Breaking: US Nonfarm Payrolls increase 339,000 in May vs. 190,000 expected

笑っちゃうぐらい米国株投資している人にとって都合が良い。

月初から続々とインフレ鈍化の証拠となる米国経済統計が続いていたことは、当ブログ読者であれば既知の話であるが、昨日はそこにさらに米国雇用統計が発表ということで注目されていた。

【過去参考記事】

米国雇用統計前にインフレ低下証拠となる統計が続々と出現


内容を見ると、これはさすがに株式投資家に都合が良すぎて、わざと統計いじってるんじゃないかと笑っちゃうぐらいな内容となった。
まず非農業雇用者数は33.9万人増加と市場予想19.5万人をそこそこ上回る内容となった。
民間雇用者数でも市場予想16.8万人増加に対して28.3万人と実際に内容としては強い。
じゃあ雇用需給ひっ迫しているから、これはインフレ再来でFRB金融引き締め継続で米国株暴落!っと早とちりしてはいけない。
失業率は市場予想3.5%に対して3.7%に増加している。
そして平均時給の伸び率も市場予想4.4%から4.3%と下回った。

これが意味することは確かに雇用者数という絶対数値だけでいうとそこそこ雇用需給はタイトである。
しかし、失業率が予想以上に増加していることから、これまで働く希望を出していなかった人が働き始めているということになる。
つまりコロナ給付金が切れて働かざるを得なくなっているということである。
そして求職者が増加している一方で、雇う側もとにかく高い金を払ってまで雇うというインセンティブが減少していることから、平均時給の伸び率はじわじわ低下している。
そして、この雇用統計自体はIndeedの状況を考えると、既に2ヵ月以上遅行している統計であるので、来月以降はもっと内容としては緩んでいく方向は間違いない。

以上からFRBは様子見姿勢を取ることができる状態にある。
FRBは様子見姿勢だが、経済は総崩れというほどは崩れる感じがしないという、これは株式投資家にとってみればインフレが落ち着きながら経済は持ちこたえていて、企業はリストラによるコスト減で増益しているという、まさにパラダイスで何買っても損する方が難しいという状況になっている。
債券金利もドルもこの内容では最初の反応こそ債券金利上昇・ドル上昇が少し見られているが、そんなに長続きするような感じでもなく、方向感なくうろうろする程度だろう。
その程度では米国株上昇を止めるほどの威力はないだろう。
しかも内容としてはこれまではナスダックが先行して上昇する形であったが、シクリカル銘柄が息を吹き返すので、S&P500やダウがナスダックに連れ高する流れになりそうである。

そうなると、これまでごく一部の銘柄しか上昇してなかったから相場は間違っていると主張していた人達は一体何を見て相場は間違っていると強がっていたんでしたっけとなり、引き続き下記に想定していた相場の流れが継続していくものと考える。

【過去参考記事】

2022年6月~10月に株売った人達全員が焼かれる相場に突入


まあ結局は去年10月にどこを見ても株を買う要素なんてないよねと皆が思ったところからあれよあれよと株価が先行的に戻っていき、経済統計もこの流れをフォローする形で動いている。
この辺の考え方は下記を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
なぜ株価は傍から見れば最悪な経済状況・タイミングで底打ちするのか

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