米2年金利、ブラックマンデー以来の下げ

この雰囲気なら4月か6月には解除できるのでは。

ここまで当ブログでは書いてきた通り、米国ではSVB破綻によって金融引き締めなんてもうしてる場合ちゃうやろということで、大きくFRBの利上げパス見通しが変化したことを書いてきた。
これによって、これまで日銀のYCCの利回り上限0.5%に張り付いていた7-10年ゾーンの金利がとうとう剥がれ落ち、0.3%前後に収まっている。
さらに言うと、これまで海外ショート勢がひとつの日銀にアタックをかけている根拠となっていた日本円OISの水準が10年0.5%台・7年以下は0.4%以下になってしまっており、ここも国内勢が積極的に手掛けてきたことにより円OISでさえYCCの内側にいるんなら誰がアタックかけるの?という話になる。
さらに付け加えていうと、日銀オペでカレント3銘柄について、これまで日銀のSLFで借りて指値オペにぶっこむみたいなナメた真似をしていた海外ショート勢が燃やし尽くされたのか、日銀オペでこれまで-3%後半みたいなクソ高い落札コストを払ってきたのが、3/14時点で2.2%しか払っておらず、ようはショート勢がポジション維持できずに焼き尽くされていることが判明しつつある。

【日銀オペの3/14の結果】
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230314.htm

つまりこれまでずっと投資を控えてきた国内銀行勢が、もう米国金利が上がらんわけだし日本国債買ったれと総突撃しているわけで、ショートしていた投機勢は高い金利を払って先物ロールやキャッシュショートしているものに対してレポコスト払っているのに燃やし尽くされてきていることを意味する。
これであれば、しれっと今のうちに日銀がYCCを解除してもほぼノーインパクトで解除が可能だろう。
まあ元々日銀もFRBの利上げ路線が限界点に近づいていることを認識して、これまで粘ってきたわけである。
過去リーマンショック前では米国債金利がどの年限も5%にある時に政策金利を引き上げたわけだが、もう米国債金利のどの年限も4%にならなそうというのであれば、政策金利の引き上げなどの金融引き締めを行う必要性は全くないだろう。

こういった点で植田新総裁は運を持っているという評価ができるかもしれない。

もう現段階で日銀が数年内に政策金利が引き上げられるというリスクは大きく減退というよりほとんどなくなったので、普通の人が一番心配していた住宅ローンの変動金利が引き上げられるということはないわけで、安心して住宅を変動金利ローンで購入すべきだろうと思う。
またそれに伴って、住宅不動産価格についても過度に価格が下がるという心配も必要ないだろう。

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