FOMC声明要旨「米国経済は穏やかに拡大」

ボラティリティ低下は市場に良い兆候。

昨日注目されていたFOMCがあったので、記者会見動画も見ながらまとめていきたいと思う。

【FOMC記者会見動画】
https://www.youtube.com/watch?v=xAlDoqX3RFg&t=1136s

記者会見冒頭に述べている内容は前回とほぼ全く同じ内容となり、
また、今回はドットプロットについても特段変更がなく、この時点でもうなんか相場が荒れる感じというのはほとんどないと予感させる記者会見スタートであった。

【過去参考記事】

ドットプロットはタカ派で記者会見はハト派な米国FOMC


記者の質問に対する回答もさらっていきたい。
記者の先行き利上げはあり得るのかという質問に対しては、次回ミーティングまで2ヵ月あり、雇用とインフレデータは2回見ることができるので、全てはデータ次第で現状は何も決まっていないというのが正直なところなようだ。
雇用需給については冒頭ではタイトと言っているが、徐々に軟化していることも認めるような発言をしていた。
また、一部ツイッターではもう住宅価格について再度上昇する心配をする声も出ているが、パウエル議長は若干価格のピックアップが見えているが、金融引き締めによる高利率なモーゲージ金利によって、これはおさえられていると発言しており、現在の住宅価格動向程度で特段金融政策方針を変えるという観測は否定されたように思われる。
総じて利上げを追加するよりも、高めの政策金利水準を継続するに留めたいというニュアンスが強かった。

一番心強かったのは、記者からソフトランディングの自信はあるのかという問いについて、パウエル議長は個人的なビューとしたうえで、インフレ率を2%に抑えながら大きいショックを伴わないような着地を見出すことは可能だとはっきり言い切ったことにあり、これはこれまでの記者会見の中ではここまで自信のある回答はしてこなかったように思う雰囲気であった。
記者会見からは感じれることとしては、FRBにとっても先行き予見状況について、以前よりも確信度が上昇しているように思われる。
個人的にもソフトランディング路線で考え方は良いと思っており、下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
景気のハードランディングはどのように発生するのか?米国景気はハードランディングするのか?

総合的に見れば、ここから異常な雇用・インフレデータが出てこない限りは今回の利上げが最後と見るべきだろうと思う。
これに伴って、VIXはともかくとして、最後の弱気派閥が存在するMOVE指数が低下した。

【MOVE指数のチャート】
タイトルなし


昨日は金利も株式もこのFOMCに対する反応はかなり限定的で傍から見るとどっちつかずなのかなあという風に見えるが、MOVE指数の低下は米国債金利の居所について市場参加者の目線が揃い始めていることの証左であり、そうなるとあとはECBと日銀の金融政策決定会合が無難に通過すれば、年後半に向けて残りの悲観論者を置いてけぼりにするようなリスク資産価格の上昇が見られると思う。

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