米シリコンバレー銀行が経営破綻 リーマン危機後で最大 北米
相場で急に目下一番注目すべきポイントなった。
金曜日時点で当ブログでは注目すべきポイントと書いていた米銀SVBだが、状況の進展はかなり急速である。
まず一体どのような問題が起きていたのかは、下記過去記事を見てもらえればいいのだが、簡単に言うとベンチャーからの預金が多く、それを債券投資していたら金利上昇を全部食らって含み損抱えた上に、ベンチャー投資が減少したために預金が減少していて追い詰められましたという話だ。
【過去参考記事】
これに対して破綻するからすぐに預金を引き出さなきゃという古典的な取り付け騒ぎが起き、このまま預金が流出して満期保有目的債券を強制的に投げさせられると非常にまずいことが起きるというのが木曜日時点までの焦点であった。
しかし、このニュース報道があってから翌日の金曜日にはFDICがゴーンコンサーンのトリガーを引く形で破綻処理に入ることとなった。
一般的に金融機関は事業会社と破綻処理が異なる。
事業会社は資金繰りが回らなくなり、返済ができなくなった時にデフォルトという判定になるが、金融機関は当局が「お前はもう死んでるから」と宣言すればデフォルトなのである。
金融当局が破綻処理のトリガーを引いたら、一旦預金引き出しなどのオペレーションは凍結して破綻処理に入るというということで、FDICからは25万ドル未満の預金者は保護されるけど、それ以上の人はFDICに連絡してねというリリースを発表している。
まずよくわからない人から見るとリーマン!リーマン!みたいに叫んでおけばいいということになるが、大きく内容は異なるため、きちんと何が問題でその先がどうなるかを書いていきたい。
リーマンショックとの違いは含み損を抱えている資産内容にある。
リーマンショック時はサブプライムローンなど時価評価が不明な資産を大手金融機関全員が大量保有しており、全員が同時にそのショックを受けたことから誰もサブプライムローンを切り離すことができなくなり、最もレバレッジが掛かっていたリーマンブラザーズが潰れた。
今回のSVBの場合は保有している資産については国債・MBS・社債など、いわゆる市場で時価が常にいくらかわかっている透明性の高い資産がほとんどである。
加えて国債・MBSについては単に金利上昇によって損失を抱えてしまっているわけで、リスク量の計算が非常に容易であるわけで、子銀行をどこかに買収させるというのもそこまで難易度は高くないように思う。
また今回の問題の根源は預金減少によるところが大きく、大手銀行ではこうした預金取り付け騒ぎ的な要素は全く皆無であることからも、預金基盤が薄かったり偏っている地銀ならともかくメガバンク系ではこうした事態は起きないだろうと思う。
そういった意味でSVB破綻については当局の判断がかなり速かったことから、本格的に預金引き出し駆け込みされてより状況が悪化する前に当局が手を打ってくれたということで評価できるだろう。
そしてここからが問題だが、この破綻したSVBの傘下にある子銀行をどこか別の銀行に買収してもらうというプロセスが今後行われる。
このプロセスが迅速に終われば、預金保護に対して安心感が生まれるため、事件的にはこれでおしまいという形になる。
今回のSVB破綻の根源的な問題は、偏った顧客からの預金減少によって十分に金利ヘッジできていなかったポートフォリオを売却せざるを得なくなる形で追い詰められたことによるもので、かなり個別性の強い問題であった。
ただ、このSVB問題から預金基盤が偏っているandポートフォリオに多額の含み損を抱えている地銀探しがしばらく続くので、その間はSVB破綻問題が解決してもやや尾を引きそうな感じがする。
ただ一方で、このSVB破綻問題には金利上昇という要因があまりにも大きかったことを意味していたわけであり、ここにきて金融引き締め効果がもろに出たという評価もできる。
そのため、この事件自体がFRBの金融引き締め姿勢に対してNoを突き付ける大きな材料となるため、金利上昇の終わりを告げるエポックメイキング的な事件だったのではないかとも思っている。
現段階で週明けの米国株は上下どちらに動くかは、とにもかくにもSVB破綻処理をどう完結させるかにかかっているように見える。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
