米債務上限合意で円安・株高継続か リスク志向強まる
単なる政治ショーの終了。
日曜日の日本時間午前の段階でこれまで相場の重しになっていた米国債務上限について、原則合意の方向で5/31に妥結するという報道が出てきて、金曜日時点で米国株大幅高だったのに、月曜日になってさらに先物ベースで上昇する形になった(月曜日は米国株休場)。
今回のドタバタ騒ぎを見ると、そもそも債務上限問題ってなんでここ数年クローズアップされているのか・今後債務上限で合意できないというケースが生じる可能性があるのかというのを、過去の経緯からきちんと検証しておく必要性があると思うので、今回はそれについてまとめていきたい。
そもそもこの米国債務上限問題は、1917年に債務上限を定める法律が制定され、新しく債務を増やす際に議会を通す必要性があるという形になって以降は、1960年以降は過去80回にわたって引き上げを繰り返してきた伝統行事的な側面がある。
しかし、この債務上限問題については2011年以降に度々相場を揺るがすトピックスとして挙がってきている。
その背景としては、リーマンショックを機会に政府債務・税金という部分が政治的な問題に発展していることに起因している。
リーマンショックの時は巨額の税金を使って巨額報酬をむさぼってきた金融機関を救済してきたということもあり、この税金の使い方についてティーパーティー運動という政治問題に発展する運動が2009年より勃発した。
【参考ページ】
リーマンショック以前はこうした運動が起きていなかったことから、債務上限の際には特段政治ショーをする必要性がなく、債務上限引き上げについて特段問題は起きてこなかった。
しかし、リーマンショック以降はティーパーティー運動を発端として、債務上限引き上げ時には野党が債務上限引き上げに抵抗を見せることによって政治的パフォーマンスを見せて票を稼ぐという手段が有効となってしまった。
このことが2011年以降債務上限期限が近付くにつれどたばた騒ぎが米国で起きる原因である。
特に、小さな政府をめざす共和党が野党の時は民主党の拡張的な財政政策に対して期限ぎりぎりまで反抗して、支持者にアピールするというインセンティブが高く、今回も御多分にもれずそうした流れとなった。
ただし、2011年に変に政治ショーとして見せてしまったことからS&Pが米国債を格下げする米国格下げショックなるものが生じてしまったことは皆が知るところである。
この時は債務上限が政治問題に発展した初めてのケースということもあり、格付け会社と米国政府間でのコミュニケーションが十分でなかったと考えることができるだろう。
今回の債務上限問題でも多くの個人投資家が再び同様なことが起こるのではないかと危惧しているのはツイッターを見れば一目瞭然であった。
しかし、過去に犯した過ちをもう一度無防備に起こすほど米国政治家は馬鹿ではない。
想像するに、おそらく債務上限が近付いてきた時は格付け会社とコミュニケーションを取り、いつまでに債務上限を引き上げなければいけないかというデッドラインについてコミュニケーションを取っているはずである。
こうしたことを考慮すれば債務上限問題については政治ショーの範疇を超えることは今のところなく、VARなどで損切ラインがシビアな機関投資家ならともかく、単月どころか年単位で投資パフォーマンスを気にする必要性がない個人投資家がこんなしょうもない材料を不安がっていてどうすんだという話である。
特に一般人が心配するレベルである内容を米国政治家がみすみす愚行を犯すという考え方自体が、さすがに米国政治家を見くびりすぎという話だろう。
びびって利益確定したり、買いそびれたり、はたまた間違えてショートを入れた人などは目の前に転がっていた押し目を拾い損ねたと評価できるだろう。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
単なる政治ショーの終了。
日曜日の日本時間午前の段階でこれまで相場の重しになっていた米国債務上限について、原則合意の方向で5/31に妥結するという報道が出てきて、金曜日時点で米国株大幅高だったのに、月曜日になってさらに先物ベースで上昇する形になった(月曜日は米国株休場)。
今回のドタバタ騒ぎを見ると、そもそも債務上限問題ってなんでここ数年クローズアップされているのか・今後債務上限で合意できないというケースが生じる可能性があるのかというのを、過去の経緯からきちんと検証しておく必要性があると思うので、今回はそれについてまとめていきたい。
そもそもこの米国債務上限問題は、1917年に債務上限を定める法律が制定され、新しく債務を増やす際に議会を通す必要性があるという形になって以降は、1960年以降は過去80回にわたって引き上げを繰り返してきた伝統行事的な側面がある。
しかし、この債務上限問題については2011年以降に度々相場を揺るがすトピックスとして挙がってきている。
その背景としては、リーマンショックを機会に政府債務・税金という部分が政治的な問題に発展していることに起因している。
リーマンショックの時は巨額の税金を使って巨額報酬をむさぼってきた金融機関を救済してきたということもあり、この税金の使い方についてティーパーティー運動という政治問題に発展する運動が2009年より勃発した。
【参考ページ】
ティーパーティー運動 - Wikipedia
リーマンショック以前はこうした運動が起きていなかったことから、債務上限の際には特段政治ショーをする必要性がなく、債務上限引き上げについて特段問題は起きてこなかった。
しかし、リーマンショック以降はティーパーティー運動を発端として、債務上限引き上げ時には野党が債務上限引き上げに抵抗を見せることによって政治的パフォーマンスを見せて票を稼ぐという手段が有効となってしまった。
このことが2011年以降債務上限期限が近付くにつれどたばた騒ぎが米国で起きる原因である。
特に、小さな政府をめざす共和党が野党の時は民主党の拡張的な財政政策に対して期限ぎりぎりまで反抗して、支持者にアピールするというインセンティブが高く、今回も御多分にもれずそうした流れとなった。
ただし、2011年に変に政治ショーとして見せてしまったことからS&Pが米国債を格下げする米国格下げショックなるものが生じてしまったことは皆が知るところである。
この時は債務上限が政治問題に発展した初めてのケースということもあり、格付け会社と米国政府間でのコミュニケーションが十分でなかったと考えることができるだろう。
今回の債務上限問題でも多くの個人投資家が再び同様なことが起こるのではないかと危惧しているのはツイッターを見れば一目瞭然であった。
しかし、過去に犯した過ちをもう一度無防備に起こすほど米国政治家は馬鹿ではない。
想像するに、おそらく債務上限が近付いてきた時は格付け会社とコミュニケーションを取り、いつまでに債務上限を引き上げなければいけないかというデッドラインについてコミュニケーションを取っているはずである。
こうしたことを考慮すれば債務上限問題については政治ショーの範疇を超えることは今のところなく、VARなどで損切ラインがシビアな機関投資家ならともかく、単月どころか年単位で投資パフォーマンスを気にする必要性がない個人投資家がこんなしょうもない材料を不安がっていてどうすんだという話である。
特に一般人が心配するレベルである内容を米国政治家がみすみす愚行を犯すという考え方自体が、さすがに米国政治家を見くびりすぎという話だろう。
びびって利益確定したり、買いそびれたり、はたまた間違えてショートを入れた人などは目の前に転がっていた押し目を拾い損ねたと評価できるだろう。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック


