FRB、11会合ぶり利上げ見送り 残り2回の追加を示唆
https://www.youtube.com/watch?v=L61NSlLRGe8
↑FOMCのYoutubeライブミーティングアーカイブ
一見タカ派に見えたが、そこまでタカ派でなかった内容でした。
注目されていた米国FOMCミーティングについて、政策金利は市場予想通り据え置かれたものの、併せて発表されたステートメント・ドットプロット・SEP見通しでインフレ率についてはまだ2%到達まで幅があり、これに対してFRBメンバーの年末政策金利見通しは前回までの5.1%から5.6%に引きあがり、あと2回の利上げがあることが前提ではないかという形でこれはタカ派だと認識されて、発表直後は少し大きめに株価下落と手前側金利を中心に上昇する形となった。
しかし、このドットプロット上であと2回の利上げ見通しというのに対して、やはり多くの人が不可解に感じていたことから、記者会見での記者からの質問は以下に集中した。
・今回利上げをポーズしたにもかかわらず、ドットプロット上の利上げ回数が増えているのはなぜなのか?(つまり今回なぜ据え置いたのかと聞いている)
・7月のFOMCまでに出てくる新しい統計データはほとんどないのだが、次回はどうするつもりなのか?
特にドットプロットの引き上げの根拠となっている労働市場はエクストリームタイトというFRBの認識については、下記過去記事にも書いた通り既に実体経済に対して認識が遅れていると述べてきたので、記者の質問についてそりゃそこらへん聞きたくなるよねと思う次第である。
【過去参考記事】
・これまではスピード重視で金融引き締めしてきたが、スピード重視のステージは既に終わっている。
・2回の利上げというのは決め打ちではない。
ドットプロット上の政策金利見通し引き上げに対して、記者会見ではなんとも柔軟な姿勢を示したわけである。
経済統計データが変われば、いつでも態度を翻すと実質的に言っているわけである。
ドットプロットだけ見るとすごくタカ派に見えるのだが、記者会見での説明は「そうは言っても市場には配慮しますよ」と必ずしもドットプロット通りに利上げをするわけではないというのを強調していた。
ようは年末利下げ織り込みについて釘を刺した程度で、必ずしも利上げを絶対に完遂しなければいけないとはそこまで考えていない雰囲気が非常に強かった。
市場としても必ずしも2回じゃなくて、これはあと1回の方が濃厚なんではなかろうかと考える向きが強いように思われる。
これを受けて政策金利・ステートメント・ドットプロット・SEP見通し発表直後は若干深めに株価が下落し、金利も手前側中心に上昇したが、この記者会見を通じて必ずしも利上げありきのスタンスではないなこれということで幾分か株価の下落と金利上昇は巻き戻っていった。
総じていえば、株の投資家が興奮するような金融引き締め完全停止モードとはならなかったものの、インフレ再燃株暴落論者が唱えるほど利上げについては切迫感があるようには感じられない不思議なミーティングで、そこまで株価に対して悪さを起こすような内容ではないんではないかと感じたわけである。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
https://www.youtube.com/watch?v=L61NSlLRGe8
↑FOMCのYoutubeライブミーティングアーカイブ
一見タカ派に見えたが、そこまでタカ派でなかった内容でした。
注目されていた米国FOMCミーティングについて、政策金利は市場予想通り据え置かれたものの、併せて発表されたステートメント・ドットプロット・SEP見通しでインフレ率についてはまだ2%到達まで幅があり、これに対してFRBメンバーの年末政策金利見通しは前回までの5.1%から5.6%に引きあがり、あと2回の利上げがあることが前提ではないかという形でこれはタカ派だと認識されて、発表直後は少し大きめに株価下落と手前側金利を中心に上昇する形となった。
しかし、このドットプロット上であと2回の利上げ見通しというのに対して、やはり多くの人が不可解に感じていたことから、記者会見での記者からの質問は以下に集中した。
・今回利上げをポーズしたにもかかわらず、ドットプロット上の利上げ回数が増えているのはなぜなのか?(つまり今回なぜ据え置いたのかと聞いている)
・7月のFOMCまでに出てくる新しい統計データはほとんどないのだが、次回はどうするつもりなのか?
特にドットプロットの引き上げの根拠となっている労働市場はエクストリームタイトというFRBの認識については、下記過去記事にも書いた通り既に実体経済に対して認識が遅れていると述べてきたので、記者の質問についてそりゃそこらへん聞きたくなるよねと思う次第である。
【過去参考記事】
Indeedの親会社リクルートの決算コメントから考える米国求人動向
これに対するパウエル議長の回答としては、以下に集約された。・これまではスピード重視で金融引き締めしてきたが、スピード重視のステージは既に終わっている。
・2回の利上げというのは決め打ちではない。
ドットプロット上の政策金利見通し引き上げに対して、記者会見ではなんとも柔軟な姿勢を示したわけである。
経済統計データが変われば、いつでも態度を翻すと実質的に言っているわけである。
ドットプロットだけ見るとすごくタカ派に見えるのだが、記者会見での説明は「そうは言っても市場には配慮しますよ」と必ずしもドットプロット通りに利上げをするわけではないというのを強調していた。
ようは年末利下げ織り込みについて釘を刺した程度で、必ずしも利上げを絶対に完遂しなければいけないとはそこまで考えていない雰囲気が非常に強かった。
市場としても必ずしも2回じゃなくて、これはあと1回の方が濃厚なんではなかろうかと考える向きが強いように思われる。
これを受けて政策金利・ステートメント・ドットプロット・SEP見通し発表直後は若干深めに株価が下落し、金利も手前側中心に上昇したが、この記者会見を通じて必ずしも利上げありきのスタンスではないなこれということで幾分か株価の下落と金利上昇は巻き戻っていった。
総じていえば、株の投資家が興奮するような金融引き締め完全停止モードとはならなかったものの、インフレ再燃株暴落論者が唱えるほど利上げについては切迫感があるようには感じられない不思議なミーティングで、そこまで株価に対して悪さを起こすような内容ではないんではないかと感じたわけである。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック