配当を増やせる潜在力がある銘柄は、配当を増やすと宣言するだけで株価は上昇する期待は高い。

四季報の新しい号をぱらぱら見ながら、今期の日本株はどうですかねえと見ているわけなのだが、以前から当ブログでは日本株は高配当株戦略がワークしそうと書いてきたが、引き続きその戦略がよさそうだと感じている。
その代表的な例として三ツ星ベルトを挙げたい。

【三ツ星ベルトの株価チャート】
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自分はそこまで詳しくは追っていないのだが、四季報最新号を見るとこの三ツ星ベルトは2021年3月期までの配当は一株当たり利益180円ぐらいに対して50円程度であり、まあ30%ぐらいといったところであった。

【参考書籍】

会社四季報 2023年2集 春号

株価に対してもせいぜい配当利回り2~3%という平々凡々な銘柄であった。
しかし、状況が大きく変わったのは2022年3月期からである。
ここから1株当たり配当金を50円から一気に143円とした。
これによって配当利回りは一気に3倍になるわけであり、株価がそのままだと配当利回り6~9%という数字になる。
さらに2023年3月期は240円出す予定であり、ほぼ一株当たり利益を全部株主還元で吐き出すという米国企業並みの株主還元手法を採用し始めた。
現在の株価でいうと配当利回りは6%だが、本格的に配当を増やす前の株価基準で見ると配当利回りは元々12%近くあり、そこから株価は倍になっていったということになる。

金融理論的に言えば配当や自己株買いというのはしてもしなくても、単に会社内で留保しているか外に出しているだけだから企業価値は変わらないと言われているが、同社の株価の上昇を見る限りそれは嘘っぱちだろうというのがわかる。
この世には配当利回りを見て、配当利回りが高い・かつその持続性が十分あることが見通しやすければ高配当利回り銘柄としてポートフォリオに組み入れるプレイヤーなんていうのはごまんといる。
(ただし、上記三ツ星ベルトの場合はもう配当還元性向が100%になっているので、限界点なわけであるので、限界点に達している銘柄については別途どうなのか考える必要性はある。)

これまで日本株についてはこうした株主還元が不十分であるという見方を外国人投資家からされていて、それは株主還元を抑制しながら借金はなるべく抱えないという米国から見るとあまりにも保守的すぎる財務戦略を採用していることにあった。
特に米国では株主資本より有利子負債の方が金融コストは低いわけなので、EquityとDebtをどのようにミックスさせて株主還元を最大化させるのかというのが、企業のEPS見通しと同じぐらい重要なものとなっていた。
資金を持て余した日本株企業がもし株主還元の考え方を変更して配当を増やすのであれば、三ツ星ベルトのような株価を色々な銘柄で見れるのではないかと思う。
そして、その株主還元の考え方を変えようとしているのが、昨今のPBR1倍以下の銘柄について政府・東証が促進している株主価値向上圧力である。

さらにもう一つ重要なのが習近平独裁政権のために中国がモノの供給拠点としてこれ以上依存するわけにはいかなくなったことに加えて習近平の自爆により、これまで中国に取られていた仕事を日本企業が取り返してきていることにある。
次の製造拠点と目されているインドは国の構造上まだその段階には至っておらず、垂直統合的製造が得意な日本企業の利益の確かさが2010~2020年より明らかに高くなっているわけである。

あとはどの段階でPBR1倍以下銘柄の企業が配当を増やすのかであり、それさえ見れればEPSは変化せずとも配当を増やした分だけ株価は上昇する期待がもてるわけである。

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