日銀、追加の緩和修正見送り 金融政策の現状維持を決定

正常な金融政策での利上げについては、結構遠そうだしペースも緩やかなものになると思う。

日銀の金融政策決定会合については、この前段階でマイナス金利解除の報道などもあり色々思惑はあったものの、今回の政策決定会合では特段変化はなかった。
今後毎回日銀の金融政策決定会合は変化がないか注目され、市場予想でもマイナス政策金利解除は前倒しになっているものの、プラス領域での政策金利引き上げについては、繰り返しになっているが拙速な引き上げはしないと考えている。
その理由については単にインフレ率・為替以外にも要因があるので、それについて言及していきたいと思う。

多くの人は政策金利の引き上げで住宅ローン金利上昇でタワマン買ってる人は破綻(笑)みたいな反応が大半だ。
しかし、変動金利で金を借りているのは何も住宅を購入している個人だけではない。
中小企業も基本的には変動金利で金を借りているのである。
もちろん完全な変動金利ではないこともあるが、銀行の融資というのは大体1~3年ゾーンに固まっているわけで、借り換えを行う度に現在の短期金利水準に合わせた融資金利を設定される。
5年とか10年とか30年とかの長い期間で固定で金を借りれるのは、基本的に大企業と住宅ローン借りる人だけの特権なのである。
(あとは奨学金とかもこれに含まれるかも)

そして日本の金融構造は大企業を除けば基本的には間接金融、つまり銀行借り入れに全面的に依存しているものとなっている。
そういった意味で、利上げというのは雇用の7割を占める中小企業に直接的にダメージを与えるものになる。
ようやく労働需給のバランスが取れてきて賃上げ機運が生まれているのに、拙速に利上げをして中小企業にダメージを与えて雇用需要を冷やしてしまうと、せっかく見えた持続的なインフレ率2%の達成が再び見えなくなってしまう。

こういったことから、現状はマイナス金利やYCCなどの異常な金融政策かつ中小企業の融資金利への影響が低いところについては順次撤廃していく可能性が高いが、雇用に直接的に影響を与える中小企業への融資金利上昇になる政策金利引き上げまではかなり着手しづらいのではないかと考える。
少なくとも、日本のデフレマインドが払しょくし始めたのが2022年からというのを考えると、これまで30年間のデフレ分を是正するのにすぐに政策金利引き上げに着手するというのは時期尚早なのではないかと考え、基本はビハインドカーブしていくという予想で良いと思う。

日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック