日銀、5カ月半ぶりETF買い 701億円

色々な事情を鑑みると、地銀の売りをスムージングさせるためである可能性は高い。

6月17日以来の日銀のETF買いということで、やや下落幅は大きかったという事情はあるものの、6月17日の水準と比べるとかなり高い位置・中途半端な位置での買いということで、なんだこれという話をする人がちらほらツイッターでも見かけられた。

【日経225のチャート】
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個人的にもここで日銀買い?という疑問を持ちながら相場を見ていたのだが、いろいろ報道やツイッターのつぶやきを見ていると一つ考えられることとして、地銀の売りをスムーズにするための買いではなかったのかというのが答えなのではないかということである。

日本の金融機関は余資(貸出に回っていない預金)が非常に多いということもあり、滞留させている現金を外国債券(為替ヘッジはするんだけどね)を中心に、サブでJREITや株などもポートフォリオに組み入れて運用して利益を稼いでいる。
しかし、ご存じの通りこの1年は強烈な債券金利上昇で多くの地銀は含み損を抱えている状態である。
多くの金融機関が債券(特に米国債とフランス国債)で多額の含み損を抱えている中で、金融庁がお前このまま12月の四半期決算や3月の本決算を迎えるわけじゃないだろうなあと圧迫をかけている可能性があるということである。

ただ、圧迫だけかけて売らせてしまうと、テクニカル的にリスク資産に売り圧力を生じさせてしまう。
そのため、地銀に圧迫をかけると同時に、日銀がETF買いを行うことによってその下落幅をスムージングさせようという話なのである。
話としては概ね合点がいく内容だし、特に米国債の金利が低下しているはずなのに、JREITの価格がここ数日は下落しているというのはもろにこの動きを反映していると考えられるだろう。

しかし、当ブログ読者であればすでに知っている話だと思うが、このような地銀の仕方がない売りは市場から見ればファンダメンタルズを全く無視したテクニカル的な売りであることがわかる。
こうした本来ファンダメンタルズを無視した売りというのは拾ってしかるべき部分であろうこともなんとなく想像しやすいだろう。

以上から足元の日本系資産の売りは地銀の投げをキャッチするという点で買いでいいのではないかと思う次第である。
外国債券も金利はすでにピークを越えて、先行きの中立金利はどこなんでしたっけを見に行くステージにあるので、地銀の外国債券含み損対応が終われば自然と相場の逆風は止むものと思われる。
 
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