拡大する米財政赤字、際限見通せず-物価と金利高止まりの可能性
事情はわかるんだけど、なんで真逆を向くのか普通に考えるとよくわからない。
財政支出というのは支出した分の一定程度はGDP成長率に寄与する他、需要についても影響を与えるものであり、政府支出というのは経済成長を決める一要因である。
その中で現在世界では不思議な現象が起きている。
当ブログでは何回も書いてきたが、中国は財政支出拡大が最も必要とされている国である。
不動産バブルが崩壊して次々と不動産デベロッパーがデフォルトし、住宅ローンを抱えている人は将来の不安から住宅ローンを繰上げ返済し、外国人は習近平を全く信頼できない人物として対中国への投資を減らし、米国は中国との貿易依存を減らすための様々な政策を発動させている。
こうした中で中国の内側からも外側からも中国経済を活性化させるような自律的な力は存在するわけでなく、政府が内需喚起するしかもはや経済を立て直す手段がない。
にもかかわらずしばき上げ精神である習近平はどうにか財政支出をせずに済む方法を未だ模索しており、財政支出に踏み切れておらず、外国人投資家からは「なんであのくまのプーみたいな野郎はあんな頭悪いの!?」と信頼を失い続けている。
一方で、強烈デフレのため、国債はまだ世界各国で金利が高止まりしている中で、金利が上昇するリスクなんてほとんどないだろということや、銀行が貸し出せるところがないために国債を購入していることもあり、中国の国債金利は長いところから順当に切り下がってきている。
一方で米国は完全にこれと真逆である。
ご存じの通り、米国はコロナ禍でばらまいた過剰貯蓄とモノの供給の少なさから過剰需要になっており、これがインフレ圧力を生み出しているのはご存じの通りだ。
インフレ圧力に対応するためにFRBは必死になって金融引き締めをしているわけであるが、この努力を相殺するかのように米国政府は拡張的な財政支出を続けている。
もちろん脱中国のためにモノの供給能力整備のために、CHIPS法やらインフラ投資やらと色々政府補助金を出すような政策を出しているわけであるが、政府の赤字はGDP成長率に寄与してしまうため、これが一部過剰需要を続けさせてしまう要因になってしまっている。
特に上記のブルームバーグニュースにある通り、一般的に政府支出は景気が弱い時に支出が拡大されていたものであるが、昨今はまずまずの景気であるにもかかわらず、まるで不景気時かのような財政支出を続けている。
【米国財政赤字の推移(対GDP比)】
一般的にはFRBが金融引き締め時は好況であるために、政府も財政支出は控えめにすることで素直にFRBの金融引き締め政策に効果が出るわけであるが、今回はそのケースに全くあてはまらない状態になっており、FRBから見れば「米国政府は本当にインフレとか気にしてるのか!?」と文句言いたくなる状況である。
このように現在世界ではGDP世界2位で財政支出すべき国が財政支出しておらず、GDP世界1位で財政支出すべきでない国が財政支出しているというあべこべな現象が起きている。
投資家の考える「べき論」と全く逆を向いていることは、投資家の「予想外」を生む結果となってしまっている。
これがこれまで中国に対する投資家の投資判断と米国に対する投資家の投資判断を狂わせてきた一要因として考えられると思う。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
事情はわかるんだけど、なんで真逆を向くのか普通に考えるとよくわからない。
財政支出というのは支出した分の一定程度はGDP成長率に寄与する他、需要についても影響を与えるものであり、政府支出というのは経済成長を決める一要因である。
その中で現在世界では不思議な現象が起きている。
当ブログでは何回も書いてきたが、中国は財政支出拡大が最も必要とされている国である。
不動産バブルが崩壊して次々と不動産デベロッパーがデフォルトし、住宅ローンを抱えている人は将来の不安から住宅ローンを繰上げ返済し、外国人は習近平を全く信頼できない人物として対中国への投資を減らし、米国は中国との貿易依存を減らすための様々な政策を発動させている。
こうした中で中国の内側からも外側からも中国経済を活性化させるような自律的な力は存在するわけでなく、政府が内需喚起するしかもはや経済を立て直す手段がない。
にもかかわらずしばき上げ精神である習近平はどうにか財政支出をせずに済む方法を未だ模索しており、財政支出に踏み切れておらず、外国人投資家からは「なんであのくまのプーみたいな野郎はあんな頭悪いの!?」と信頼を失い続けている。
一方で、強烈デフレのため、国債はまだ世界各国で金利が高止まりしている中で、金利が上昇するリスクなんてほとんどないだろということや、銀行が貸し出せるところがないために国債を購入していることもあり、中国の国債金利は長いところから順当に切り下がってきている。
一方で米国は完全にこれと真逆である。
ご存じの通り、米国はコロナ禍でばらまいた過剰貯蓄とモノの供給の少なさから過剰需要になっており、これがインフレ圧力を生み出しているのはご存じの通りだ。
インフレ圧力に対応するためにFRBは必死になって金融引き締めをしているわけであるが、この努力を相殺するかのように米国政府は拡張的な財政支出を続けている。
もちろん脱中国のためにモノの供給能力整備のために、CHIPS法やらインフラ投資やらと色々政府補助金を出すような政策を出しているわけであるが、政府の赤字はGDP成長率に寄与してしまうため、これが一部過剰需要を続けさせてしまう要因になってしまっている。
特に上記のブルームバーグニュースにある通り、一般的に政府支出は景気が弱い時に支出が拡大されていたものであるが、昨今はまずまずの景気であるにもかかわらず、まるで不景気時かのような財政支出を続けている。
【米国財政赤字の推移(対GDP比)】
一般的にはFRBが金融引き締め時は好況であるために、政府も財政支出は控えめにすることで素直にFRBの金融引き締め政策に効果が出るわけであるが、今回はそのケースに全くあてはまらない状態になっており、FRBから見れば「米国政府は本当にインフレとか気にしてるのか!?」と文句言いたくなる状況である。
このように現在世界ではGDP世界2位で財政支出すべき国が財政支出しておらず、GDP世界1位で財政支出すべきでない国が財政支出しているというあべこべな現象が起きている。
投資家の考える「べき論」と全く逆を向いていることは、投資家の「予想外」を生む結果となってしまっている。
これがこれまで中国に対する投資家の投資判断と米国に対する投資家の投資判断を狂わせてきた一要因として考えられると思う。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック