PacWest shares extend gains on $2.6 bln real estate loan sale

金融危機みたいな全員駄目な感じではなく、虎視眈々と狙いを定めているプレーヤーが多い。

世間ではやはり先行き景気懸念は大きい・リセッションはもう間近ということで、引き続きここで投資するのは危険・リセッションなら米国債・MMF購入が良いといった非常に保守的な意見が多い。
(さすがにショートポジション握り続けろと言ってた人達は絶滅しかかっている)
しかし、その言説の大半は統計などの無味乾燥なハードデータに基づくものばかりで、実際の経済活動をきちんと見ていないなと思う事象が足下でいくつか発生している。

具体的に言うと、過剰債務を抱えていて借入金を返済することを迫られてしまっている企業と、逆に資金を余らせていて儲かる資産を安値で投資したいというプレーヤーのニーズの目線が徐々に合ってきたのか、過剰債務企業と投資プレーヤー(ハゲタカ的な性格が強い)の間で資産売却交渉がまとまるケースが増加してきている。
上記ロイター記事にある、次にベイルインに追い込まれる可能性が高いと見られているパックウェスト銀行がRoc360という投資ファンドに商業不動産ローンを26億ドル売却したと報道され、パックウェスト銀行の株価は上昇した。

さらに、他にはソフトバンクGが保有する投資ファンド・フォートレスを中東SWFファンドが買収するといった報道も入ってきている。

【参考ニュース】
ソフトバンクG 子会社の米投資ファンド「フォートレス」売却へ

この流れは非常に興味深い動きである。
多くの投資インフルエンサーはどうしても声が大きい人達の意見をピックアップしがちで、米国大手金融機関のエコノミストやらストラテジストやらレイダリオやら、ことあるたびにメディアに出てきて自分の意見を好き勝手述べる人達の意見をピックアップして、こんな著名人がこれだけ弱気なんだから相場は弱くなるに決まっているという、なんとも単純な結論を出しがちである。

しかし、普段メディアに出てこずに、虎視眈々と儲けるために非流動資産も含めて安値で資産購入するチャンスをうかがっている資金を余らせた投資プレーヤーは声が大きい人に隠れてたくさんいるわけで、そういった人達が段々と資産を売却したい人達との交渉に挑んでいるわけである。
そして交渉がうまくいけば、まとまったロットで安値で資産をがさっとかっさらっていっているのである。
彼らはメディアが軽々しく自分の意見を述べるような人達とは違い、まさに命がけで自らの資産を投じて行動に移しているわけで、彼らの行動を見る限りは「ここが金利の天井なんだから、ここでリスク資産を買わずしていつ買うのか」「他に資金を余らせているプレーヤーがいるので、ここで動かないと出遅れてしまう」という至極単純な理由で動いてきている。
日本でも、例えばオリックスは先行き景気警戒を持ってはいるものの、自分達の目線に合うプライスで資産売却提案が来れば買っていきたいと言っている。
実際に、そうした売却打診案件は来ているようで、過剰債務企業が余剰資金を保有する投資家に対して必死に現金化させてくださいと交渉行脚しているのがオリックス決算説明会音声からも確認できる。

こうした動きを総合的に考えるとド根性入れて資産を比較的長い期間保有する覚悟を決めている余剰資金を保有している投資家はそろりと投資再開に動いてきていると思われる。
これは金融危機が起こっている時には決して起こりえない動きであり、やはりベイルインしたSVBを買収したファーストシティズンズ銀行の成功を見たこと、SVBベイルインを受けてFRBの金融引き締めはストップしたことがいよいよリスク資産への投資再開を告げる号砲となったと言えるだろう。

こうしたことはテクニカル分析しかしていない人には決して理解できない内容である。
テクニカル分析を意味がないとは言わないが、こういう相場のステージが変わるという時は全く意味がないどころか、真逆のポジションを取ってしまいがちであることを肝に銘じるべきだろう。

【過去参考記事】
債券金利をテクニカル分析だけで判断することにはほとんど意味がない理由

これらを考慮して引き続き個人的には米国株・日本株について比較的浅い押し目でも拾っていくスタンスを継続したいと思う。

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