相場で急に目下一番注目すべきポイントなった。
金曜日時点で当ブログでは注目すべきポイントと書いていた米銀SVBだが、状況の進展はかなり急速である。
まず一体どのような問題が起きていたのかは、下記過去記事を見てもらえればいいのだが、簡単に言うとベンチャーからの預金が多く、それを債券投資していたら金利上昇を全部食らって含み損抱えた上に、ベンチャー投資が減少したために預金が減少していて追い詰められましたという話だ。
【過去参考記事】
米銀SVBの問題はやや注目せざるを得ない材料となる
これに対して破綻するからすぐに預金を引き出さなきゃという古典的な取り付け騒ぎが起き、このまま預金が流出して満期保有目的債券を強制的に投げさせられると非常にまずいことが起きるというのが木曜日時点までの焦点であった。
しかし、このニュース報道があってから翌日の金曜日にはFDICがゴーンコンサーンのトリガーを引く形で破綻処理に入ることとなった。
一般的に金融機関は事業会社と破綻処理が異なる。
事業会社は資金繰りが回らなくなり、返済ができなくなった時にデフォルトという判定になるが、金融機関は当局が「お前はもう死んでるから」と宣言すればデフォルトなのである。
金融当局が破綻処理のトリガーを引いたら、一旦預金引き出しなどのオペレーションは凍結して破綻処理に入るというということで、FDICからは25万ドル未満の預金者は保護されるけど、それ以上の人はFDICに連絡してねというリリースを発表している。
まずよくわからない人から見るとリーマン!リーマン!みたいに叫んでおけばいいということになるが、大きく内容は異なるため、きちんと何が問題でその先がどうなるかを書いていきたい。
リーマンショックとの違いは含み損を抱えている資産内容にある。
リーマンショック時はサブプライムローンなど時価評価が不明な資産を大手金融機関全員が大量保有しており、全員が同時にそのショックを受けたことから誰もサブプライムローンを切り離すことができなくなり、最もレバレッジが掛かっていたリーマンブラザーズが潰れた。
今回のSVBの場合は保有している資産については国債・MBS・社債など、いわゆる市場で時価が常にいくらかわかっている透明性の高い資産がほとんどである。
加えて国債・MBSについては単に金利上昇によって損失を抱えてしまっているわけで、リスク量の計算が非常に容易であるわけで、子銀行をどこかに買収させるというのもそこまで難易度は高くないように思う。
また今回の問題の根源は預金減少によるところが大きく、大手銀行ではこうした預金取り付け騒ぎ的な要素は全く皆無であることからも、預金基盤が薄かったり偏っている地銀ならともかくメガバンク系ではこうした事態は起きないだろうと思う。
そういった意味でSVB破綻については当局の判断がかなり速かったことから、本格的に預金引き出し駆け込みされてより状況が悪化する前に当局が手を打ってくれたということで評価できるだろう。
そしてここからが問題だが、この破綻したSVBの傘下にある子銀行をどこか別の銀行に買収してもらうというプロセスが今後行われる。
このプロセスが迅速に終われば、預金保護に対して安心感が生まれるため、事件的にはこれでおしまいという形になる。
今回のSVB破綻の根源的な問題は、偏った顧客からの預金減少によって十分に金利ヘッジできていなかったポートフォリオを売却せざるを得なくなる形で追い詰められたことによるもので、かなり個別性の強い問題であった。
ただ、このSVB問題から預金基盤が偏っているandポートフォリオに多額の含み損を抱えている地銀探しがしばらく続くので、その間はSVB破綻問題が解決してもやや尾を引きそうな感じがする。
ただ一方で、このSVB破綻問題には金利上昇という要因があまりにも大きかったことを意味していたわけであり、ここにきて金融引き締め効果がもろに出たという評価もできる。
そのため、この事件自体がFRBの金融引き締め姿勢に対してNoを突き付ける大きな材料となるため、金利上昇の終わりを告げるエポックメイキング的な事件だったのではないかとも思っている。
現段階で週明けの米国株は上下どちらに動くかは、とにもかくにもSVB破綻処理をどう完結させるかにかかっているように見える。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック


