らっているのがよく見られる。
しかし、個人的には実際は大半の空売りは純粋に株価下落に賭けて儲けようとするプレーヤーのものではないと考えている。
なぜなら、ネイキッドショート、いわゆる純粋に空売りポジションだけ持つのは無限に踏まれる可能性のあるリスクがあり、よっぽどの確信がないとできないし、そんなリスクを大量に取ることができるプレーヤーもそんなに多くはない。
実際には空売りの多くはロングポジションをヘッジするためのものである。
特に機関投資家の場合はロングをヘッジするためにショートを活用するなんてことは日常的な話で、これが円滑な市場流動性を保っているのである。
しかし、全面的に空売りを禁止してしまうとどうなるだろうか?
保有しているロングポジションをヘッジする手段が奪われてしまうため、そうなるともう手持ちのロングポジションを投げ売るしかなくなるのである。
特に有利子負債の返済が迫っていて、現金を確保しなければいけない時に売り禁されるとどんな値段だろうが関係なく投げ売るしか手段がなくなる。
今のところ完全禁止になっているわけではないが、これからさらに制限される方向になると市場参加者が予想すれば、もうなりふり構ってられず先んじて現物売りに回るしかない。
ここまで読んでもらえればわかるだろうが、ロングポジション保有者が苦しい時に売り禁しても結局売られるのでほとんど意味がないのである。
悪質ショートを締め出すのであればアップティックルールぐらいしか正直有効な手段がない。
というわけで、不動産バブルが崩壊し、過大な有利子負債を返済するためにあらゆるプレーヤーが保有資産を売って現金化しなければいけない時に売り禁にしてもほとんど意味がなく、これで中国株の下落が止まると思うのは浅はか以外の何物でもなく、ロングポジション保有者が有利子負債返済のための資産投げ売り現金化を止める手立てを打たなければ引き続き中国株は下落を続けるだろうと思われる。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
現在売っている主体を考えればほとんど意味なし。
中国株の下落が続いているが、これに対して中国当局もかなり危機感を抱いているようで、国家隊出動させて買い支えしたり、上記のように空売りを制限する方向で動いていたりする。
今回はこの空売り制限、あるいは売り禁というのは意味があるのかどうかをまとめていきたい。
【CSI300の株価チャート】

普通に考えれば空売り制限をかける時というのは大体相場が強烈に下落している時である。
この相場が強烈に下落している時に、ヘッジファンドが大量空売りしているせいで下がっているみたいな妄想を当局は持ってしまうことが多いし、よくXでも持株が強烈下落すると「これは悪の機関によるショートで下落している!」という妄言を叫んだままずるずると下落を食らっているのがよく見られる。
しかし、個人的には実際は大半の空売りは純粋に株価下落に賭けて儲けようとするプレーヤーのものではないと考えている。
なぜなら、ネイキッドショート、いわゆる純粋に空売りポジションだけ持つのは無限に踏まれる可能性のあるリスクがあり、よっぽどの確信がないとできないし、そんなリスクを大量に取ることができるプレーヤーもそんなに多くはない。
実際には空売りの多くはロングポジションをヘッジするためのものである。
特に機関投資家の場合はロングをヘッジするためにショートを活用するなんてことは日常的な話で、これが円滑な市場流動性を保っているのである。
しかし、全面的に空売りを禁止してしまうとどうなるだろうか?
保有しているロングポジションをヘッジする手段が奪われてしまうため、そうなるともう手持ちのロングポジションを投げ売るしかなくなるのである。
特に有利子負債の返済が迫っていて、現金を確保しなければいけない時に売り禁されるとどんな値段だろうが関係なく投げ売るしか手段がなくなる。
今のところ完全禁止になっているわけではないが、これからさらに制限される方向になると市場参加者が予想すれば、もうなりふり構ってられず先んじて現物売りに回るしかない。
ここまで読んでもらえればわかるだろうが、ロングポジション保有者が苦しい時に売り禁しても結局売られるのでほとんど意味がないのである。
悪質ショートを締め出すのであればアップティックルールぐらいしか正直有効な手段がない。
というわけで、不動産バブルが崩壊し、過大な有利子負債を返済するためにあらゆるプレーヤーが保有資産を売って現金化しなければいけない時に売り禁にしてもほとんど意味がなく、これで中国株の下落が止まると思うのは浅はか以外の何物でもなく、ロングポジション保有者が有利子負債返済のための資産投げ売り現金化を止める手立てを打たなければ引き続き中国株は下落を続けるだろうと思われる。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック